はなこのアンテナ@無知の知

たびたび映画、ときどき美術館、たまに旅行の私的記録

おふくろ太郎と「井上雄彦 最後のマンガ展」

2008年06月20日 | 文化・芸術(展覧会&講演会)


最近、オーナー店舗の閉店に伴う、大阪道頓堀名物、”食い倒れ太郎”の動向がいろいろ取り沙汰されていますが、散歩(ウォーキング)の帰り道に、気になる”人物”がいたので写真に納めました。なんでも本人曰く「食い倒れ太郎のマブダチ」なんだそうです。一体神奈川の外れで、いつ食い倒れ太郎と友達になったんだよ?って感じですが、”食い倒れ太郎”と同じく、食べ物屋さんの店先に鎮座しています。”食い倒れ太郎”より”オッサン度”高めですね!日本全国にいるのかな?”太郎”の友達。

今日は授業が午前中で終わる息子と一緒に上野の森美術館で開催中の「井上雄彦 最後のマンガ展」を見て来ました。美術館外壁に大迫力の武蔵の壁画が展示されています。多くの人が写真を撮っていました。私達もミーハー気分でパチリ♪

 壁画with息子

展覧会は見応えがありました。マンガと言う2次元世界を、美術館という3次元の展示空間でいかに表現するかに工夫が凝らされた展示構成でした。井上氏は空間デザイナーとタッグを組んでの仕事だったようですが、それが功を奏して、スケールの大きな作品の世界観を実現できたように思います。私達鑑賞者は、あたかも作品世界に入り込んだかのような錯覚さえ覚える。

冒頭から、筆の走った、燃え立つような武蔵像が鑑賞者を出迎えます。ここでいきなり「バガボンド」ファンは心臓を鷲掴みされるでしょう。その後はその眼で、武蔵の晩年の物語を辿ることになります。その間(かん)、井上氏の優れた描画力に感嘆し、大きく空間をとった日本画独特の画面構成を井上作品の中に見いだしては感銘を受け、支持体としての和紙の質感と作品との見事な調和に感じ入り、今回画材として多用された墨の静謐さと力強さに圧倒されるのです(少なくとも私はそうでした)。

単に過去の作品を展示するのではなく、全編書き下ろしと言うのも、井上氏にとっては大きな挑戦だったに違いない(展示作品を収録した図録がまだ刊行されておらず予約販売というのが、いかにも”出来たてホヤホヤ”と言う感じです・笑)。通常の美術館の展覧会とはひと味違った、脳の、通常とは違う部分が刺激されるような、興味深い展覧会と言えるでしょうか?日本が誇るべき文化のひとつである「マンガ」の、ひとつの到達点を見たように思います。展覧会タイトルの「”最後の”マンガ展」と言うのが意味不明なのですが…”もうマンガ家としてやり尽くしたので筆を置く”と言うことなのか、それとも”究極の”と言うニュアンスなのか?

因みに過去に開催されたマンガ関連の展覧会で、「鳥山明展」は、開催した川崎市民ミュージアムの観客動員数歴代1位を記録しています。今回の「井上雄彦 最後のマンガ展」は果たしてどのような記録を打ち立てるのでしょうか?


ネット情報では午後遅くには当日券が売り切れの可能性もあるとのことだったので、私は1時頃までに当日券を入手。3時以降には入場口にかなり長い行列ができていました。じっくり見るなら平日の午前中、遅くとも2時頃までには入館した方が良いのかもしれません。土日はとんでもなく混んでいるのでしょうね。それにしても高校生以上1500円なんて入場料は高過ぎる。学生主体の観客構成とは言え、大学生以上はともかく、高校生に1500円は気の毒。イマドキ映画館だって3人集まれば1000円で入れる時代です。何を根拠に、このような入館料設定にしたのでしょう?これだけが玉に瑕?!

「井上雄彦 最後のマンガ展」公式HP FLOWER 
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