
耳なし芳一(未完)やになって放ってしまった。むかし話のついで・・・・
わたしの生まれた村の奥に横川という川がある。まさに人のこない清流だった。ただし、現在は砂防提ができたりして、面影はうすれた。ここの水遊びは冷水にはいるごとくだった。当然水底には魚がくっきり見えた。数件人家はあったが地すべりで皆土地を離れた。この川で魚を獲っていた男に、旅の僧が「たくさん獲れたかや」問う。男は「一匹も獲れねえよ」とみすぼらしい姿をした僧に、さげすむようにうそを言った。僧はその態度に一枚の札を川に流した。それからは魚が一匹もとれなくなったと。この僧は弘法大師であったと人はうわさしたという。むかしも今も人も来ぬ山奥まで弘法大師信仰の話が残っている。
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