現役世代が自己責任社会の中で生きているというところからはじまった
井手英策氏の研修では、平成元年4位だった一人当たりのGDPが22位となった日本は、
潜在成長率が欧米諸国の半分のゼロ台後半から1パーセントであり、
ふたたび成長することはムリだという現実をしっかりと把握しなければならないとした。
生活水準で貧困率が16.8パーセントであっても国民の意識は92.7パーセントが
「中」と一番多く、
他人を犠牲にしなければ豊かになれないと感じている国民が
1990年は24.8パーセント→2010年38パーセント
所得はもっと公平にしなければ豊かになれないと感じている国民が
39位/58か国
格差是正は政府の責任と感じている国民が
28位/33か国
を踏まえ、勧善懲悪が適用しなくなった時代となり、
国民みなが安心して暮らせるよう国は責任を持つべきと感じている国民が
1990年は63.2パーセント→2010年76.4パーセント
という数字を踏まえ、格差是正が通じない社会となっていることを示しました。
日本の一流ホテルはニューヨーク、ロンドン、パリの半額の1泊2万数千円ほどで宿泊できる
という理由でインバウンド観光客がやってくる現状は、ひところ日本人が
東南アジアで高級ホテルに宿泊して豪遊できる旅行の感覚で、
外国人が来日している時代であると認識しなければならないとしたうえで、
全ての人に「ベーシック・サービス」について解説しました。
昨年7月に会派のぞみで視察した明石市は、井手先生のベーシック・サービスに近い施策を
実行したことで、人口増となり30万人を突破し中核市となり、
今年度には児童相談所を設置する計画を伺いました。
弁護士であり、国会議員であった泉市長は、国の動きもしっかり見極めながら、
市の単費で新たな施策をすすめながら風が吹いている時に国の制度にしていくスタイルです。
財源のためには公共工事などの他の予算をバッサリカットして1期目は大きな反対を
受けましたが、
子育て支援策により人口が増加し人、モノ、お金の好循環が生まれ
新築住宅の建設が増加すると産業振興につながり、反対が賛成へと変わったそうです。
明石市長がトップダウンで進めた子育て支援施策が、今や産業振興、高齢者や
障害者支援に繋がっているのは、「All for Allのまちづくり」であり
中間層の声に耳を傾け「貧困対策にしない」ことが肝ではないでしょうか。
井手先生がおしゃる通り、時代がダイナミックに動いているからこそ、
我々議員は、今回のような研修には積極的に参加する責務があると思います。
北は北海道から南は九州・沖縄まで市町村議員が144名(定員120名)参加し
ていました。個人参加の議員も含め、会派で参加している議員、
会派関係なく新城市の市議会からは9名も参加していました。
前回の5月もご一緒したお隣の八街市議会さんとも意見交換することができ、
実のある研修となりました。
4月には統一地方選挙があります。現役の議員がどのような活動をしているか
中身をぜひ知って投票してください。