最近読んだ本の名前。
この本によると脳の中にはXシステムというスピードは速いけど反射的な動作しかできない古い部分と、Cシステムという柔軟で想像力があるがやたらと遅い二つの部分があるのだという。
もともと脳にはXシステムしかなかった。生命の危機においていくつもある行動パターンの中から、最も適切なアクションをXシステムが瞬間的に判断して実行してく。そして進化の中で、人間はXシステムの行動プログラムを抑えるCシステムによって動物的な行動に陰影をつけることが出来るようになったのだという。この世界の意味が全てコントラスト、つまり対比によって作られているとすれば、それらはすべてCシステムによって作り上げられていると言ってもいいのかもしれない。
人の意識というのは、これらXシステムとCシステムの両方の相互作用の結果として、作り上げられているのだ。我々は自らの自由意思を持っていると考えがちだが、どうもそうではない。このことは以前にもこのブログでも取り上げたことがあると思う。
生命の危機にさらされるようなストレスフルな状態での行動や、飛行機を何万時間も操縦したベテランパイロットの操縦のような説明を超えた名人技などは、Xシステムに書き込まれたプログラムが間違いなく動作している。いちいちの動作を意識しなくてもそのプログラムは自動的に展開される。
そういうXシステムの自動プログラムを増やしていくためには、疲れやすくて遅いCシステムをがんばって使い続けるしかないらしい。それを大体1万時間続けると、何でもXシステムに知識のコンパイルが行われるというのだ。運動スキルの習得しかり、語学の習得しかり。
目の前に置かれた現実に対応する時は、あれこれ考えず自分の心にじっと耳を傾けることが一番いい場合が多い。それはたぶん高性能のXシステムがCPUパワーを100%にして結論付けているからに違いない。言い換えると、Xシステムのキーワードは「YES」だ。現状を受け入れ、それに身を任せて行く。
これに対してCシステムのキーワードは「NO」である。Xシステムの解答にNOを出し、行動を抑制する。それは外界に対する反応も同じ。人のやったことに「NO」を突き付け、人との摩擦を生じさせる。当然エネルギーをたくさん使うのでCシステムはすぐ疲れてしまう。でも、そうすることによって我々の住む世界は、人によって作り出されたテクノロジーによって進化し、脳の中においてもその苦労を続けることによってXシステムに知識のコンパイルが起こる。脳内のシステムと外界はいつも対になっていると言ってもいい。
脳の中の新旧2つの情報処理システムと、リアルな世界の双対性を考えてみるのも楽しいかもしれない。写真をいいなあと感じる部分と現像や撮影のテクニカルな部分だって、その2つのシステムと考えることができるだろう。
良く感性が大事という。それはそれで一理あるんだけど、それだけでは物事は組上がって行かない。技術や理論やそういうこともすごく重要なのだ。少なくともCシステムを発達させた人間にとっては。来年は、CとXの二つのシステムのバランスを考える年にしたいと思う。
この本によると脳の中にはXシステムというスピードは速いけど反射的な動作しかできない古い部分と、Cシステムという柔軟で想像力があるがやたらと遅い二つの部分があるのだという。
もともと脳にはXシステムしかなかった。生命の危機においていくつもある行動パターンの中から、最も適切なアクションをXシステムが瞬間的に判断して実行してく。そして進化の中で、人間はXシステムの行動プログラムを抑えるCシステムによって動物的な行動に陰影をつけることが出来るようになったのだという。この世界の意味が全てコントラスト、つまり対比によって作られているとすれば、それらはすべてCシステムによって作り上げられていると言ってもいいのかもしれない。
人の意識というのは、これらXシステムとCシステムの両方の相互作用の結果として、作り上げられているのだ。我々は自らの自由意思を持っていると考えがちだが、どうもそうではない。このことは以前にもこのブログでも取り上げたことがあると思う。
生命の危機にさらされるようなストレスフルな状態での行動や、飛行機を何万時間も操縦したベテランパイロットの操縦のような説明を超えた名人技などは、Xシステムに書き込まれたプログラムが間違いなく動作している。いちいちの動作を意識しなくてもそのプログラムは自動的に展開される。
そういうXシステムの自動プログラムを増やしていくためには、疲れやすくて遅いCシステムをがんばって使い続けるしかないらしい。それを大体1万時間続けると、何でもXシステムに知識のコンパイルが行われるというのだ。運動スキルの習得しかり、語学の習得しかり。
目の前に置かれた現実に対応する時は、あれこれ考えず自分の心にじっと耳を傾けることが一番いい場合が多い。それはたぶん高性能のXシステムがCPUパワーを100%にして結論付けているからに違いない。言い換えると、Xシステムのキーワードは「YES」だ。現状を受け入れ、それに身を任せて行く。
これに対してCシステムのキーワードは「NO」である。Xシステムの解答にNOを出し、行動を抑制する。それは外界に対する反応も同じ。人のやったことに「NO」を突き付け、人との摩擦を生じさせる。当然エネルギーをたくさん使うのでCシステムはすぐ疲れてしまう。でも、そうすることによって我々の住む世界は、人によって作り出されたテクノロジーによって進化し、脳の中においてもその苦労を続けることによってXシステムに知識のコンパイルが起こる。脳内のシステムと外界はいつも対になっていると言ってもいい。
脳の中の新旧2つの情報処理システムと、リアルな世界の双対性を考えてみるのも楽しいかもしれない。写真をいいなあと感じる部分と現像や撮影のテクニカルな部分だって、その2つのシステムと考えることができるだろう。
良く感性が大事という。それはそれで一理あるんだけど、それだけでは物事は組上がって行かない。技術や理論やそういうこともすごく重要なのだ。少なくともCシステムを発達させた人間にとっては。来年は、CとXの二つのシステムのバランスを考える年にしたいと思う。