難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

難聴者の支援はエンパワメントから

2006年02月19日 19時11分01秒 | 生活
難聴者のコミュニケーションの力をアップするには、難聴者自身がコミュニケーションの不全感をコミュニケーション成就体験を通じて、コミュニケーション・ニーズへの欲求を明確な形にし、コミュニケーション・スキルの向上への意欲を持たせる必要がある。
つまり、日ごろの聞えない体験を分析し、難聴の理解の問題、周囲の環境による問題、対人関係の問題などに切り分け、その対策を考える。場面に応じた適切な対応の実施を通じて、問題解決を図っていく訓練が必要だ。そのための考え方、様々なコミュニケーション・ツールや社会資源の利用方法を学ぶことが、難聴者のエンパワメント(能力発揮)だ。
この難聴者のエンパワメントを支援する人々が必要である。その実例が、この講座の講師を務める益田修氏と酒井裕子氏だ。単なるIT講座ではなく、聞えない人のコミュニケーションについて、考える力を与えてくれる。難聴者等支援員のモデルの一つだ。

ラビット 記
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耳が遠くなり聞こえに不便を感じておられる方へ

日時 平成18年3月11日(土)
時間 午後1時30分~4時30分(受付午後1時より)
会場 港区立三田福祉会館 集会室A
   地下鉄三田線・浅草線三田駅 A9番出口徒歩1分
   http://www.city.minato.tokyo.jp/sisetsu/si_03_02.html
講師 前半 酒井裕子氏(かがやきパソコンスクール インストラクター)
   後半 益田修氏(かがやきパソコンスクール 代表)
講演テーマ 「ITで楽しく便利になる生活、広がる世界」
参加費 無料
情報保障 手話通訳 要約筆記 磁気ループ
定員 35名
・申し込みは不要です。
・お誘い合わせの上直接会場までお越しください。
・講座の後、講師を囲んで有志で交流会を行います。こちらも奮ってご参加ください。

お申込み・お問合せ先
 NPO法人 東京都中途失聴・難聴者協会 事務所
 TEL:03-5919-2421 FAX:03-5919-2563  E-Mail:info@tonancyo.org


障害者自立支援法と難聴者運動

2006年02月19日 12時27分54秒 | 福祉サービス

NPO事務局の仕事中途失聴・難聴者のほとんどは、「孤立」している。難聴は目に見えない障害で周囲の人には気づきにくい。難聴という障害は目に見えない障害というが、障害の部位が外見的にわからないというのではなく、音声や音によるコミュニケーションが目に見えるものではないからだ。音声、音は消えてなくなる、その場だけのものだから、コミュニケーションが成立しなかった結果、現象だけが残る。
また、このことから、自分で障害の程度、社会での差別、権利侵害のはなかなか分からない。
本人にとっても周囲にもなかなか理解されにくい難聴という障害を持つ人々は非常に多いが、適切な情報提供や支援が受けられていない。
コミュニケーションの障害なので、地域や社会資源とも関係が薄く、社会的に「孤立」しているからだ。

孤立している難聴者を支援するのは、難聴を自覚している当事者集団、中途失聴・難聴者協会が社会の中で一つの役割を果たさなければならない。
一つの役割というのは、難聴者の抱える問題は当然だが難聴者協会だけでは解決できないからだ。相談員、相談支援事業者、カウンセラー、ケースワーカー、医師、補聴器店、補聴支援技術者、社会福祉協議会、商店会、町内会、老人クラブ、自治会その他多くの団体、機関と連携を組むことが重要だ。

中途失聴・難聴者協会にとって、障害者自立支援法の地域生活支援事業との関わりをどうするかが、今後の運動の大きな課題になる。