難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

これが手話通訳利用有料化条項だ!

2006年06月30日 21時32分54秒 | 福祉サービス
福岡県内のある町の手話通訳派遣事業実施要綱に有料化条項があることが分かり、地域の対策本部が総力で撤廃の運動をしている。

福岡県の対策本部から以下の連絡があった。県内のある町の実施要綱第9条に「利用者負担1割」が明記されており、福岡県対策本部がその有料化の条項撤廃に取り組んでいる。
町からは、毎月の負担上限額の妥協案も出されているが、
(1)利用者負担が実施要綱に明記されたままであること
(2)通訳場面毎に利用者負担を無料とするかどうかが検討される
という新しい局面がに入っているという報告だった。

報告では、全15条の手話通訳派遣事業実施要綱が完成しており、平成18年4月1日から施行されるとなっている。手話通訳を受ける聴覚障害者は、その町に住む身体障害者手帳を有するものとなっている。さらに、手話通訳者に支払われる謝礼金額も、コーディネーターを手話通訳者の中から選任することも、その調整の金額まで定められている。

実際に、第9条の有料化の条項を見ると、これで一体いいのかと思う。一度有料化されたら、その金額が上がらないという保証はない。収入のあるなしに関わらず、すべての聴覚障害者が負担しなければならない。年金生活する高齢聴覚障害者が病院やデイサービス、その他のサービスを利用するたびに負担しなければならないのだ。
さらに参加費等も手話通訳者の分も負担するとある。この実施要項のどこに、聴覚障害者の「社会参加」を促進しようとする意図があるのか、見えるのは町の財政負担を増やしたくないということだけだ。

ラビット
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○○町手話通訳者派遣事業実施要綱
(目的)
第1条 この要綱は、聴覚障害者及び音声・言語機能障害者(以下「聴覚障害者等」という。)が日常生活又は社会生活等におけるコミュニケーションを円滑に行うため、手話通訳者(以下「通訳者」という。)を派遣し、もって社会参加の促進を図ることを目的とする。

(中略)

(利用者負担)
第9条 利用者は.派遣に要した費用の1割を負担するものとする。ただし、手話通訳業務を行う際に必要となる入場料及び参加費等は、全額利用者の負担とする。

(以下略)





東京都聴覚障害者地域活動者会議

2006年06月30日 08時40分14秒 | 福祉サービス
060629_2022~001.jpg060629_2025~001.jpg昨日、東京都聴覚障害者連盟の地域活動者会議が開かれ、東京聴覚障害者福祉対策会議に加わっている東京都中途失聴・難聴者協会や要約筆記者団体も参加した。
東京都は7月7日に区市町村を集めてコミュニケーション支援事業を含む地域生活支援事業を説明するとされており、ろう団体は7月4日に都交渉を控えていることから、各区市からの参加者で会場は満席になった。

現時点では都はこれまでの都手話通訳派遣事業をやめ、区市に委ねることにしており、区市の手話通訳派遣事業では聴覚障害者の求める通訳に十分対応出来ないと反対し、都と区市の派遣事業の二本建てを要望している。

東京都中途失聴・難聴者協会は昨年12月から各区市の障害福祉課に、要望をしてきたことが報告された。
要望は、障害福祉計画に中途失聴・難聴者協会を参画させること、要約筆記派遣事業の予算化をすること、中途失聴・難聴者コミュニケーション講座の開講の三点。
23区中21区、26市中25市を回り、要約筆記派遣事業を独自に実施するという区市が8、都の指針を待って実施するという区市が11あり、都の事業の継続を求めるところが3だった。交渉の中で、区市の担当者がほとんど要約筆記とは何かも知らない状況で驚いたという内容だった。
地域のろう団体が、要約筆記講習会や中途失聴・難聴者向け手話講習会の要望を掲げてくれているところも少なくないが、要約筆記事業については制度の変化についての理解は今一つのようだ。やはり、自ら要望書を持って説明する必要がある。

これから予算が決まろうとしている今、都と各区市の交渉が鍵だ。

ラビット 記