難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

トヨタ奥田氏がマスコミを脅迫!?

2008年11月13日 08時02分27秒 | 生活
081113-073841.jpg11月13日今朝の朝日新聞(社会面38ページ)を見て、驚愕した。
http://www.asahi.com/national/update/1112/TKY200811120346.html

トヨタ自動車の奥田ひろし氏が「厚生労働行政の在り方に関する懇談会」で、テレビ番組の報道の内容について、批判するだけでなく、スポンサーの辞退を公言したというのだ。

奥田氏は、第9代経団連会長であり、政府の数々の審議会、懇談会、委員会の座長などを歴任しており、日本財界の総トップだ。その氏が新聞社やテレビの広告の多さを盾に取った発言は言論封殺以外の何者でもない。

派遣労働者は使い捨てと言った氏が厚生労働行政を論じる危険さを感じるが、障害者施策に配慮など考えられない。
政府が障害者権利条約の合理的配慮にの法改正に躊躇しているのは、経済界の同意が得られないからということをどこかで聞いたが、この人の発言を聞けばさもありなん。

社会面ながら、トヨタの社名を出してこの発言をした朝日新聞はその報道精神はたたえられて良い。
氏は、この懇談会の座長だけでなく一切の公職を辞任すべきだろう。


ラビット 記







人工内耳の聞こえ もうすぐ1周年(2)

2008年11月13日 07時04分53秒 | 人工内耳
081110-170144.jpg人工内耳と補聴器の併用は、聞こえについてよく理解した医師と言語聴覚士、補聴器装用技能者がいないとなかなか大変だ。

補聴器関係者は人工内耳の知識がほとんどない。補聴器で効果がない人が人工内耳を装用すると一般では理解されているので、関心がなかったのかもしれない。

加齢とともに低下しつつある聴能を何とかくい止めるために、補聴器で聞こえない聞こえを人工内耳で補うという発想をした。自分が感音性難聴者だが人工内耳は高音がよく聞こえると聞いたからだ。実際には低い音から高い音まで聞こえるが、高い音が聞こえなかった難聴者にはよく聞こえると感じるのだろう。

最近のデジタル補聴器の機能はひと頃では考えられないほどの出力と機能を持っている。この機能を人工内耳を併用する場合に調整すれば、補聴器だけよりまた人工内耳だけよりも聞こえるはずだ。
これは補聴器の音響増幅と人工内耳の電気信号による聴覚刺激という両方の機能を一体化したハイブリッド人工内耳がすでにアメリカで実用化されている。

実際に、補聴器と併用しているのは出勤してからと就寝するまでの丸一日だ。
先日の補聴器の調整について医師と言語聴覚士と意見を交換したが、補聴器側の問題があることが分かった。補聴器の聞こえの明瞭度を得るには高音域の利得が必要だがそうするとハウリングが起きやすいと言う。
ハウリングはイヤーモールドが耳に合っていないかきちんと耳にはまっていない場合に起こる。イヤーモールドを作り直すか、それとも補聴器側の調整が必要になる。

最新の補聴器はハウリングをキャンセルする機能が付いているので、調整すれば出来るらしい。
補聴器には自動調整機能がいろいろ付いているが騒音抑制機能がある。人工内耳の感度と補聴器の音量をその場に聞きやすいようにバランスを取っているが、周囲の音に反応して補聴器が勝手に出力を下げてしまう。
こちらとしてはうるさい中でも今話されている声を聞き取らなくてはいけないときに前触れもなく聞こえなくなってしまうのは困る。
聞いているときに急に人工内耳だけの聞こえになったり、元に戻ったりするので聞こえが不安定な状況になっている。携帯電話を使っている時も携帯の音量」に反応して急に聞こえなくなってしまう。
自動騒音抑制機能も考えものだ。医師はその機能をオフにしたらよいと言うが、問題は、この調整が病院に行かなくては調整できないことだ。サラリーマンがそうそう日中に通院できない。

人工内耳にせよ補聴器にせよ、よりよい聞こえを得るためには良い医師、言語聴覚士、補聴器装用技能者に「巡り合う」ことと通院、調整の時間の保障、それに本人のモチベーションを維持するようなエンパワメントが必要だ。


ラビット 記




人工内耳の聞こえ もうすぐ1周年(1)

2008年11月13日 07時04分45秒 | 人工内耳
081110-170205.jpg早朝5時。ふすまの向こうで祖母がかけているラジオの音が聞こえる。
「あなたの生きていることが・・・」、「沖縄の海上○キロメートル・・・」とか聞こえる。
最初のは宗教か人生相談みたいな番組だ。その後は天気予報だ。

人工内耳の手術を受けて、もうすぐ1周年。
人工内耳のスピーチプロセッサーを装着したのが12月3日だから音の刺激が入ってから11ヶ月がすぎた。

もう1周年か。やっと1周年か。仕事の上でも、難聴者運動の点でも大きな展開があった。

補聴器装用者が人工内耳を自覚的に装用する一人になって、その聞こえるようになる状況、人工内耳の聞こえがどのように聞こえるのかではなく、どのように聞こえるようになっていくのかについてを発信してきたが、1年前を振り返る余裕はない。

当初、人工内耳の聞き取りの練習のためには人工内耳だけで聞く時間を出来るだけ長くするようにと言われていたが、補聴器で40年間聞いてきたので、人工内耳だけで聞くのに違和感があった。それに補聴器ではそこそこ事足りていた。それで半年くらいから補聴器併用で自然に任せることにした。

人工内耳のマッピングのデータなども比較して聞こえをもっとよく調整してもらってはと助言を頂いたり、自分でも本を読んだり、朗読音声を聞くことが効果があると聞いて試みようとしたが、食事するか寝るかパソコンの前に座るかの生活をしていると追求しきれなかった。

1周年経ったら、聞き取りの検査をすることにしている。その後はPETやその他の検査も進んで受けるつもりだ。PETの検査には医療倫理検討委員会の審査でかなり時間がかかりそうと聞いた。きちんと倫理問題が審査されることは、医学の健全発展、患者の保護のためには必要なことだ。

自分では自分の経験しかない。医師や言語聴覚士はどうなのだろうか、学会などの報告、情報交換で共有できているのだろうか。各医療機関で実施された人工内耳の手術やリハビリテーションに関わる体験は個人情報を保護してデータベースで共有化出来ないのだろうか。健康保険で費用が補填されていると思うが。今度伺ってみよう。


ラビット 記。