難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

難聴者支援事業の法的根拠(2)

2008年11月20日 13時45分16秒 | PHSから
081116-144848.jpg難聴者の自立訓練について、施策の可能性について、意見を交換した。

難聴者自立訓練事業の必要性については、お互いに難聴者なので論じることはなかったが、施策形成の場では説明する必要があることは認識が一致していた。
統計的な実態調査と臨床的なケースの調査が必要になると思うが結果がでるのにじかんがかかる。
実際に支援が行われて、効果をあげているケースを示すのも良いだろう。

静岡県で、中途失難聴者向け生活訓練事業が実際に行われている。


ラビット 記
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 どんな事業が必要か、というモデルを作り、ついで次のいずれかに進む。

  (1)障害者自立支援法で現に定められている事業に含める(運用の問題)。
  (2)障害者自立支援法で現に定められている事業のなかみの拡張を要望する(運用の問題)。
  (3)障害者自立支援法で現に定められている事業以外の事業の新設を要望する(制度改正)。

 自立支援給付(個別給付)は、国庫負担基準の関係で非常に限定的に定められているので、地域生活支援事業に活路を見いだすほうが実際的に思われるのですが、
自立支援給付(個別給付)に固執するのはなぜでしょうか。






難聴者向け訓練事業の法的根拠(1)

2008年11月19日 13時27分44秒 | エンパワメント
081117-084534.jpg難聴者向け訓練事業の法的根拠(1)
難聴者は、エンパワメントとして、同じ障害を持った難著者、専門家の助言、指導をきちんと受けないと難聴「者」になれない。

障害者自立支援法では、自立訓練給付が事業化されている。
難聴者はどの事業に適用できるか、ある県の職員に聞いてみた。
機能訓練が適用になるのではないかということだ。
別添の資料は省略したが公開されていたら、提示したい。


ラビット 記
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 障害者自立支援法第5条に各事業の内容が定義されており、第13項【注1】で「自立訓練(機能訓練or生活訓練)」を定義しています。

 【注1】法第5条第13項
    この法律において「自立訓練」とは、障害者につき、自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、
   厚生労働省令【注2】で定める期間にわたり、身体機能又は生活能力の向上のために必要な訓練その他の厚生労働省令で定める便宜を供与することをいう。

 【注2】障害者自立支援法施行規則第6条の6
    自立訓練のうち身体機能の向上に係るもの⇒自立訓練(機能訓練) →身体障害者 【注3】
    自立訓練のうち生活能力の向上に係るもの⇒自立訓練(生活訓練) →知的障害者・精神障害者 【注4】

 【注3】「平成20年4月からの介護給付費等に係る支給決定事務について」第2のⅡの(11)
 【注4】「平成20年4月からの介護給付費等に係る支給決定事務について」第2のⅡの(12)

 よって、難聴者に関わる自立訓練があるとすれば、機能訓練のほうです。

 ちなみに、平成18年9月以前の「生活訓練事業」が平成18年10月以降はどの事業になったかは、別添の資料をご覧ください。また、障害者自立支援法の各事業の概要も、別添の資料をご覧ください。




難聴者のエンパワメントの実践と施策化

2008年11月17日 08時33分37秒 | エンパワメント
081116-144749.jpg081116-205159.jpgKさん、
久しぶりの再会でしたね。ご返事が遅くなってすみません。名前は思い出せなかったですが確かに会ったことのある顔でした。

今の私は、難聴者がもっと力を付けるためにはどうしたらよいかを考えて実践しています。それは難聴者のエンパワメントです。エンパワメントとは障害者など人の本来持っている力や意欲を引き出すための働きかけです。
難聴者協会は日常的に難聴者に対してエンパワメントをしていますが、それをきちんと理論化し、対人援助技術として体系化して、それを施策化することに取り組んでいます。

一昨日の土曜日には、地域の難聴者の会で、難聴である人は難聴者になるために学ぶ必要がありその施策化が必要と話しました。
妊婦は母親になるために母親学級を受けるのと同じように難聴者は難聴者学級を受ける必要があるということです。

ここで言う難聴者とは難聴であることを自覚的に受け止め種々のコミュニケーション方法があることを学習し、対応方法について学んだ人です。母親学級は父親の受講が必要なように家族の受講も必要ですね。

講演は、最初は聞こえない人同士がどうしたらコミュニケーション出来るか、ウチワと簡易筆談ボードで行う方法を紹介しました。難聴の講師と会場の参加者が文字でコミュニケーション出来たのですが、筆談ボードを持っていない方が半数もいたので参加者同士で筆談の機会を作れば良かったと後で思ったことでした。

それから、自分はどうやって難聴者になったか、難聴者になるということはどういうことかについて話しましたが、この難聴であるということと難聴者になるということは違うということがポイントです。
難聴であることを前向きに受け止め、難聴に対して対応を考えることが出来る、社会の変革を求める人が難聴者ということです。つまり自覚的に難聴を受け止め、難聴と対応できる人が難聴者になるというような話をしました。

このためには、難聴者になるための「難聴者学級」が必要です。このことを自立支援法下でも出来ないか、厚生労働省に求めることにしています。
Kさんの難聴者協会を設立した大先輩が難聴老人大学を創設して実践されていたのを思い出しました。

こうした話でしたらいつでもしますので、呼んでください。


ラビット 記





人工内耳にかかわる書籍の書評

2008年11月16日 17時24分13秒 | 人工内耳
081116-145628.jpg081116-145543.jpg新書中心主義-心理学者の読書日記
Paperbacks Centrism/신서판 중심 주의/小丛书中心主义 ― 本の感想メモ&外国語練習帳
(ラビット注:タイトルが日本語、英語、ハングル、中国簡体字で記述されているようです)
http://kaysaka.blog.so-net.ne.jp/
に、人工内耳に関する書籍の批評があった。

人工内耳とコミュニケーション-装用後の日常と「私」の変容をめぐる対話 [生物] [編集]
http://kaysaka.blog.so-net.ne.jp/2008-07-25
『人工内耳とコミュニケーション/黒田生子/ミネルヴァ書房/2008』
著者:人間環境学
評価:人工内耳の実際の効果を知る

障害者のプライドの問題。
障害者枠で就業していると、
どうしても障害者は、会社に飼われているイメージがあるらしい。
(以下、略)

このブログでリンクされているAmazonのレビューを見ると
「人工内耳とコミュニケーション/黒田生子/ミネルヴァ書房/2008」
Amazonの書評で高い評価が付いている。
人工内耳を装用した当事者がこのような評価に耐える書をもっと発信すべきと考えた。
早速、申し込んだ。


なお、Amazonの書評ランクは黄色い☆印が並んでいるが、Webでコピーすると「5つ星のうち5.0」というテキストに変換される。これはWebアクセシビリティが高い。


ラビット
写真は通勤路に咲いていた菊の花と蕾み。
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>●5つ星のうち 5.0 人工内耳とQOL(クオリティ・オブ%ライフ)を掘り下げた力作, 2008/4/9
>Byアナカプリの丘  人工内耳装用者やその周囲の大人を丹念に追跡することで、コミュニケーションのみならず生活全般の質についてどのような変化が起こったかを浮き彫りにし、障害認識まで踏み込んで分析した好著である。 (以下、レビュー参照)
>
>●5つ星のうち 5.0  多分、今年最大の収穫の一つになる, 2008/9/22
>By そんなバカな! (文京区本郷) - (TOP 100 REVIEWER)
> 評者は、ろう者の友人知人も何人か居るが、一方で身近に人工内耳装用児も居る。この子供は1歳の時に聴覚障害の存在がわかり、両親はわりとあっさり人工内耳を選んだ。手話で闊達に会話を交わすろう者たちの姿を評者はよく見聞きしているから、手話の活用もそれとなく薦めてみたのだが、両親の「日本語話者として育てる」という決意は固かった。それから2年。人工内耳で100デシベルが40デシベルになった子供は、ぺらぺらと音声日本語を喋り、聴者の家族に囲まれて幸せそうに暮らしている。 (以下、レビュー参照)
>
>http://www.amazon.co.jp/review/product/4623050378/ref=dp_top_cm_cr_acr_txt?%5Fencoding=UTF8&showViewpoints=1





難聴者とIP放送とデジタル放送のトピックス

2008年11月15日 20時27分46秒 | 放送・通信
081115-190106.jpgGoogle アラートでIP放送とデジタル放送のトピックスを拾ってみた。難聴者等とどう関係するのか考えてみよう。
アラートでニュース全体のソースもハイパーリンクされて配信されているが見る余裕がないので冒頭部分だけ。
記事を検索すると元のニュースがヒットするはずだ。


ラビット 記
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IP放送に関する Google ニュース アラート

株式会社アドバンスト・コミュニケーションズ
CNET Japan
本モデルを11月19日から幕張メッセで行われる国際放送機器展「Inter BEE 2008」(注2)において展示し、デモンストレーションを行います。 電通の考案した「許諾コード方式」、富士通のネットTV(注3)対応映像配信SaaS型サービス「FENICS IPビデオ配信サービス」(注4)、 ...

●これだけでは分からないが特別な通信方式プロトコルやデコードが必要な方式はアクセシビリティの確保の支障にならなければよいが。
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携帯電話向けマルチメディア放送技術、民間事業者から5件の提案
毎日新聞
総務省の電気通信技術審議会が1999年11月29日に答申した、地上デジタル音声放送方式の技術的条件を基盤に、「ダウンロード機能」「簡易動画の高画質化」「MPEGサラウンド」「IPパケット多重機能」などを含めた、高機能化を図っている方式を提唱している。

●簡易動画とは何か興味深い。手話の簡易動画(アニメーション、フラッシュ)なら地デジに乗るはずだ。
こうした審議会に障害当事者を送り込めないものか。
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インターネットコムMotorola ブランドを家庭に―アミューズメントボックス「au BO可能性がある。固定ネットワークが、KDDI の提供する「ひかり One」であれば、ひかり One TV サービスの多チャンネルテレビ放送を楽しむことも可能となる。 ちなみに付属のリモコンはターゲットとなる携帯電話ユーザーを強く意識したつくりとなっており、キー配列や ...ー

●多チャンネル同時受信が手話放送や解説放送の普及につながる
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ITmedia「通信が放送をのみ込む」時代?
ITmedia
ちなみに、民間調査会社の矢野経済研究所がこのほど発表した「2008年度におけるIP放送と映像配信サービス市場に関する調査結果」によると、有料サービスの売上高は、IP放送市場が前年度比24%増の186億円、映像配信サービス市場が同11%増の455億円に達する見通し。 ...

●手話コンテンツは独自の発展を遂げることが出来るのか。手話ブログの発達は期待される。手話ブログの匿名性が手話アニメのアバターで実現すると良い。
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デジタル放送に関する Google ニュース アラート

CMを見てためたポイントで好きな番組の本編を視聴,電通など3社がデモ
ITpro
…を使い,映画やドラマの本編をオンデマンド視聴するIPTVサービス,(2)ワンセグ(携帯端末向け地上デジタル放送)で視聴したコンテンツをその場で携帯端末を使って視聴予約し,自宅のIPTVサービスで続きをオンデマンド視聴するIPTVサービス――を提案している。 ...

●テレビ視聴のアクセシビリティを向上させることにつなげたいが。
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スカパーJSAT、HD化の加速とBS参入への取り組みを説明
AV Watch
HD」の今後の計画や、2009年より参入を見込むBSデジタル放送への取り組みなどについて説明した。 10月1日に開始した「スカパー! HD」について秋山政徳社長は「単に15chのHD放送を始めたというだけではなく、それをドライバとしてビジネスモデルを変革するための第1歩。 ...

●BSデジタルをどうするかかんがえたことがなかった・・

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IPTV時代の本格的幕開け - 韓KTを皮切りに続々と始まるリアルタイム放送
マイコミジャーナル
これら業者は、デジタル放送をアナログ放送の料金のままで視聴できるサービスや、ブロードバンドとセットになったお得な料金などで、IPTVに対抗しようとしている。 IPTV3社がリアルタイム放送を開始する頃には、これら3社間の競争だけでなく、ケーブルテレビ対IPTV ...

●これは楽しみだ。番組をみながら別のコンテンツを参照したい。
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マイコミジャーナルユニデン、地上デジタル/アナログチューナーを内蔵した19V型液晶テレビ
マイコミジャーナル
同社では、地上デジタル放送用のチューナーのみを搭載した液晶テレビ「TL19TX1」を販売している。同社によると、TL19TX1は、2台目、3台目のテレビとしての需要が多く、かなり好調とのことだが、購入したユーザーのなかには、まだ、地デジの受信環境が整っていないために、 ...

●地デジテレビからもう1台のアナログテレビに出力する機能はむずかしくないだろうに。
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“BDデビュー”のススメ――BD基礎知識とBDレコーダー選びの勘所
BCNランキング
高画質や高音質、データ放送、電子番組表(EPG)などさまざまな特徴をもつデジタル放送。現在、デジタル放送の番組は、基本的にハイビジョン(HD)映像で提供されている。HD画質は、アナログ放送の標準(SD)画質と比べると画質や音質が向上し、データの容量もずっと ...

●BDってなんだ?ブルーレイディスクのことか。ブルーレイディスクっていっても普通の人は分からないだろう。
ハイビジョン放送を標準画質に落として記録するのはありだろうが標準画質で放送して、見るときはハイビジョンというのはだめか?手話放送を同時送信して欲しいので。
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地上デジタル放送の簡易チューナー向けシステムLSI,NECエレがサンプル出荷
ITpro
NECエレクトロニクスは2008年11月14日,地上デジタル放送の簡易チューナー向けシステムLSI「EMMA(エマ)2TS」(写真)を製品化し,同日にサンプル出荷を開始したと発表した。地上波放送の完全デジタル移行に向けて,総務省とデジタル放送推進協会(Dpa)が公表した簡易 ...

●この簡易チューナーに、視聴覚障害者のテレビ視聴のアクセシビリティが保障されていないのではないかと障害者放送協議会はDPAに交渉した。字幕放送は見られるとのことだが未確認。解説放送も手話放送も無理。
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イッツコム,来年1月に5チャンネルを多チャンネル放送のラインアップに追加
ITpro
イッツ・コミュニケーションズ(イッツコム,本社:東京都渋谷区,社長:渡辺功氏)は2008年11月14日,自社のデジタル放送サービスに2009年1月から,5チャンネルを追加すると発表した。新たに追加するのは,「アジアドラマチックTV★HD」と「FOXライフ」,「クラシカ・ ...

●ほう、自社放送サービスをしている会社があるのか。「目で聴くテレビ」をコンテンツに加えて欲しい。
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デジタル放送推進協会、地デジチューナーが累積4095万台と発表
朝日新聞
デジタル放送推進協会(Dpa)は、10月末の地デジ(フルセグ)チューナーの累計普及台数が4095万台に達したと発表した。内訳は薄型テレビ2521万台、チューナー内蔵録画機を含むチューナー886万台、ケーブルテレビ用セットトップボックス(STB)616万台など。9月末の ...

●この普及台数にコメントがあるのか分からないが相当数のアナログテレビが残っている。我が家のように1台はデジタルだが別室のもう1台はアナログという家庭は多いだろう。1台のデジタルテレビでもう1台のアナログテレビにも映るようには出来ないのか。アナログ出力機能を付ければ売れるだろうな。
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NECエレ、低価格の地デジチューナ向けLSIをサンプル出荷
AV Watch
2011年7月の地上デジタル放送への完全移行に向けて、総務省と社団法人デジタル放送推進協会(Dpa)が策定した簡易チューナの仕様ガイドラインに準拠したというLSI。7月22日に発表されており、発表時は「2008年秋にサンプル出荷予定」としていた。 MEPGデコーダなどの映像/ ...

●Dpaは簡易チューナーの規格設計の時にアクセシビリティの検討が加えられたか公表すべきだ。していなければ提訴も考えられる。
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企業からの情報
Yahoo!ファイナンス(プレスリリース)
当第2四半期連結累計期間においては、携帯のブロードバンド化・高機能化とパケット定額制の浸透、NGN(次世代ネットワーク)の商用サービス化、デジタル放送の普及等、大容量・高画質コンテンツを自由に楽しめるネットワーク環境が確立しつつあります。 ...

●障害者の生活のQOL向上に役立てて欲しい。高齢化社会というのは国民のかなりが障害者になるということだ。障害者の権利条約の障害の定義に従えば、高齢者2700万人はみな障害者だ。
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地デジ難視聴地域、受信施設の整備をNHKが助成
CNET Japan
地上デジタル放送の難視聴地域の共同受信施設に対して、NHKが費用の一部を助成することがこのほど正式に決まった。総務省は11月12日、NHKから申請を受けていた助成業務への認可を発表した。 助成業務は、地上デジタル放送の難視聴地域において共同受信施設の整備、維持に ...

●テレビが見られなくなる難視聴「地域」だけではなく、難視聴「者」の問題を考えなければならないのに、政府も放送業界もこの問題から逃げている。あきれたIT大国だ。情報立国は無理。すでに韓国に抜かれている部分もある。アメリカがチェンジしたら、アクセシビリティに関する特許を抑えられてしまって一方で障害者権利条約の合理的配慮を迫られたら巨額の特許使用料を払う羽目になる。逆に行うとビジネスチャンスが目の前にあるということだ。

●総務省の聴覚障害者用テレビ補完放送受信機アイドラゴンの地デジ対応ができないのはメーカーの責任と言いはなったが実際には社会に地デジ対応できない施設がたくさんあり、それには巨額の経費をかけて対応しようとするのにどうして、地デジどころかテレビ放送の視聴もままならない視聴覚障害者の対応を避けるのか。

●携帯電話で、聴覚障害者の電話リレーサービスが用意になると良いが。VCO(ボイスキャリーオーバー)難聴者がしゃべって相手の声が文字で示されたり、口型が表示されるシステムが欲しい。




トヨタ奥田氏がマスコミを脅迫!?

2008年11月13日 08時02分27秒 | 生活
081113-073841.jpg11月13日今朝の朝日新聞(社会面38ページ)を見て、驚愕した。
http://www.asahi.com/national/update/1112/TKY200811120346.html

トヨタ自動車の奥田ひろし氏が「厚生労働行政の在り方に関する懇談会」で、テレビ番組の報道の内容について、批判するだけでなく、スポンサーの辞退を公言したというのだ。

奥田氏は、第9代経団連会長であり、政府の数々の審議会、懇談会、委員会の座長などを歴任しており、日本財界の総トップだ。その氏が新聞社やテレビの広告の多さを盾に取った発言は言論封殺以外の何者でもない。

派遣労働者は使い捨てと言った氏が厚生労働行政を論じる危険さを感じるが、障害者施策に配慮など考えられない。
政府が障害者権利条約の合理的配慮にの法改正に躊躇しているのは、経済界の同意が得られないからということをどこかで聞いたが、この人の発言を聞けばさもありなん。

社会面ながら、トヨタの社名を出してこの発言をした朝日新聞はその報道精神はたたえられて良い。
氏は、この懇談会の座長だけでなく一切の公職を辞任すべきだろう。


ラビット 記







人工内耳の聞こえ もうすぐ1周年(2)

2008年11月13日 07時04分53秒 | 人工内耳
081110-170144.jpg人工内耳と補聴器の併用は、聞こえについてよく理解した医師と言語聴覚士、補聴器装用技能者がいないとなかなか大変だ。

補聴器関係者は人工内耳の知識がほとんどない。補聴器で効果がない人が人工内耳を装用すると一般では理解されているので、関心がなかったのかもしれない。

加齢とともに低下しつつある聴能を何とかくい止めるために、補聴器で聞こえない聞こえを人工内耳で補うという発想をした。自分が感音性難聴者だが人工内耳は高音がよく聞こえると聞いたからだ。実際には低い音から高い音まで聞こえるが、高い音が聞こえなかった難聴者にはよく聞こえると感じるのだろう。

最近のデジタル補聴器の機能はひと頃では考えられないほどの出力と機能を持っている。この機能を人工内耳を併用する場合に調整すれば、補聴器だけよりまた人工内耳だけよりも聞こえるはずだ。
これは補聴器の音響増幅と人工内耳の電気信号による聴覚刺激という両方の機能を一体化したハイブリッド人工内耳がすでにアメリカで実用化されている。

実際に、補聴器と併用しているのは出勤してからと就寝するまでの丸一日だ。
先日の補聴器の調整について医師と言語聴覚士と意見を交換したが、補聴器側の問題があることが分かった。補聴器の聞こえの明瞭度を得るには高音域の利得が必要だがそうするとハウリングが起きやすいと言う。
ハウリングはイヤーモールドが耳に合っていないかきちんと耳にはまっていない場合に起こる。イヤーモールドを作り直すか、それとも補聴器側の調整が必要になる。

最新の補聴器はハウリングをキャンセルする機能が付いているので、調整すれば出来るらしい。
補聴器には自動調整機能がいろいろ付いているが騒音抑制機能がある。人工内耳の感度と補聴器の音量をその場に聞きやすいようにバランスを取っているが、周囲の音に反応して補聴器が勝手に出力を下げてしまう。
こちらとしてはうるさい中でも今話されている声を聞き取らなくてはいけないときに前触れもなく聞こえなくなってしまうのは困る。
聞いているときに急に人工内耳だけの聞こえになったり、元に戻ったりするので聞こえが不安定な状況になっている。携帯電話を使っている時も携帯の音量」に反応して急に聞こえなくなってしまう。
自動騒音抑制機能も考えものだ。医師はその機能をオフにしたらよいと言うが、問題は、この調整が病院に行かなくては調整できないことだ。サラリーマンがそうそう日中に通院できない。

人工内耳にせよ補聴器にせよ、よりよい聞こえを得るためには良い医師、言語聴覚士、補聴器装用技能者に「巡り合う」ことと通院、調整の時間の保障、それに本人のモチベーションを維持するようなエンパワメントが必要だ。


ラビット 記




人工内耳の聞こえ もうすぐ1周年(1)

2008年11月13日 07時04分45秒 | 人工内耳
081110-170205.jpg早朝5時。ふすまの向こうで祖母がかけているラジオの音が聞こえる。
「あなたの生きていることが・・・」、「沖縄の海上○キロメートル・・・」とか聞こえる。
最初のは宗教か人生相談みたいな番組だ。その後は天気予報だ。

人工内耳の手術を受けて、もうすぐ1周年。
人工内耳のスピーチプロセッサーを装着したのが12月3日だから音の刺激が入ってから11ヶ月がすぎた。

もう1周年か。やっと1周年か。仕事の上でも、難聴者運動の点でも大きな展開があった。

補聴器装用者が人工内耳を自覚的に装用する一人になって、その聞こえるようになる状況、人工内耳の聞こえがどのように聞こえるのかではなく、どのように聞こえるようになっていくのかについてを発信してきたが、1年前を振り返る余裕はない。

当初、人工内耳の聞き取りの練習のためには人工内耳だけで聞く時間を出来るだけ長くするようにと言われていたが、補聴器で40年間聞いてきたので、人工内耳だけで聞くのに違和感があった。それに補聴器ではそこそこ事足りていた。それで半年くらいから補聴器併用で自然に任せることにした。

人工内耳のマッピングのデータなども比較して聞こえをもっとよく調整してもらってはと助言を頂いたり、自分でも本を読んだり、朗読音声を聞くことが効果があると聞いて試みようとしたが、食事するか寝るかパソコンの前に座るかの生活をしていると追求しきれなかった。

1周年経ったら、聞き取りの検査をすることにしている。その後はPETやその他の検査も進んで受けるつもりだ。PETの検査には医療倫理検討委員会の審査でかなり時間がかかりそうと聞いた。きちんと倫理問題が審査されることは、医学の健全発展、患者の保護のためには必要なことだ。

自分では自分の経験しかない。医師や言語聴覚士はどうなのだろうか、学会などの報告、情報交換で共有できているのだろうか。各医療機関で実施された人工内耳の手術やリハビリテーションに関わる体験は個人情報を保護してデータベースで共有化出来ないのだろうか。健康保険で費用が補填されていると思うが。今度伺ってみよう。


ラビット 記。






「耳マーク、見つけたよ!」(2)

2008年11月12日 12時54分09秒 | 生活

患メ様へィマーク.jpgハーマイオニーさんからの報告。

今は「耳マーク」と呼称を統一しました。


ラビット 記
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病院で「耳マーク+シール」の貼り紙、発見!

説明文の下に、「診察券用」と「カルテファイル用」シールの拡大図も載ってるよ。

『耳のシンボマーク』という名前も載せてくれているので、
「この緑マークは、耳のシンボルマークなのか」って、知ってもらえるかもしれないね。

病院内でも多くの人が目にする廊下等に複数枚、貼ってありました。

≪写真≫
1.貼り紙「全体」
2.貼り紙・シール「診察券用」
3.貼り紙・シール「カルテファイル用」



診察券用.jpg
カルテ用.jpg


手話放送と電波産業会のARIB標準規格

2008年11月12日 09時02分33秒 | 放送・通信
081112-082423.jpg081112-082436.jpgYさん、こんにちは。

先日、障害者バリアフリー委員会の会議があり、地デジで手話放送が出来ない理由が話されました。
地デジの電波の帯域の問題ではなく、同時に1画面以上表示しないことが規格化されているらしいです。

日本の電気通信、放送の規格を制定しているのが、社団法人電波産業会ARIB(アライブ)です。
地上デジタル放送もこのARIBの規格によって放送され、テレビ受信機が製造されています。

この規格が公開されていることが分かりました。
http://geocities.yahoo.co.jp/gl/bokunimowakaru/view/20080421/1208773499

社団法人電波産業会のARIB標準規格及びARIB技術資料のご案内
http://www.arib.or.jp/tyosakenkyu/kikaku_tushin/index.html

地上デジタル放送は同時に1画面しか表示しないという規定があるらしいです。これだと地デジの画面に加えて手話の画面を出せないことになりそうです。
しかし、地デジが標準画面を二つ同時表示できないことになりますが、マルチキャストでも同時に2画面を出さないのかしら。データ放送の画面と地デジ画面は良いが、地デジ2画面はだめということかしら。

この中の規格書TR14に記述があるとのことです。
http://www.arib.or.jp/tyosakenkyu/kikaku_hoso/hoso_gijutsu_number.html


ラビット 記




劇団四季の「キャッツ」千秋楽って?!

2008年11月10日 13時47分20秒 | バリアフリー
081110-130935.jpg081110-130953.jpg電車の吊り広告に劇団四季のミュージカル「キャッツ」が千秋楽とあった。

超ロングラン公演で芸術性の高いミュージカルが終わるのは残念だ。

残念なのは、字幕付きで見たかったからだ。
韓国からの観客にはハングルの字幕が、欧米人には英語の字幕が、聞こえない人には日本語の字幕が、車いすの観客にはスロープが、難聴者には補聴システムが付いていればよいのに。


ラビット 記




オバマ新政権の障害者施策

2008年11月09日 01時54分50秒 | 生活
オバマ氏が「Change.gov」を開設して、政権移行の準備を始めたと報じられているが、その中のagendaの障害者施策は、上記のサイトと同じ内容だ。具体的な内容はまだない。

http://change.gov/agenda/disabilities_agenda/


ラビット 記
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開かれた政府へ、オバマ次期大統領が新サイト - 米政府初のCTOは誰に?
http://journal.mycom.co.jp/news/2008/11/07/010/
「次期米大統領に選出されたバラク・オバマ氏の移行プロジェクト「Obama-Biden Transition Project」が6日 (米国時間)に「Change.gov」を開設した。オバマ政権誕生への移行プロセスを国民に対して透明に遂行するのを目的としている。ブログぺージの最初の書き込みにシカゴでの演説の YouTube映像が組み込まれているなど、ソーシャルメディアを積極的に活用して予備選と大統領選を勝ち抜いてきたオバマ氏らしいサイトになっている。

Change.govでは、オバマ氏とジョー・バイデン次期副大統領の経歴、移行プロセスの説明、政権の構成、アジェンダなど豊富な情報が提供されている。現在最も充実しているのはアジェンダ・ページだ。外交、経済、教育、テクノロジーなど25項目について現状の問題点と、それらに対するオバマ-バイデン・チームの計画が分かりやすく記されている。Change.govの表紙ページには「Open Government (開かれた政府)」とあり、さらに「移行プロセスは、政府の再定義に、あなたも参加できるチャンスになる」と記されている通り、アジェンダ・ページなどから訪問者が直接アイディアや意見を投稿できる仕組みが設けられている。」


オバマ次期米大統領と障害者施策

2008年11月09日 00時45分57秒 | 生活
081105-オバマ011110.jpg081105-コム010930.jpg2008年11月07日13時37分22秒
次期アメリカ大統領に、バラク・オバマ氏が選出された。
初めての黒人大統領ということで、抑圧されてきた黒人の期待はひときわ大きい。

オバマ氏に期待する障害者も多いだろう。
オバマ氏を指示する障害者のサイトを見ると、オバマ氏とバイデン氏の障害者施策が紹介されていた。
http://www.barackobama.com/issues/disabilities/

この中で、オバマ氏は障害者権利条約に政府が署名し、上院が批准することで、障害者問題でも世界をリードするとしていることに注目したい。
ブッシュ大統領とアメリカ政府は国連のアドホック委員会でも非常に消極的な態度に終始し、難聴者の権利について懸命にロビー活動を共にしたアメリカ難聴者協会出身の国際難聴者連盟マルシア・デューガン理事長をして、嘆かしめたくらいだ。

選挙結果を報じるテレビ画面のオバマ氏の「イエス・ウィ・キャン」と「チェンジ」が人工内耳でよく聞こえた。

オバマ氏は、地域の「コミュニティ・オーガナイザー」の活動を経験したという。
アメリカの「コミュニティ・オーガナイザー」というのはどんな仕事をするのか、どういう組織に所属して、どこと契約して行うのか興味がある。

四つの施策の教育、差別の撤廃、就労に次いで、4番目は、コミュニティベースの(地域の中で)自立した生活の支援だ。


ラビット 記
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>Barack Obama and Joe Biden's Plan
>Barack Obama and Joe Biden's comprehensive agenda to empower individuals with disabilities fits in with the campaign's overarching message of equalizing opportunities for all Americans.
>
>In addition to reclaiming America's global leadership on this issue by becoming a signatory to -- and having the Senate ratify -- the UN Convention on the Rights of Persons with Disabilities, the plan has four parts,designed to provide lifelong supports and resources to Americans with disabilities
They are as follows:
>
>First, provide Americans with disabilities with the educational opportunities they need to succeed.
>
>Second, end discrimination and promote equal opportunity.
>
>Third, increase the employment rate of workers with disabilities.
>
>And fourth, support independent, community-based living for Americans with disabilities.
>
>For More Information about Barack's Plan
>Read the Full Plan
Read the plan on Autism Spectrum Disorders
>
>January 29 Conference Call with Rep. Jan Schakowsky and Disability Policy Committee
>Read the Transcript from the Captioned Call
>
>





日本障害フォーラム(JDF)セミナー

2008年11月08日 18時19分27秒 | 権利
081108-091123.jpg
筑紫哲也.jpg日本障害フォーラム(JDF)から権利条約発効後最初の大型セミナーの案内が来た。


ラビット 記
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日本障害フォーラム(JDF)セミナー
     フォーラム in 東京
障害者権利条約で変わる 私たちの暮らし
~暮らしの中にどう活かす「合理的配慮」~

12の障害者団体・関係団体で構成される「日本障害ォーラム(JDF)」は、その設立以来、障害者権利条約推進に民間の立場から取り組んでいます。
2006年12月に条約が採択されてからは、国内での批准と実施に向けて、政府との定期的な意見交換や、各地域でのフォーラム開催を通じた啓発・キャンペーン活動などを行っています。
権利条約では、職場や学校を含む日々の暮らしの中で、障害のある一人一人のニーズに応じた「合理的配慮」(適切な変更や調整など)が求められるとし、これを行わないことは差別であると定めています。
本セミナーでは、この「合理的配慮」をテーマに取り上げ、私たちの暮らしを変えていくために、「合理的配慮」の考え方をどう活かせるのか、共に議論していきます。

日時:2008年11月29日(土)10:00~16:00
場所:全社協・灘尾ホール(東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル)
参加費:1,000円(資料代) ※点字資料、手話通訳、要約筆記あり
(当日受付にてお支払ください。また、資料を必要としない介助者等は無料です。)

プログラム(敬称略)
10:00 開会挨拶 小川 榮一(JDF代表)
    来賓挨拶 障害者権利条約推進議員連盟より
●基調報告 藤井 克徳(JDF幹事会議長)

10:30 ●基調講演 ティナ・ミンコウィッツ(世界精神医療ユーザー・サバイバーネットワーク(WNUSP)共同議長/弁護士)
12:00 昼休み

13:00 ●障害当事者からの意見発表
    視覚障害、ろう、難聴、盲ろう、精神障害、難病の当事者より

13:45 ●パネルディスカッション(一部依頼中)
コーディネータ 尾上 浩二 (DPI日本会議事務局長)                     
          中村 尚子 (立正大学准教授)
パネリスト 厚生労働省より(依頼中)
       文部科学省より(依頼中)
       ニキ・リンコ(翻訳家)
       森 祐司(日本身体障害者団体連合会常務理事)
       大久保 常明(全日本手をつなぐ育成会常務理事)
コメンテータ 東 俊裕(弁護士/元権利条約特別委員会日本政府代表団顧問)

16:00 閉会

● キリン福祉財団、損保ジャパン記念財団、ヤマト福祉財団助成事業 ●
 申込方法・問合せ先
 
申込用紙に必要事項をご記入の上、11月20日までにFAX、Eメール、または電話にて以下の連絡先までお申込ください。(先着順・参加証などは特にお送りいたしません)
参加費は、当日に受付にてお支払いください。

JDF事務局(日本障害者リハビリテーション協会内) 原田、松田    
電話:03-5292-7628   Fax:03-5292-7630 
E-mail: jdf_info@dinf.ne.jp
http://www.normanet.ne.jp/~jdf/1129/


≪「JDFセミナー」申込用紙≫
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※セミナーに関するご連絡、今後のご案内等にのみ使用し、それ以外の用途には使用しません
介助者 □ 同行する □ 同行しない
次の項目で必要がありましたらレ印をつけてください。
□手話通訳    □要約筆記   □磁気ループ  □点字資料
□車いすスペース □その他(                  )

東京都千代田区霞が関3丁目3番2号 新霞が関ビル1F
・地下鉄銀座線「虎ノ門駅」5番出口より徒歩5分
・地下鉄千代田線/丸の内線/日比谷線 「霞ヶ関駅」A13番出口より徒歩8分