GW中に読み終えることにしていた。「舟を編む」を読み終えた。
「舟」とは言葉を、編むとは辞書の編纂を指す。
幼時から「言葉」を希求している難聴者にとって、この本は特別な意味があった。
兄弟やテレビ、仲間の声、母親の声すら、満足に聞き取れなかったので、言葉を文字に求めてきた。
学校の図書館の本は他の子どもの10倍は読んでいた。
中学校、高校の図書館にあった「言語生活」をむさぼり読んだものだ。
唯一の娯楽は、深夜に始まる字幕の付いていたダニーケイショーだった。
あいまいに聞こえていた言葉は、文字化されたものから探していた。
しかし、数組のカップルの描写には、愛の言葉がない。
好きあうのに言葉は要らないのか。言葉がなくても好きになれるのか。
会社に配属と異動はつきものだが、その心理描写は最近職場を変えた自分にも共通のものがあった。
音声の「言葉」で探りを入れながら、新しい職場の同僚に溶け込むのは、難聴者にはハードルだ。
言葉の持つ意味は、記憶は言語化されることで持続し、鮮明になる。
要約筆記者はその言語力以上の力は発揮出来ない。
言語に対するセンス、言葉に対する興味、それは難聴者の言葉に対する希求感を凌駕しなければならない。
ラビット 記
「舟」とは言葉を、編むとは辞書の編纂を指す。
幼時から「言葉」を希求している難聴者にとって、この本は特別な意味があった。
兄弟やテレビ、仲間の声、母親の声すら、満足に聞き取れなかったので、言葉を文字に求めてきた。
学校の図書館の本は他の子どもの10倍は読んでいた。
中学校、高校の図書館にあった「言語生活」をむさぼり読んだものだ。
唯一の娯楽は、深夜に始まる字幕の付いていたダニーケイショーだった。
あいまいに聞こえていた言葉は、文字化されたものから探していた。
しかし、数組のカップルの描写には、愛の言葉がない。
好きあうのに言葉は要らないのか。言葉がなくても好きになれるのか。
会社に配属と異動はつきものだが、その心理描写は最近職場を変えた自分にも共通のものがあった。
音声の「言葉」で探りを入れながら、新しい職場の同僚に溶け込むのは、難聴者にはハードルだ。
言葉の持つ意味は、記憶は言語化されることで持続し、鮮明になる。
要約筆記者はその言語力以上の力は発揮出来ない。
言語に対するセンス、言葉に対する興味、それは難聴者の言葉に対する希求感を凌駕しなければならない。
ラビット 記