HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

禁じられた遊び

2010年03月02日 | ジャズ曲・洋楽・ポピュラー曲
M3ちゃん(小5):
レッスンの順番を待ちながら、本棚のマンガを読もうかな・・・と思っていると、先にレッスンのMちゃんが先生からの喝で 1分ですごすごと退却。
それを見て、急に自分も
「こ、ここで練習してようかな。なんか心配になってきた」とあわててテキストを開いています。
「そうそう。危うい人は、そこのエレクトーンとかで練習してなさいよ!」
と脅かされ、自分の番が来たときはびびり気味でした。
宿題は「愛のロマンス(禁じられた遊び)」です。
う~ん・・・先週からやってるんだから、もうちょっとスラスラと、それらしく弾いてもらいたいな・・・

「これはギターでよく弾く曲なんだけど・・・知らない?有名曲だよ」
「知らない・・・Youtubeで『愛のロマンス』入れてみたけど、出なかった」
ホホゥ、自分の練習曲を、Youtubeでちゃんと調べてみてるんだ。よい心がけだ
「そうか。『愛のロマンス』だから出ないんだよ。『禁じられた遊び』って入れてごらん。何なら『禁じられた遊び ギター』って入れれば、絶対ギターで弾いてる この曲を聴くことができるよ。そんなふうに弾いてほしいの」
そう言って、先生は模範演奏をし、ついで映画『禁じられた遊び』の内容を教えてあげました。

戦争で両親と愛犬を亡くし、孤児となった5才の少女、ポーレット。預けられた農家の少年ミシェルと、死んだ小犬のお墓をつくり、「一人で埋まってるのはかわいそう」と小鳥や小動物のお墓をいっぱい作り、とうとう教会から、立派な十字架を取ってきては動物のお墓を飾る・・・
最後に駅の雑踏の中で「ミシェル!ミシェル!」と悲痛に叫ぶポーレットの声がひびくラストシーン。

M3ちゃんは、ゆったりとしたロマンチックな曲が好きです。
「禁じられた遊び」も、来週はきっと、ずっと美しく弾いてくれると思います。

M3ちゃんの発表会のソロ曲は パッヘルベルのカノン。
ロマンチックな彼女にぴったりだと思います。
また、今年の新しい試みなのですが、一つの連弾ソナチネ、1~3の各楽章を それぞれ別の生徒が受け持ち、三人合わせて全楽章のソナチネを完成しよう、という企画を立てています。
M3ちゃんには、第2楽章・・・通常「緩徐(かんじょ)楽章」と言われる、ゆったりした楽章を、ぜひ弾いてもらいたいと思い、その中でも、特にイ短調の胸キュン曲を含むソナチネを選びました。

今日、試しに片手だけ弾いてもらってみたのですが、
「きれいな曲でしょ?」
「うん、きれい・・・」と言ったM3ちゃんは、すぐに自分から、両手合わせて弾いてみているのです。
これから、時間をかけて表現を磨いていけば、夏には とても美しい作品に仕上がると思います。


初めてのサンバ

2010年03月02日 | レッスン日記(小中高生)
Mちゃん(小5):
ブルクミュラーの4番「小さな集会」が宿題でしたが・・・
1回モタモタと弾いただけで、練習やってないのが丸わかり。
「ぜんぜんダメじゃん。出直しといで!」喝
ピアノに座って1分でレッスン終了。

・・・というわけにはいかないので、ガラリと場面を変え、先週渡した 発表会のソロ用の曲を「こっちはどうなの?」と促してみます。

昨年、ディアベリのソナチネを堂々と弾いたMちゃん、今年もソナチネを弾く!と言っていましたが、「元気で、『夏!』っていう感じの曲がいいな」というも言っていました。
古典の曲は格調が高く、次々と移り変わる旋律や和音はドラマチック。心を大きく揺さぶりますが、「夏!」というはじける感じはちょっと無理かな

で、今年は、リズム感のいいMちゃんのために、去年とはガラッと雰囲気を変え、ラテンの曲・サンバを選んでみました。
めいっぱい「夏だ~!」という感じの曲。Mちゃんも気に入ってくれたようで、よかった
今日は、イントロと それに続くバンプ(リズムの提示)部分を練習しました。
サンバはブラジル発祥の音楽。独特のリズムが 心地よいノリノリ感を誘います。
が、譜面は ほとんどが16分音符と 休符、タイなどシンコペーションで、とても難しいです。
Mちゃんは、小学生なので そこまで複雑な楽譜を読みこなす力はまだありませんが、こういう音楽のノリ感があるので、先生が説明して見本を示せば、ちゃんとついてこれるのです。
「いい?ここは『チャララッ、ウーン、スタッ、ン、ターン!』だよ」
「おおー、『スタッ、ン、ターン!』だねっ
といった具合です。
また、コードネームも大分慣れているので、コードによる分析もスイスイ
本格的なラテン音楽は初めての体験ですが、きっと彼女の新しい可能性を示す1曲となると思います。

「それにしても」と先生のダメ押し。
「来週、ブルクミュラーちゃんと仕上げないと、コンサートの曲に専念できないよっ」

Mちゃんにしても 仲良しのM3ちゃんにしても、二人ともそれぞれ素敵な音楽センスをほめられるかと思えば、数ヶ月に1回ぐらいはガーンとおこられています。
いつも この「ピアノ日記」を読んでいる、ほかの生徒の中には「あっ、Mちゃん、練習してなくておこられてる。わたしはおこられないように、ちゃんと練習しよう」と、「人のふり見てわがふり直せ」を実行している人もいるのです。
それなのにさ、Mちゃん、おこられているのは自分なんだからさ、「ピアノ日記」を読んで、次はおこられないように学習しなさいよ。
え?読んでない? そうか・・・

ブルースが似合う男

2010年03月02日 | レッスン日記(小中高生)
Tくん(小4):
そろそろ、7月に開く発表会の曲を、いろいろと検討しています。
早々と曲が決まった人もいるし、私の方で「今年の○○ちゃんにはこんな曲どうだろう」などとイメージが浮かんでいる人もいます。
妹のTちゃんは、本人の希望で「トトロメドレー」に決まったばかりです。

さて、Tくんは・・・
先日、「今年はどんな曲がいい?」と打診したところ、去年弾いた「光と闇の踊り」みたいなのがいい、という希望でした。
「そうか。ちょっとドラマチックなのがいいんだね?」
「うん。もう1曲の『勇気をもって走れ!』もよかった」
ああ、あの、ちょっとブルースっぽくてかっこいい、『ちょい悪』みたいな曲ね・・・
「なるほど。男っぽいのがいいってこと?」
「うん。男だから」
「よし、わかった。大人っぽく、男らしいのね?じゃ、例えばゲーム音楽とかはどうなの?FF(ファイナル・ファンタジー)とかドラクエとか、今は何バージョンまで進んでるの?」
「確かドラクエは8だよ。FFはXⅢだと思う。お父さんが持ってる」
「そういうのの、かっこいい曲はどう?」
「うん!いいかもしれない」
ということで、今のところ、数あるFFやドラクエの中から、かっこよくて勇ましくて、しかも弾きやすくてその割に映える曲、というのを探し中です。

今日は、個人の曲が決まる前に、私の方でちょっとアイデアがあり、Tくんに「これ弾いてみて」と1曲の譜面を渡しました。
ジャズのブルースです。
これを、セッションみたいにしたらかっこいいかな、と思って。Tくんならできるんじゃないか?
試しにメロディーを弾いてもらうと、けっこうすぐにいい感じで弾き始めたTくん。
ブルースの♭な音づかいは、「かっこいい」ごのみの彼にぴったりです。
「左手も弾いてごらんよ。コードのルートを弾くんだよ」
ミディアムテンポの、ちょっともったりと引きずるようなタッチのブルース。
ひょ~、なかなかいい感じで弾いてるじゃないか。
実はTくん、細かい指の動きが どっちかというとちょっと苦手ぎみです。
普通のクラシックの曲なら、レガートがなめらかにつながらなかったり、と弱点になってしまう指のタッチですが、なんとそのタッチが幸いし、ブルースピアノにぴったりな『いい味』を出している!(@o@)
クラシックに熟達している人がやろうとしても、なかなか難しい「ジャズのノン・レガート奏法」が、Tくんのピアノで ちょうどいい具合に演奏されているのです。w(^□^)w
人生、何が幸いするかわからないものです。
しかも12小節単位でコードの流れが決まっているブルースは、構成をつかむのが得意なTくんにはうってつけのスタイルだ。しかもかっこいいし。大人っぽいし。
われながら、いい曲をみつけたもんだ!
「ヒョータンから駒」、とは、まさにこのことじゃーあ~りませんか

譜読みとリズムと

2010年03月02日 | レッスン日記(小中高生)
Tちゃん(小2):
「トトロメドレー」のイントロ、そして第1曲「さんぽ」の最後まで、「左手もいっしょにやってみたよ!」とはすごい。
「おかあさんが教えてくれたから・・・でもそれ、今日なんだ」
なんだ、今日って、さっき学校から帰って 今出かけてくるまでの間だよね・・・
でもいいよ、ちゃんと予習してきてえらいね。
どれどれ、聞かせてもらいましょう。

Tちゃんは、楽譜をよく見て、ゆっくり弾いています。指番号もちゃんとよく守って、ていねいです。
これなら譜読みは大丈夫なので、2回目は、少しずつ区切って、1フレーズずつのリズムを覚えていきました。

ピアノを練習するときに、大事なことは、楽譜を正しく読んできちんと弾くこと。
そしてもうひとつは、曲が持っている呼吸やリズムが、自分の呼吸や動きとぴったり一致するようになるまで弾いてみることです。
そうすると完全に手や身体が脱力し、自分の重みがナチュラルにコントロールできるのです。
この二つの練習は、しかし、始めから同時にはできません。
楽譜を一生懸命に読みながら弾いていると、手や身体はこわばり、力で上下や左右に移動させていくのがやっとの状態になっているはずです。
また、曲をよく理解しないまま形だけ自由に動いても、乱暴な音の羅列が聞こえるだけです。
まずはできるだけ早くに楽譜をよく読み 理解して、早く曲の内容を自分の中にインプットしましょう。
そして、その音楽を、身体の重みを自然に移動しながら鍵盤に表現していくのです。

Tちゃんの「さんぽ」は、音を覚えた後 スキップするような軽快なリズムに乗って楽しく弾けるようになってきました。
いい感じで進んでいます。