HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

ゴッドシャルクのイントロ♪

2017年05月02日 | クラシック曲
Sちゃん(中2):
先週、憧れのゴッドシャルクの曲集を渡し、今日はイントロ部分を中心に練習してきました。
ゴッドシャルクの「ダイイング・ポエット」という曲・・・
全体にはロマン派的な、どちらかといえばジョン・フィールドのノクターンにも似た雰囲気を持つ曲です。
テーマのモチーフが何度も変奏されて出てくるので、メロディーは覚えやすいかと思いますが、一番インパクトのあるのは前奏部分ではないでしょうか。
思いっきりロマンチックなフレーズが「これでもか」というほどたたみかけられ、ダメ押しに 華麗なアルペジオが キラキラときらめきながら落ちてくる・・・
もう、ここさえ上手く弾けば この曲は成功したも同然。
・・・というくらいなインパクト満載のイントロなのです。

そういうわけで、この曲初回のレッスンではありながら、両手奏で、イン・テンポで、フレーズ感・ダイナミクスしっかり、と めいっぱいの要求を浴びせられながらのレッスンでありました。
「テーマのところ、右手だけはやってみました」とSちゃんが言うので、それもレッスンしました。
またしてもフレーズ、ダイナミクス、指使い、うるさく注文つきまくりです。
でもね、このテーマがほんとに美しく弾けていれば、このあとバリエーションとして変化していくときに、すべて応用になるからね。
だからテーマ、丁寧にやっておこうね。
というわけで、13歳のSちゃんですが、大人のレッスンみたいにきめ細かい表現の要求に終始しました。
まあ、Sちゃんは賢い子なので、理解してくれると思っています。
Sちゃんが バレエのレッスンの中で知ったというこの曲。
バレエを体験しているSちゃんだから、いつの日かイメージ豊かな演奏が、すてきに出来上がりますように。
それを目指してがんばりましょう。

さまざまな感性・・・Hちゃん

2017年05月02日 | レッスン日記(小中高生)
Hちゃん(小4):
「アレ弾いていい?アレ・・・」
カバンも開かないうちにHちゃんの第一声はこれでした。
「わかった。アレだね?」
アレ、というのは、そう、「天国と地獄」です。
先週も先々週も、「あたし、これだーい好き!」と言いながら弾いた「天国と地獄」。
Hちゃんはピアノの前に座って、いきなり弾き始めました。
速い!先週よりもっと速い。
もちろん暗譜です。
「速く弾けるようになったねえ~」
「うん、それにね、ほら、バーナムの、あれも速く弾けるようになったよ」
「バーナムのあれ」とは、左手の半音階のことです。
「そっか。それじゃ秒はからなきゃね?!」
「うん・・・」
Hちゃんはちょっぴりドキドキしてるみたいに、だけど「やるぞ」って顔で笑いました。
「じゃ計るよ。せーの!」
1回目はいきなり間違えてしまって、「今のはナシ!」ってことになりましたが、次に弾いたときは、先週の約束通り10秒を切って、8秒56のタイムで弾くことができました!
「もうひとつの曲ももう弾ける。楽譜もいらないから」
「天国と地獄」、「バーナム」、そして3曲目になっても、まだ譜面台には何も楽譜が置かれていません。
Hちゃんは、譜面台に何も楽譜を載せないまま、先週の宿題だった「茶色の小びん」を弾きました。
「あたし、左手のコードを覚えちゃったから。C、F、G7、C・・・」
「なるほど、そうだよね。コードの流れがわかってれば、弾くの楽ちんだよね」
「うん!なんか覚えちゃった」
今日のHちゃんは自信にあふれてるって感じで、ノリノリオーラいっぱいだ。
いいなあ。
「茶色の小びん」が合格になって、次の曲は、この勢いで弾けるような「幸せなら手をたたこう」にしました。
「Hちゃん、『天国と地獄』とか『そっくりかえろう』とか、こういう速くて勢いのある曲、好きなんだね?」
「うん、あたし、カチャカチャした曲、大好き」
そうなんだ・・・
これまでHちゃんは年齢の割に、「え?」と思うような大人っぽい、胸キュンみたいな曲を好むところがありました。
1、2年生のころから「ナウシカ・レクイエム」を選んだり、去年の発表会で弾いたのは「彼こそが海賊」でした。
これらのドラマチックで胸キュンな曲に心をつかまれる感性を持つ反面、最近は 手や指を駆使するテクニックを要求される曲に魅力を感じてきているらしい。
改めて、Hちゃんの感性に思いを馳せてしまいます。

「おどるポンポコリン」でセッション白熱!

2017年05月02日 | レッスン日記(小中高生)
S子ちゃん(小4):
いつもは火曜日の一番はじめに来ているんですが、今日は 保育園生のCちゃんが先に来ていました。
ということで、さっきの日記の続きです。
Cちゃんはレッスンが終わって帰りの支度。
S子ちゃんは この間やって今日は仕上げの「おどるポンポコリン」を弾き始めました。
途端に ソファーにいたCちゃんが あっ、知ってるよ!と顔を上げ、S子ちゃんのピアノに合わせて歌い始めました。
「S子ちゃん!Cちゃん歌ってるよ。がんばって!」
「うわあ・・・」
たった一人の聴衆の歌に応え、S子ちゃんはまちがえないようにがんばります。
大丈夫、はずむようなリズムでごきげんな演奏だ。
Cちゃんも気持ちよさそうに歌ってます。
先生は大急ぎでタンバリンを取ってきて、Cちゃんに手渡しました。
「わぁーい」とCちゃん。
S子ちゃんはびっくり、
「え~、こわいよ~」
と言いながら 間違えないように必死で弾き続けます。
Cちゃんはタンバリンと歌、
先生も一緒に歌っちゃう。

♪ タッタタラリラ、
  ピーヒャラ、ピーヒャラ、パッパパラパ
  ピーヒャラ、ピーヒャラ、パッパパラパ

あ~、おもしろかったねえ~\(^o^)/
「S子ちゃん、上手に弾けたね!もう合格だ」と先生がS子ちゃんの本にマルをつけ、
「それじゃあ・・・」と「ポンポコリン」のページを閉じようとすると、
「えー、もう終わり~?」
Cちゃんが ガッカリした声を出しました。
「だって、S子ちゃん もう上手なんだもん。・・・でも、もう1回弾いてもらいたい?」
「うん、弾いてもらいたい!」
「S子ちゃん、Cちゃんもう1回弾いてもらいたいんだって。弾いてくれる?」
「うん、いいよ」
アンコールに応えて、S子ちゃんはもう1回「おどるポンポコリン」を弾き、もう1回、Cちゃんと先生が歌って タンバリンと手拍子のパーカッションで盛り上がりました。
「もっと弾いてもらいたい」
観客席からの熱い要望により、S子ちゃんはこの前に出来上がった「となりのトトロ」を弾くことに。
Cちゃんはまたタンバリンをたたいて、大合奏になりました。
セッションが白熱してるところへ Cちゃんのパパがお迎えに来て、CちゃんはS子ちゃんに何度も「バイバイ!」と言いながら帰っていきました。

「S子ちゃん、いっぱい弾いちゃったね。ありがとね」と言うと
「でも、家だと弟なんか歌ってくれたりしないから・・・歌ってくれて楽しかった」
S子ちゃんも思いがけないセッションが楽しかったようで、よかったです。

このように、練習や打ち合わせナシで いきなりの顔合わせで即興的に共演することを、ジャズの世界では「ジャムセッション」といいます。
音楽する人同士の、こういう即興セッションは とっても楽しいし お互いを高め合うこともできるので、機会があったら、みんなもやってみましょう。

S子ちゃんはそのあと自分のレッスンを進め、早くもバーナム、もうグループ4の半分まで進みました。
  

「こいのぼり」の弾き方、Cちゃんのグッドアイデア♪

2017年05月02日 | レッスン日記(小中高生)
Cちゃん(年長):
GWになりました。
今日はお出かけするんだ、とのことで、レッスン時間を早め、一番先に来ました。
「これひきたい!」と弾いたのは

♪やねよりたかい こいのぼり~ の歌です。
保育園で歌って、その歌をピアノで弾いてみたいと思ったんでしょうね。
メロディーを、いっしょうけんめい弾いています。
テキストのレッスンが後回しになりますが、好きな歌に真剣に取り組むのが一番!
放っておいても自分から一生懸命に練習してくれて、メロディーも少しずつ間違えないで弾けるようになり、じょうずに弾こうとすれば無意識に指の形も良くなり、繰り返すことによって指も強くしなやかになっていき・・・と いいことだらけだ。(笑)

この「こいのぼり」の歌、音域がド~ドまでと、1オクターブあるので、5本の指だけでは弾けません。
ピアノに慣れている人なら、開け指を使ったり、クロッシングや替え指を使ったりしてメロディーを弾くところですが、Cちゃんはまだそんなテクニックは知りません。
苦労しながら 指をひっくり返したり無理やりに広げようとして弾いたりしているので、
「むりに広げなくても、お隣の指でぴょんっと飛んで弾いちゃっていいよ」と言おうかと思ったその時、Cちゃんが驚くべき工夫を見せました。
なんと、今まで右手で弾いていた中央ド~ソのポジションに左手を置き、右手はもっと上にずらして、まず左手からメロディーを弾き始めたのです。
ドからソまでは左手。
ラから上の音は右手。
こうやれば、手や指をあちこち動かして音を探し回らなくても、ちゃんと「こいのぼり」のメロディーが弾けるわけだ。

確かに、スムーズにメロディーが弾けるいい方法なのですが、まだ左手でたくさんの音を弾くことを習っていない小さな生徒に「こうやってごらん」と指導するには複雑すぎるため、教師からは言わないスタイルです。
Cちゃんがひとりでそのやり方を考え、弾こうとしているのは驚きです。
何度も何度も試行錯誤を繰り返し、ついにCちゃんは「こいのぼり」を弾きとおしました。

「こいのぼり」に、本来のテキストよりたくさん時間をかけてしまいましたが、この練習により、たいへん実のあるレッスンができたと思います。
テキストでは、左手の新しいポジションで ソ、ファ、ミ、まで音符を読んでリズムを理解して弾くところまで 着実に学習できました。

Cちゃんのレッスンが終わりかけたとき、4年生のS子ちゃんがやってきました。
普段ならCちゃんはもっと遅い時間に来ているので、S子ちゃんには会いません。
今日は特別に、早く来たので、3月に入会したS子ちゃんと顔を合わせることができたので嬉しそうです。
「こんにちはー」
とやってきたS子ちゃんに、Cちゃんを改めてご紹介しました。
「S子ちゃん、Cちゃんだよ。プールが同じ時間なんだって。CちゃんはS子ちゃんのことわかったって。でも、S子ちゃんはCちゃんのことわからなかったでしょ。Aちゃんとばっかり話してたよって、Cちゃんが言ってたよ」
「えーっ、そうなんだ。ごめん~」
S子ちゃんはびっくりです。
「もうCちゃんの顔、おぼえたよね?」
「うん!」
「今度プールで会ったら、『Cちゃん!』って言ってあげてね」
「うん!」
S子ちゃんはニッコリ笑いました。
Cちゃんも嬉しそうに笑いました。

さて、続きは「S子ちゃん」の記事で。