(結婚しよう!)
毎日のように遊び歩いていて、
遊ぶお金ほしさに、仕事も一生懸命していたボクに、
ある時、縁談がいくつか重なって来た。
見合いの話は、知らない女性と改めて交際し、
良し悪しを返事しなければならない。
世話をしてくれる人は、僕をよく知っているが、
相手のことは、表面的なこと以外、あまり知らないケースが多かった。
お断りする理由も探さねばならず、
また、相手から断られることもあるから、
自分も傷つくこともあるだろうし、相手も傷つくこともあろう。
そう思って全ての見合い話を断った。
そんな話を、以前書いた。
そして、自分の結婚相手として考えられる二人の女性を選んだ。
毎日の生活を予想して、あらゆる場面を捉えながら、
相手をよく観察して、今のカミさんを選んだ。
毎週日曜日に掃除洗濯に来てくれて、お礼に晩御飯を御馳走して、
「バイ、バイ」というお付き合いが半年ほど続いた。
ある時、彼女に用事があって、
彼女が掃除洗濯に来ることが出来ない日曜日が来た。
いつものことが、ある時突然なくなると、ずいぶん不安になるものである。
その用事が何であるか詳しく聞くのも失礼と聞いていなかったのが原因であった。
いろいろ想像する。
こんな時良くないことばかり考えるのが人間である。
もしかして、誰かとお見合いでもしていないだろうか、
他の男性とお付き合いを始めたのではないか、
第一毎週、掃除選択ばかりさせているから、
ボクと一緒にいるのが苦痛になったのでは?
ボクの気持ちが焦燥と不安に襲われ、いても立ってもいられない。
これが、惚れた、好きになった、いつも一緒にいたい、気持ちの表れだ。
夕方19:00頃、彼女の自宅へ電話した。
電話には母親が出て、本人は今いるが、
電話口に出られないから、あとで電話させる、といわれて電話を切った。
それから、一時間まって、やっと電話がかかってきた。
先ほどから、髪を洗っていたという。
そこでこれから一緒に出かけたいが、どうかと訊ねたら、
髪の毛が濡れたままで、髪の毛が結えないから、嫌だ、という。
断られるとますます、会いたくなる。
何のことはない冷静に考えれば、
ボクはいつの間にか彼女が好きになっていたことを知った。
後先を考える暇も無く、強引に彼女を連れ出し、
羽田空港までドライヴした。
空港は二人でよく訪ねた場所である。
誘導路に点滅する青や赤、黄色の誘導灯が縦横におりなす光が幻想的で美しく、
アナウンスが英語で、外国にいるような雰囲気が好きであった。
そのドライヴの間、結婚して一緒にいることになって、
お互いに、もし我慢できないと困るとがあってからでは遅いと、
聞きたいことと、話しておきたいことを、
会話の中に入れながら、車を運転した。
そしてどうやら、お互い我慢ができそうに思い、
彼女の家の前に戻った時、「あなたと結婚したい」と申し出た。
彼女は一瞬、ニコッとしたが、
どう返事してよいか解らなかったらしく、黙ってしまった。
22歳の若さもあり、結婚を考えていなかったかもしれないし、
急なことであったので、返事に窮したと思われる。
「今、返事くれなくても、後でもいいよ」といったら、
こっくり頷いて、彼女は家に帰った。
さよならも、またね、とも言わず。
翌日、会社で顔をあわせると、
「次の日曜日、家に遊びに来て欲しいと、母が言っています」とのこと。
「わかった」と言って別れた。
次の日曜日、彼女の家を訪ねた。
すき焼きの用意がしてあり、
ボクが酒飲みだと言うことが判っていたらしく、お酒を頂いた。
初対面の彼女のお母さんに挨拶をして、結婚したい旨話した。
一人娘ですが、嫁に出そうと思いますと、
お母さんが答えた。
養子を頂くようなことはありません。
その後は、ボクの生い立ちや、家族の事を話し、
彼女のことそしてその家族の事をあらまし聞いて、プロポーズは成功した。
事情は説明しなかったが、遊び歩いた借金の整理と結婚資金を貯めるのに、
少なくも二年は掛かると思い、
結婚式は二年後にしたいとこのとき申し出た。
二年後には、ボクは28歳、彼女は22歳、ちょうど良い。勝手に決めた。
毎日のように遊び歩いていて、
遊ぶお金ほしさに、仕事も一生懸命していたボクに、
ある時、縁談がいくつか重なって来た。
見合いの話は、知らない女性と改めて交際し、
良し悪しを返事しなければならない。
世話をしてくれる人は、僕をよく知っているが、
相手のことは、表面的なこと以外、あまり知らないケースが多かった。
お断りする理由も探さねばならず、
また、相手から断られることもあるから、
自分も傷つくこともあるだろうし、相手も傷つくこともあろう。
そう思って全ての見合い話を断った。
そんな話を、以前書いた。
そして、自分の結婚相手として考えられる二人の女性を選んだ。
毎日の生活を予想して、あらゆる場面を捉えながら、
相手をよく観察して、今のカミさんを選んだ。
毎週日曜日に掃除洗濯に来てくれて、お礼に晩御飯を御馳走して、
「バイ、バイ」というお付き合いが半年ほど続いた。
ある時、彼女に用事があって、
彼女が掃除洗濯に来ることが出来ない日曜日が来た。
いつものことが、ある時突然なくなると、ずいぶん不安になるものである。
その用事が何であるか詳しく聞くのも失礼と聞いていなかったのが原因であった。
いろいろ想像する。
こんな時良くないことばかり考えるのが人間である。
もしかして、誰かとお見合いでもしていないだろうか、
他の男性とお付き合いを始めたのではないか、
第一毎週、掃除選択ばかりさせているから、
ボクと一緒にいるのが苦痛になったのでは?
ボクの気持ちが焦燥と不安に襲われ、いても立ってもいられない。
これが、惚れた、好きになった、いつも一緒にいたい、気持ちの表れだ。
夕方19:00頃、彼女の自宅へ電話した。
電話には母親が出て、本人は今いるが、
電話口に出られないから、あとで電話させる、といわれて電話を切った。
それから、一時間まって、やっと電話がかかってきた。
先ほどから、髪を洗っていたという。
そこでこれから一緒に出かけたいが、どうかと訊ねたら、
髪の毛が濡れたままで、髪の毛が結えないから、嫌だ、という。
断られるとますます、会いたくなる。
何のことはない冷静に考えれば、
ボクはいつの間にか彼女が好きになっていたことを知った。
後先を考える暇も無く、強引に彼女を連れ出し、
羽田空港までドライヴした。
空港は二人でよく訪ねた場所である。
誘導路に点滅する青や赤、黄色の誘導灯が縦横におりなす光が幻想的で美しく、
アナウンスが英語で、外国にいるような雰囲気が好きであった。
そのドライヴの間、結婚して一緒にいることになって、
お互いに、もし我慢できないと困るとがあってからでは遅いと、
聞きたいことと、話しておきたいことを、
会話の中に入れながら、車を運転した。
そしてどうやら、お互い我慢ができそうに思い、
彼女の家の前に戻った時、「あなたと結婚したい」と申し出た。
彼女は一瞬、ニコッとしたが、
どう返事してよいか解らなかったらしく、黙ってしまった。
22歳の若さもあり、結婚を考えていなかったかもしれないし、
急なことであったので、返事に窮したと思われる。
「今、返事くれなくても、後でもいいよ」といったら、
こっくり頷いて、彼女は家に帰った。
さよならも、またね、とも言わず。
翌日、会社で顔をあわせると、
「次の日曜日、家に遊びに来て欲しいと、母が言っています」とのこと。
「わかった」と言って別れた。
次の日曜日、彼女の家を訪ねた。
すき焼きの用意がしてあり、
ボクが酒飲みだと言うことが判っていたらしく、お酒を頂いた。
初対面の彼女のお母さんに挨拶をして、結婚したい旨話した。
一人娘ですが、嫁に出そうと思いますと、
お母さんが答えた。
養子を頂くようなことはありません。
その後は、ボクの生い立ちや、家族の事を話し、
彼女のことそしてその家族の事をあらまし聞いて、プロポーズは成功した。
事情は説明しなかったが、遊び歩いた借金の整理と結婚資金を貯めるのに、
少なくも二年は掛かると思い、
結婚式は二年後にしたいとこのとき申し出た。
二年後には、ボクは28歳、彼女は22歳、ちょうど良い。勝手に決めた。