最近と言っても、もう8年前の話である。
中学、高校と同級生で、
あいうえお順の席順であったため、
中学3年間は、ボクが前の席で、
後ろの席にいた彼とどういう具合か分からないが、
話の馬が合って、仲良くなった。
その彼は早稲田大に進み、
それでも夏休みには帰省して、
我が家に遊びに来ていた。
ある夏の日に、
三島由紀夫が書いた「潮騒」を手土産に、
我が家を訪れた。
いつものように、すぐ上の姉が応対して、
甘いものと抹茶を振る舞った。
後に聞いた話であるが、
彼はその姉に会いに来ていたようであった。
その彼が卒業して就職をした会社が、
たまたま、ボクが就職した会社と同じであった。
偶然とは言え、奇妙な偶然であった。
お互い考えていたことが会社の将来性。
ソニーがまだ東京通信工業(株)の時代の話だ。
お互いモーレツ社員として寝る間も惜しんで働き、
東京都内に七つしかなかった営業拠点が、
定年退職するときは都内に80の営業拠点が出来ていた。
そんな間柄であった彼が大腸がんで入院したが、
ガンの転移が思わぬ進んでおり退院不可能になった。
何度も見舞いに行くボクが、
帰り際に「また来るね。」と話したら、
彼が言う、
「何度も来てもらって、大変だから もう良いよ。」
と言って手を差し出して握手を求めた。
彼の温かい手を握って、ボクは言った。
「Good-Bye!」
それこそ心の内で
「God be with you.I'l never see you again.
(神のご加護がありますように!もう二度と会えないだろう)」
と叫んでいた。
翌日、ボクのいないところで彼は永眠した。
そのことを知ったのは、3か月後の同窓会の会報からであった。
享年81歳であった。
非常に侘しい話であるが、
これが二度目に使った「Good- bye」です。
ここで、 Good-byeと書きたいところですが、
書けば、このブログがこれで終わりになるので、
止めておきます。
淀川長治さんではないが、
またお会いしましょうね!
See you again!