楽しんでこそ人生!ー「たった一度の人生 ほんとうに生かさなかったら人間生まれてきた甲斐がないじゃないか」山本有三

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30%、50%、70%(その1)

2018年05月19日 04時26分21秒 | つれづれなるままに考えること
どんな数字でしょう?

30%は、ボクが罹った「血液のガン」の治療後の生存率、「3年間生存率 30%」

50%は、製品の市場占有率が50%を超えるとその商品の宣伝が出来なくなると聞いた。

70%は、関東地方に起きるであろう地震の発生率、向こう30年以内にM7規模が発生する確率70%。


読者の皆さんは、この30%、50%、70%をどの程度切実に理解されているのでしょうか?


先ず、「3年間生存率 30%」

これはほとんどの人が3年間以内に死亡すると言うこと。

三年以上生き延びられるのは、わずか30%とと言うこと。

それでも当事者にならないと理解できにくい数字ですよね。

この血液のガンは、大変珍しく10万人に一~ニ名発症する。

そして治療に取り掛かる前に告知される数字が30%。

十万人に1~2名と言っても、この病気にかかる人が専門病院に集まってくるから、

いつも50人程度の患者が、病棟に居る。

保険適用外に5千円掛かる四人部屋のベッドに7か月入院しましたが、

その間に退院した人はボクともう一人の二名だけ。

後は入れ代わり立ち代わり、一人部屋に変わって行くと、

次に聞くのは訃報。


話が変わるが、この病棟には、一人部屋が追加使用量二万円で2部屋、使用料一万円の二人部屋が4室、

五千円の4人部屋が何室かあって、差額ベッド料無料の六人部屋二部屋あった。

いつも満席で、一人部屋に移ると1~2日で「さようなら」

元気に歩ける人は、談話室に集まって無料のTVを見るし、面会者があるとここで談話する。

昨日まで黒髪だった若い女性がある日、丸坊主になって頭にターバンよろしく布を丸めていると思うと、

いつの間にか顔が見当たらなくなる、

「あの人どうしたの?顔が見えないが」と訊くと、他の患者が首を振る。

「さよなら」の合図だ。


治療中は、苦しいから会話は、ずけずけ本質を突いてくる。

お世辞とか追従とかはない、本音で毎日語り合う。

明日がどうなるか解らないからだ。

時にはマレに、病院内をせっせと歩き回る人も出てくる。

どうしたかと思うと、一週間後に退院出来る人だという。

そして退院していくが、あれっ!この間退院した人だと思われる人が、

一月も経たない内に再入院して来たかと思うと、

元気ない寂しい顔で再入院ですと挨拶をする。

その寂しい顔は、この度は出られそうもありませんと言う、

気持ちの表れのように思える。

まさに死刑宣告されたと言う人の顔のように思える。


そして間もなく、大変残念なことであるが、

「三年間生存率 30%」外にはみ出してしまうのだ。


つまり30%と言うのは、ほとんど無いと言うことなのだ。

50人入院している、その30%の15人は退院できるが、

それもこの世に居られるのは三年間なのだ。


ボクのように17年も生き伸びているのは、

ごくごくまれであると言っても良いだろう。

30%とはそんな数字だ。

今、退院後18年目に入って、ずーと長いこと病後の経過観察を毎月一回されてきた。

ある時、担当の大学教授が血液学会に出席で留守になり、

別の医師が診察に当たった。その時、

「退院されてから長いのですね?」と問われた。

「当時は(三年間生存率 30%)で(ステージ 3)と言われましたが、もう18年目です。」

と答えると、その先生「(三年間生存率 30%)は(ステージ 4)ですよ」と言う。

この時、初めて知った。

(あの時、教授はボクに希望を持たせるためにサバを読んだな)と思った。

それにしても退院してからは、心にグサリと刺さるようなことを平気で言う。


「それで退院後の再診で(あと十年は生きたい)と言ったら、
  
教授は(それは無理です)と言いました。あの先生は正直で良い。

ボクなら(節制すれば可能性はありますよ)くらいには答えますけど・・・・。」

と言ったら若い先生は笑っていた。


その後、次の予約や薬の手当てをパソコンで操作しているので、

「あの教授は、パソコンなどの操作のような、下々の人がやるようなことは、苦手みたいですね。」と言ったら、

「そんなことを言うと先生に叱られるよ」と返事が返ってきた。

退院後18年も経っているが、あと10年は生きたいと思って居る。


いやいやさらに10年を足して100歳超えまで生きて、

世の中どれほど変わるのか見てみたいと思って居るが、

少し欲張りすぎ?だろうかと、自分でも思って居る。



さて、次は50%はどんな数字?70%は?

どんな数字なのでしょう。

<つづく>







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8 コメント

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ウォーク更家さん コメントありがとうございます (hide-san)
2018-05-20 22:09:42
>30%も生き延びると感じるとは、人間とは不思議です。

数字の力とは不思議なものです。30%と聞くとこれだけの人数は助かるとおもうのです。

そしてその中に自分は入ると思えるから不思議ですね。
人間の自分勝手がそうさせるのでしょう。

「5日後から治療を始めるから、それまでに身辺の整理と、
心の整理をして来てください」と言われました。
この時の方が落ちこもますね。
身辺整理は約束事をキャンセルすれば事足りますが、
心の整理は当日までつきませんでした。

病院の門をくぐる時になって心の整理はつきましたよ。
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絶望 (ウォーク更家)
2018-05-20 13:58:01
血液のガンの治療後の3年間の生存率が30%というのは、自分だったら多分、絶望して現実には受け入れられない数字ですが、実際に宣告を受けると、30%も生き延びると感じるとは、人間とは不思議です。

それにしても、hide-sanさんは精神力の強い方ですね。

私だったら、どうするだろう?、セカンドオピニオン、サードオピニオンを求めるか、う~ん、何も思いつきません、ギブアップ、諦めるでしょうかね・・・
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ytakei4さん コメントありがとうございます。 (hide-san)
2018-05-19 17:58:57
生きると言うことは、やりたいことへの希望を持ち
日々運動をして、節制に心がけることでしょうね。

決めたことを、毎日継続すると言うことは大変なことですが、
この継続すると言うことが、ボクの唯一の他人に自慢できる長所なんです。

それが長生きのコツなんでしょうね。
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こんばんは (ytakei4)
2018-05-19 17:02:19
すごい生命力ですね。奇跡ですね。
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masamikeitasさん コメントありがとうございます (hide-san)
2018-05-19 11:41:05
>こんな宣告を受けたら、頭が真っ白になります。

所が人がこの宣告を受ける印象は、30%も生き延びると感じるのです。
三年後の医療の発展に賭ける気持ちになるから不思議です。

こんな時数字は便利ですよね。
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iinaさんコメント ありがとうございます。 (hide-san)
2018-05-19 11:36:43
>関東地方に起きるであろう地震の発生率、向こう30年以内にM7規模が発生する確率70%。

30%はほとんど死ぬと言うことが解ったのですが、
そうすると、その逆の70%はほとんど確実と言うことが意外に知らていないですね。
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こんな宣告を受けたら、頭が真っ白になります。 (masamikeitas)
2018-05-19 09:40:09
hide-sanさん、おはようございます。

医者は薄情ですね。
でも自分がかかると、自分の思いやりのなさに気づくそうです。(苦笑)
まぁ、医者に聖人を望むのは無理です。
AIの方が良いかもしれないですね。

>先ず、「3年間生存率 30%」
これはほとんどの人が3年間以内に死亡すると言うこと。

こんな宣告を受けたら、頭が真っ白になります。
しばらくして落ち着いたら、エンディングノートを書くでしょうね。

>いやいやさらに10年を足して100歳超えまで生きて、
世の中どれほど変わるのか見てみたいと思って居るが、
少し欲張りすぎ?だろうかと、自分でも思って居る。

退院されて18年も経っていらっしゃるから、100歳まで大丈夫だと思います。(笑)
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100% (iina)
2018-05-19 09:18:04
人が死ぬ確率は、100% 。
               宝くじの当選確率なら嬉しいですが・・・。

30%は、「血液のガン」治療後の3年間の生存率でしたか。時代と共に、治癒率も上がり生存率も上がることでしょう。

iinaブログ内を検索すると、
    「活断層の今後30年の地震発生確率は、糸魚川-静岡構造線が最も高い13~30%」にヒットしました。
    https://blog.goo.ne.jp/iinna/e/bfdf6aa1be2816afc6e12ebc9c1c1e5c

地震の確率は、少ない方が好ましいです。でも、少なくても、ないと保障されるわけではありません。

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