そうなんだ。

外国語で知ったこと。

式年遷宮

2013-07-05 13:00:00 | 語学
式年遷宮祭・・・一定の期年において新殿を営み、これに神体を
          移す祭り

今年は伊勢神宮で20年ごとに行われる、式年遷宮の年です。
このしきたりを決めたのが天武天皇、行ったのが持統天皇だと
知って驚きました。 西暦700年の少し前くらいです。
それ以降、約1300年間に渡り、20年ごとに行われています。

曽我氏を倒し(645年)“大化の改新”を行ったのが
若き日の天智天皇。 その弟が天武天皇。 
解りやすいように、天智天皇を兄、天武天皇を弟と記します。
兄弟の間で揺れた額田王の女心はご存知でしょうか・・・。
弟と恋仲で子供まで産んだ額田王を、兄が強引に自分の妻にします。
兄が催した薬狩りの行事。 男は鹿の角を拾い、女はムラサキなどの
野草を摘みます。
夜の宴会で、兄を含む皆を前にして二人が詠んだ歌がこれです。

額 「茜さす 紫野行き 標野行き 野守は見ずや 君が袖ふる」
弟 「紫の 匂える妹を 憎あらば 人妻ゆえに われ恋ひめやも」

久しぶりに元カノを見た弟が野原で手を振ったんじゃないですか?
額 “そんなに手を振って、警備の人が見てないかしら?”
弟 “美しい人妻であるあなたを嫌いなら、こんなに恋しく悩む
   ことはないのに”

大勢の前での歌詠みですから、お互い誰とは言ってないですが・・・。
元カレにこんな風に歌われたら、悪い気しないですよね。

かと思うと、額田王は兄を思って詠んだこんな歌も残しています。

額 「君待つと 我が恋ひ居れば 我が宿の 簾動かし 秋の風吹く」

“あなたに会うのを心待ちにしていた時、簾が揺れたので“来てくれた”
 と心踊ったのに、風で動いただけでした。 むなしいわ・・・。”

胸キュンの恋心。 どっちが好きなのよ~?

兄は当時13歳だった自分の娘を、この弟と結婚させています。
彼女が後の持統天皇で、14歳年上の叔父である、後の天武天皇と
夫婦になりました。
何がどうなちゃってんだか・・・。

私は、額田王や持統天皇の、雅(みやび)ながらも複雑であった
だろう心中に思いをはせて、空想を巡らせたものです。
その中の登場人物が、最初に伊勢神宮の式年遷宮を行った人だと
知って、俄然興味が湧いてきました。

伊勢神宮を訪れたら、万葉の息遣いを感じられるかしら・・・。

日本浪漫紀行だわぁ~。



コメント (4)
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