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アメフト観戦記や読書日記を綴っていましたが、最近は古墳(コフ)ニストとして覚醒中!横穴式石室をもつ古墳にハマっています。

龍馬史

2013-06-09 00:53:51 | 読書日記
「龍馬史」
 磯田道史著 文春文庫

 坂本龍馬である。最近、ケーブルテレビで福山雅治の「龍馬伝」が再放送されていて、すっかり龍馬ファンになってしまった。気持ちがちょっと落ち込んでたりする時に、坂本龍馬関係の本やテレビを見たりすると、元気が出て、気持ちが前向きになっちゃうんだよなあ。結構、単純なんやね。僕って。

 今月の新刊で、文春文庫から、「龍馬史」という本が出版されて、折から龍馬がマイブームになっていた僕は即購入。早速読み始める。

 構成は、3章からなっている。
 
 第1章 自筆書状から龍馬を知る
 第2章 龍馬、幕末を生きる
 第3章 龍馬暗殺に謎なし

 以上。
 第1章では、坂本龍馬の手紙をちゃんと読みましょう。結構多く残っているので、それを読むと本人の人となりがわかりますよ。というわけでいくつか今までに残っている手紙を紹介している。数年前に京都国立博物館で坂本龍馬をテーマにした博覧会が開催されたときに、そのいくつかは展示されていた。(本ブログ「京都国立博物館「龍馬が翔けた時代」展を見に行きました」参照)
 坂本龍馬の手紙というのは、実にあけっぴろげな内容でおおらかな性格が感じられるものが多い。司馬遼太郎氏も竜馬がゆくの中で書簡文の傑作みたいなこと述べておられましたが、本書では、実際に手紙などを読むことで、ちょっと司馬史観からはなれませんかということを言いたいんだと思うなあ。司馬遼太郎氏の「竜馬がゆく」で語られる坂本龍馬像があまりに魅力的なため、フィクションであるのにもかかわらず、現実との境界があいまいになってしまっている。
 僕の大学受験のころは、日本史を選択するのなら、近代史を理解するためには「竜馬がゆく」を読んどかなあかんでということがまことしやかに伝えられていたのはこのことの現れであろう。そして、当時の僕は、本気にしてGWを利用して全巻を一気に読了した。大学に入ってから周りの友人に聞いてみると、同じような経験をした友人が結構いたのを思い出した。

 第2章は 龍馬の生涯を描きながら、幕末の歴史を語ろうというもの。この辺はちょっと中だるみぽくってあんまり印象に残っていない。ちなみに薩長同盟は慶応2年(1866)1月に結ばれ、その2日後に寺田屋で幕府の襲撃を受ける。(このときに薩長同盟に関する証拠が押収されたのではないかと著者は推測する。)これが龍馬が暗殺される1年前の出来事である。そして翌慶応3年(1867)に11月15日に近江屋に居るところを襲撃され、その33年の生涯を閉じた。(なんと誕生日の日に暗殺されたのだ。)
 年表で見ると本当に活動時期は短い。それでいて成し遂げた仕事は大きい。
 そういえば、本書を読んでいると、「幕長戦争」という用語を使っている。僕の記憶しているのでは、「長州征伐」だったのだが、呼び方がかわったのだろうか?長州征伐という言い方はある一方から見た見方すぎるような気がしていたのでそれでいいのかな。

 第3章はいよいよ暗殺をしたのは誰なのかということを検証している。史料を丹念に読み解いていけば、おおよそわかるというのが著者の主張である。そういう視点でいろいろな説を検討する。結論的には非常に妥当だと思う。龍馬暗殺についても、マスコミを中心にセンセーショナルに走りすぎているのではないかと思う部分が大きい。検証もなく、従来と違う説が出れば真っ先に飛びついているようだ。
 直接の下手人は、京都見廻組であることは間違いない。その黒幕はいったい?誰かはとかネタバレなのでちょっと置いておきましょう。

 第3章に入ってからは、一気に加速。読了となった。

 小説等で語られる坂本龍馬の魅力がありすぎるため、日本史の見方にも影響が与えているような気がずっとしていた。本書は、ちゃんとした歴史資料に立ち返りながら考えましょうということを述べています。以前読んだ松浦玲氏の「龍馬伝説」でもそういった意味のことが述べられていたように思う。

 近代史家では、そういった認識になっているのかな。
 確かに、誰が暗殺したのか憶測でものをいうことはやめようやというのが本当のところかな。むしろ、この本を読んでいて知った事実なのだが、見廻組の佐々木只三郎が下宿としていたお寺がつい最近まで残っていて、火災で焼けてしまった事実の方が大事なような気がする。
 
 

 写真は、龍馬と中岡慎太郎が眠る護国神社の近くの料亭の前にあった道標。

 そういえば、同じく両名の墓所に行こうとすると、何と有料化されてた。まあ、維持管理にお金がかかるのはわかるけど、なんだかなあ・・・。

※「龍馬伝」の勝海舟役の武田鉄矢さん、どうみても金八先生にしか僕には見えません。


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