南都六大寺の一つ、大安寺から北へ150mほど歩いたところに杉山古墳があり、現在は、大安寺の旧境内の一部として、杉山古墳と大安寺の瓦を焼いた瓦窯跡である杉山瓦窯跡が公園として整備されている。
杉山古墳は、古墳時代の中期後半、5世紀の後半に築造された墳丘長約150mの前方後円墳で、先に紹介した野神古墳、大安寺墓山古墳とで大安寺古墳群を構成している。
もともとは現在は埋め立てられているが周濠を持ち、周濠を含めると全長200mを越える大型古墳である。
ちょうど訪れたときが、秋ごろだったので、草木が生い茂っており、墳丘の感じがうまくつかめない。整備では墳丘は手を入れられておらず、周濠だけがそれとわかるように平坦面で示されている。
墳丘には、くびれ部の辺りから登ることが出来る。
墳丘上に登ってみるも特に何もなく平ら。樹木が茂っているのと墳丘自体があまり高くないので眺望は全く効かなかった。
杉山古墳の埋葬施設については、過去の調査ではわかっておらず、粘土槨であったのではないかとのこと。(すでに破壊されている?)
墳丘に登って、一番驚いたのは、スズメバチに注意との看板があったこと。
こんな街なかに、と思ったけど、考えりゃ最近は空き家などでも大きなスズメバチの巣が見つかったりするので、不思議はないのだろう。この時は、スズメバチの姿を見かけることはなかった。
墳丘を歩いていると前方部でこんな瓦らしきものを見つけた。それから葺石のようなものもあった。
杉山古墳では、奈良時代になって、前方部の斜面を利用して瓦窯が作られているので、これが瓦であってもおかしくはないのだが・・・。
しかし、奈良時代の平城京の造営時によく破壊されることなく残ったなあと思う。大安寺の境内の一部となったことが幸いしたんだろうな。
最後に、杉山古墳の周辺からは、先ほども振れたが大安寺の瓦などを焼いたと考えられる瓦窯が6基見つかっており、そのうちの2号窯が復元され、ガイダンス施設の中で展示されている。
燃焼室、焼成室、煙道から構成されているとのこと。
杉山古墳の前方部の南側を削って設置されていたらしい。
大安寺古墳群としては、大安寺墓山古墳→杉山古墳→野神古墳の順に築造されたようである。この後は、せっかくの機会でもあるので大安寺などに立ち寄ることにした。
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