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アメフト観戦記や読書日記を綴っていましたが、最近は古墳(コフ)ニストとして覚醒中!横穴式石室をもつ古墳にハマっています。

京の伝説を歩く① 鵺池

2019-04-30 01:29:39 | 史跡を歩く

 

 京都のほぼ中心にある二条城のすぐ北側に二条児童公園がある。この公園に北端に、鵺池と呼ばれる柳の木が立った小さな池らしきものがある。池自体は、この公園を整備する時に復元をしたものらしい。池の真ん中に鵺池跡と刻まれた少し古い石碑が立っていた。

 鵺というのは、あやかしの一種で、平安時代の末期、近衛天皇の御代。当代天皇である近衛天皇は、毎夜奇妙な鳴き声に苦しめられていたところ、当時の超一級の武者、酒呑童子を退治した源頼光の直系の子孫源頼政が召し出されることとなった。宮中警護に当たった頼政は、ある日東三条から黒雲が立ち上り、次第に宮中へ向かってやってくると、山鳥の羽で作った矢を持って、南無八番大菩薩と唱えて矢を射ったところ、雲の中から鵺が落ちてきて、見事に鵺退治に成功した。その時の矢じりについている血を洗った場所が鵺池と言われている。このエピソードは、平家物語にも取り上げられている。

 昔、まんが昔ばなしみたいなアニメで見た記憶があるなあ。

 

 現在の鵺池自体は、新しいものなのであんまりおどろおどろしさを感じない。柳の木がもっと成長してきたら少し怖くなってくるかもしれない。

 この鵺を射った矢じりは、京都市下京区にある神明神社というところに収められているらしい。
 この鵺池のすぐ北に鵺を祀った鵺大明神社という小さな祠がある。
 
 
 ちなみにこのお社自体はそう古いものでは無く、昭和になってからのものである。この地は近世では京都所司代の屋敷内だったらしい。
 
 神社の隅には、この神社の由来を書いた石碑が建っていた。
 
 
 漢文で書かれているのでかなり読みにくい。
 
 話題の鵺という妖怪はどんな妖怪なのだろうか?
 顔は猿、胴は狸、尾は蛇、足は、虎という姿であり、トラツグミという鳥の鳴き声に声は似ているらしい。
 
 
 
 トラツグミという鳥は、夜更けにヒョーヒョー不気味な声で鳴く鳥で、その昔は本当に気味悪がられていたらしい。
 昔、横溝正史の小説を映像化した「悪霊島」という映画で、「鵺のなく世は恐ろしい」というキャッチコピーが使われていたのを思い出した。映画の内容はさっぱりと覚えていない。
 
 
 
  最後に、退治された鵺は、海に流されたと伝える。この話をもとに世阿弥は「うつぼ舟」という作品を作っている。
 この鵺池のあたりは、公園で遊んでいる子どもたちも寄り付くことはなく、ひっそりとした様子であった。
 
 おまけ
 宇治の平等院に源頼政の自刃の地と言われる場所と塔頭の最勝院には、頼政のお墓と伝わる宝篋印塔がある。
 
 
 
 以仁王の挙兵に従い、平氏との戦いに敗れた頼政は、扇ノ芝と呼ばれるこの地で渡辺唱の介錯で切腹をしたと伝えられる。
 
 
 
 最勝院の源頼政の墓である。
 
 
 
 最後に、たまたま開いた本に、源頼政の和歌が載っていた。
 「珍らしき春にいつしか打ち解けてまづ物いふは雪の下水」
 なかなか歌人だったのである。


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