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アメフト観戦記や読書日記を綴っていましたが、最近は古墳(コフ)ニストとして覚醒中!横穴式石室をもつ古墳にハマっています。

飛鳥 -歴史と風土を歩く-

2005-02-23 06:34:33 | 読書日記
 飛鳥 -歴史と風土を歩く-
 和田 萃著 岩波新書
 飛鳥という所は、電車で行けば1時間半ぐらいのところにあり、比較的に近いところであるから小さい頃からよく訪れていたのだがその変貌ぶりには目を見張る。高松塚古墳の近辺など20年程前と比べると面影もない。歳月が経っているのを実感する。そして古代史自体もう大幅に書き換えられている。飛鳥地方を中心に考古学の知見が大きく貢献している。本書はそういった考古学の発掘成果を充分に取り入れている。特に斉明朝については大きく見方が変わっているのだろう。僕の記憶では斉明朝ってのは、中大兄皇子と中臣鎌足が中心と「大化の改新」(大化の改新虚構論の人は乙巳の変といったりします。)をすすめている過程であって「白村江の戦い」ぐらいしか浮かばないのだけど、最近の考古学の発見で全く別のイメージを持ちます。水落遺跡や酒舟石周辺遺跡の発見によって、大規模な土木国家という印象すら受けてしまう。水落遺跡は一度見に行ったことがあるのだが、酒舟石周辺は発掘後ちゃんと行った事がない。ただ万葉文化館が出来て大幅に景観が変わってしまい状況がわからなくなっている。一度きちんと歩いてみたいと思う。(子どもが小さいとなかなかあるいてまわる事ができないなあ。)
 どうもこの時代は亀に対する信仰があったようで、酒舟石遺跡の亀の形をした樋にしても、亀石にしてもそうである。そして大規模な水利施設がなぜ作られたのか。神仙思想の影響がそこにあるのだろうか。いずれにしても国力の増大を示してはいるのだろう。今までは天武朝、持統朝が古代国家の成立期という見方が中心だったが、それよりもさかのぼるような気がする。天皇という称号も従来言われてた天武朝をさかのぼるような感じだし、水落遺跡のような時間を知らせる施設が存在しているという事は「皇帝は時間を支配する」という観念を表しているのではないだろうか。
 そのほかにもいっぱい新しい知見が盛り込まれています。飛鳥池遺跡などの全く新しい遺跡についても盛り込まれています。本書を持って気候が良くなったら飛鳥を歩いてみたいなあ。という気になりました。

 

 
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