WATERCOLORS ~非哲学的断章~

ジャズ・ロック・時評・追憶

ipod shuffle

2010年11月03日 | つまらない雑談

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  ipod shuffle を買ってみた。何だかんだいって、もう半年以上も続いているジムでのトレーニングの時、音楽を聴くためだ。マシーンで30分も40分も走るのはやはり退屈なのだ。ジムで使うだけだから、最も安い、最低のもので十分だと思い、この4,800円也の「ipod shuffle」なるものを買ったわけだ。

 特に音がいいわけではない。そんなことははじめから期待していないので、不満はない。むしろこの小ささがいい。クリップがついていてどこにでも付けることができ便利である。しかし、それにしてもである。考えようによっては、凄い製品である。思い切った製品だといった方がいいかもしれない。日本人にはできない発想ではないか。思い切った発想だ。事実、ソニーのウォークマンにはこの手の製品はないようだ。

 どこが凄いのか。最低の、本当に最小限の機能しかついていないのである。基本機能は、再生・一時停止・音量・一曲飛ばしのみである。再生も、「録音順再生」と「シャッフル再生」のみである。特定の曲を選んで再生することも、特定のアルバムを探し出して再生することもできない。まさに、"shuffle"である。本音をいえば、いくらジムでのトレーニング用といっても、できればアルバム検索機能ぐらいは欲しかった。ただ、私の場合は、用途が限定されているので、4,800円という価格を考えて納得することにしている。どこかのwebに書いてあったが、これから買おうとする人は、オーディオ機器とは考えず、パソコンの周辺機器と考えた方がいいかもしれない。すなわち、パソコンに音楽を音楽をためておき、外出の際、ちょっと持ちだすといった感覚での使い方である。パソコンに音楽をためておくなど(確かに便利そうではあるが)、考えもしない保守的な私には、ジムでのトレーニングがなければ、本来無縁の製品だったようだ。

 今日も夕方から時間が空く。ipod shuffleをつけてトレーニングにいこうか。


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2010年11月03日 | 今日の一枚(K-L)

●今日の一枚 285●

金子晴美

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Album4

 昔、よく聴いたのに生活の中で埋もれてしまった作品にふとしたことで再会するのは、楽しいことだ。当時の想い出や空気感がよみがえってくるとともに、意外なことだがまったく別の視点で冷静に聴きなおすことができるものだ。

 日本人ジャズシンガー、金子晴美の3rdアルバム、1983年作品の『SPECIAL MENU』もそんな一枚である。桑田佳祐作品集だ。当時、サザンオールスターズ自体が、ジャズピアニストで作曲家・編曲家の八木正生と接近し、ジャズテイストの作品を発表しており、決して話題性をねらっただけの奇をてらったアルバムではなく、内容的にもなかなかよくできた作品に仕上がっていると思う。実際、金子晴美自身、このアルバムでひとつの才能が開花したところもあり、 彼女の代表作のひとつとなっているようだ。編曲は八木正生その人である。

1. ハロー・マイ・ラヴ
2. トゥモローズ・ロード(シャ・ラ・ラ)
3. いにしえのトランペッター
4. ミュージック・マン(我らパープー仲間)
5. メモリーズ・オブ・ラヴ(YaYaあの時代を忘れない)
6. マイ・ラヴ・ソー・スウィート(いとしのエリー)
7. ジャズ・ランドより愛をこめて(がんばれ,アミューズ)
8. ストーリーズ・エンド(別れ話は最後に)
9. ホエン・ユーア・オーヴァー32(恋する女のストーリー)
10. スペシャル・メニュー(アイ・アム・ア・パンティ)

11. ジャス・ア・リトル・ビット

 原曲のメロディーを損なうことなく、聴き易いサウンドとする一方、すべての曲に英語の詞がつけられ、ジャズテイストが加味された結果、意外なことにも、サザンオールスターズとはまったく異なる解釈の作品に仕上がっている。ちょっと都会的で、今聴いても新鮮なサウンドだ。否、むしろ、当時より、今の方が新鮮かもしれない。えっ、この曲ってこんなに素敵な曲だっけ、などと思うこともしばしばだ。これぞジャズの醍醐味である。最後の曲、just a Little Bit 、いいなあ……。

 1983年、ふとしたことで貸しレコード屋でこの作品に出会い、リアルタイムで聴いていた。ジャズ喫茶通いをし、トレーンとかアイラーなどハードコアなジャズを「お勉強」いていた私にとって、日常生活の中で心に潤いを与えてくれた作品のひとつだったような気がする。残念ながら、金子晴美はこの一枚しかもっておらず、現在のところ、私にとっての金子晴美はこのかわいらしい声がすべてである。