●今日の一枚 286●
小曽根真
Walk Alone
テンプレートを秋の雰囲気を感じる「銀杏」に変えてみた。銀杏をみると、大学時代を思い出す。大学へいたる道にあった銀杏並木を思いだすのだ。というわけで、秋の雰囲気を感じる一枚である。
小曽根真のピアノトリオ+ストリングスによる1992年録音作品、『Walk Alone』。エディ・ヒギンズの『アゲイン』に収録された同名曲を聴いて、ずっと気になっていた。機会があったらオリジナル演奏を聴いてみたいと考えていたところ、1ヶ月程前、宮城・利府ジャスコのCDショップでこのアルバムを発見、早速、買い求めた次第である。ベースはマーク・ジョンソン、ドラムスはピーター・アースキン。
1961年生まれの小曽根真は、私の1つ年上だ。学年は2つ上のようだが……。同世代ということで、私が大学生の頃、彼がクインシー・ジョーンズに見出されてアメリカCBSと専属契約を結んで話題となって以来、ずっと気になる音楽家だった。
①Big Apple Pie がかなり印象的である。いい演奏だ。のびやかですがすがしいピアノだ。③ Walk Alone 、やはり、いい曲だ。ゆっくりとした曲調と、ピアノの鍵盤にふれるタイム感覚がたまらなくいい。日本人の細胞にあっているのだろうか、などどつい凡庸なことを考えてしまう。
いつも思うのだが、小曽根のピアノには、透明感があり、すがすがしく、さわやかで、どこかに凛とした音の芯のようなものがある。それが好きだ。