六は、聖堂の中で、欲望や時流に支配され、まわりの者に阿諛し、自分の誠実さを保持しなかった者は、社会にでても使いものにならない人間だった、と語った。節操は第一義的なモラルであり、私的契機をどこまでも守って全体者の意志を自分の中で具現した者だけが立派だった、とつけ加えた。(『はましぎ』)
六とは主人公の生き別れの弟、六太郎のこと。「聖堂」とは、刑務所のことです。なかなかに含蓄のあることばです。
六は、聖堂の中で、欲望や時流に支配され、まわりの者に阿諛し、自分の誠実さを保持しなかった者は、社会にでても使いものにならない人間だった、と語った。節操は第一義的なモラルであり、私的契機をどこまでも守って全体者の意志を自分の中で具現した者だけが立派だった、とつけ加えた。(『はましぎ』)
六とは主人公の生き別れの弟、六太郎のこと。「聖堂」とは、刑務所のことです。なかなかに含蓄のあることばです。