WATERCOLORS ~非哲学的断章~

ジャズ・ロック・時評・追憶

Please Please Me

2010年11月24日 | 今日の一枚(A-B)

●今日の一枚 291●

The Beatles

Please Please Me

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 iPod Shuffle を買って、ジムのランニングマシーンで走る時に聴いている。入っている曲はビートルズである。特に初期のものが時間的にもちょうどいいのだ。短い時間の一曲一曲を目標に、この曲が終わるまでがんばろう、という感じで走っている。昨年購入したThe Beatles Box を年代順に入れている。あとアルバム数枚入れれば、ビートルズ全曲完了である。

 説明する必要もあるまい。ビートルズの最初のアルバム、1963年作品の『プリーズ・プリーズ・ミー』である。このアルバムを今聴いて改めて思うのは、ビートルズはもともとダンス・ミュージック・バンドだったのだということだ。ダンス・ホールで踊るための実用的な音楽を演奏するバンドである。後年のビートルズから考えると驚くほど稚拙な演奏も耳につく。サウンドも貧弱なものが多い。にもかかわらず、このアルバムを聴くにたる作品たらしめているのは、① I Saw Her Standing There、⑦ Please Please Me 、⑭ Twist And Shout の存在だ。アルバムのトップ・真ん中、ラストに配置されたこれらの曲は、野球で言えば、さながら、先取点、中押し、ダメ押しという感じだろうか。個人的には、⑪・⑬あたりも結構好きなのだが、アルバム全体の構成を見た場合、先の3曲が大きな意味を持っているのは論を待たないであろう。

 ところで、多くのビートルズファンの反感を買うことを承知であえて発言するのだが、⑦ Please Please Me のハーモニカは余計だ。多くのファンにとって、このハーモニカは、この曲の象徴的な意味を持っているのだと思うが、よく聴いてみると、やはりダサい。ドンくさい。この曲がもっている爽快な疾走感を損なっている気がしてならない。ハーモニカがなければ、どのような演奏になったかもちろん想像できないが、私にとってはバッキングのギターの何ともいえぬ疾走感がこの曲のすべてである。

1. I Saw Her Standing There

2. Misery
3. Anna (Go To Him)
4. Chains
5. Boys
6. Ask Me Why
7. Please Please Me
8. Love Me Do
9. P.S. I Love You
10. Baby It's You
11. Do You Want To Know A Secret
12. A Taste Of Honey
13. There's A Place
14. Twist And Shout