●今日の一枚 284●
柳ジョージ & Rainywood
Y・O・K・O・H・A・M・A
邦楽である。懐メロである。柳ジョージ&レイニーウッドの1979年作品「Y・O・K・O・H・A・M・A」、彼らの3rdアルバムである。中高生の頃、耳にしたサウンドだ。カセットテープで繰り返し聴いていた。ちょっとしたことで当時を思い返す機会があり、思わず購入してしまった。
当時の柳ジョージがかなりエリック・クラプトンを意識していたことは、誰にでもかわるが、今、聴きかえしてみると、クラプトンというよりは、かなり日本的な、演歌テイストのブルースといった感じだ。しかし、ノスタルジアのなせるわざだろうか。けっして嫌ではない。むしろなかなか好ましい音楽だ。よくできたアルバムだとも思う。YOKOHAMAとは、やはり「横浜」ではなく、YOKOHAMAなのだということが、東北の田舎で育った私にもよくわかる気がする。その郷愁の感覚に共感して、思わず涙してしまう。グーロバリズムが進み、日本社会が均質化してしまった今日、多くの若者たちに果たしてYOKOHAMAのニュアンスがわかるだろうか。
「FENCEの向こうのアメリカ」。本当にいい曲だ。メロディーも、サウンドも、歌詞も、身体にしみ、心が躍る。どの曲も魅惑的であるが、アルバム最後のこの曲に、Y・O・K・O・H・A・M・Aのエッセンスのすべてが凝縮されているような気がする。
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購入したCDのジャケットは、発売当時のものを帯もふくめて復元したものだそうです。クリックすると、拡大されます。