王様の耳はロバの耳

横浜在住の偏屈爺が世の出来事、時折の事件、日々の話、読書や映画等に感想をもらし心の憂さを晴らす場所です

長野県下條村 少子化対策

2006-05-23 09:27:18 | 生活(地域)
朝日新聞22日の記事によれば長野県下條村が幾つかの取り組みで出生率を上げた

読んでみると他地区から若い夫婦を呼び寄せているのであるから村の出生率は統計上上がっても広域で見れば同じでないか?

それはともかく出生率の取り上げ方は朝日の問題であって下條村の取り組みに欠陥がある訳でない 爺は村の取り組みに感激した それをご紹介したい

村は飯田市から南に20キロの天竜川沿いに広がる 村は今春も村営集合住宅(1棟)12戸を若い人向けに貸した 2LDKで家賃は3万6千円 これはお値打ちだよ!
但し借りるのに条件がある
その1:今後、子供の増える見込みがあること
その2:消防団に入ること である
応募40所帯から条件に合う家庭を選んだ すごーい 人気あるー 

村が9年前から毎年1棟ずつ建てて来た集合住宅は計9棟 112戸が入居した
5年前村の住宅に入居したご夫婦 入居の理由は飯田市内だとマンション5万5千円 村の住宅より手狭なため子育てに物心とも余裕がない 村では図書館、プール、ご近所のコミュニティーがあり子育ての環境として最高だと 村で2人の子持ちになった

村の人口は10年前の95年は4千人を欠いた このプロジェクトを始めてから年々増加し昨年は4215人になった 現在1260所帯のうち1割以上が移住してきた(若い)新住民だ
そこで出生率が国の1.29なのに1.97と(村も5年前に比べ0.17増)伸びている 確かにここまで読めば若い人を村外に置いておいても同じ数だけ子供を生んだとは思えない 村の政策が若い夫婦向けだ

では村は何を考えたのであろうか
村は養蚕業が中心であったが、安い外国産生糸に押され昭和40年代に廃業が相次ぎ急激に過疎化が進んだ
村長伊藤喜平氏は村議のあと92年村長になったがかねてよりの公約「人口を増やす」を実行した
その政策だが 村外から若者を招き定着してもらうため ①安い集合住宅の建設
②屋内プール等若者向け施設の整備 ③中学三年生までの医療費無料化

さてその為の金の出所であるが徹底した村財政の「節約」である
①村の公共事業は村民が行う 村民は(農閑期には土木事業で働いているから)土木事業はお手のものである この方式だと業者に発注するのに比べ5分の1ほどの費用で済むと 工事に当たる村民に日当程度は払ったのであろうか 手弁当なのかそのあたりが記事では分からない 
②職員の削減 10年前の約60人が37人と削減された
③昼休みの1時間は役場内の電灯を全て消し電気代を節約
そうした努力の結果 村の貯金である基金は昨年度 年間予算にほぼ匹敵する27億円に達する
 
村には全国の自治体から視察が絶えないが真似の出来ない理由の山積みの様である

伊藤村長は「思い切ったことを10年以上してきた そうしないと過疎の村が自立するのは難しい」と語った

小泉総理以下閣僚は伊藤村長の言葉を拳拳服膺して欲しい


写真は伊藤村長
 
コメント (2)
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