友人が昨年の秋に貸してくれたのです 写真で見る通り立派な単行本で装画が「若い娘が半そでのTシャツを着て(墨田)川べりで手を翳している」物ですから恋愛小説か何かと思い込んで積んでおくままにしてありました
実は女刑事小説でした
なんと勿体無い 乃南アサさんの新作ではないか!
念のため横浜市図書館の予約を見ると272人もの予約待ち 凄い人気だ
女刑事音道貴子(おとみちたかこ)が主人公でそれに中年の相方(警察用語らしい相棒の事)滝沢保(たきざわたもつ)がコンビで難解な事件に取り組み解決する
今は隅田川東署の刑事部長である音道貴子 ×いちでもう直ぐ36歳 目下家具デザイナーで網膜色素変性症(先天性で難治らしい)を患う男と先行きのはっきりしない交際している
春、管内の東向島で家屋の解体作業中,三体の白骨が見つかる
男と女と赤ん坊らしい
検視の結果相当古いが空襲によるほど古くも無いようだ
音道の割り当てられた任務は「解体家屋の所有者への聞き込み」である
ところが所有者の今川篤行は「老人ホーム」に入居しているのだが「徘徊老人」なのである 今日も一時帰宅の合間に家を抜け出して行き方知れず 家族はてんやわんやのさなか (爺注:認知症の軽い状態 まだら惚け状態)ようやく捜しだし家での聞き込みも会話にならない 連れ合いが10年になくなっているが賃貸の仕事は奥さんが全てやっていた様で書類の控えなどは自宅に一切無い事がわかる
入居先の「ハッピーライフはなみずき」に毎日の如く通うが「賃貸」は要領を得ないが「とある昔話」をはっきりと話したりする
進展しない捜査に陣容は縮小され音道と同僚の玉城の2名が専従の様な形で付近の聞き込みとホームに今井を尋ねる毎日となる
梅雨明け前 蒸し暑い毎日 「隅田川公園内に於ける老人殺害事件」で隅田川東署に特別捜査本部が設置された
さて殺された老人は「徘徊老人」の今井である事が分る
捜査一課長より犯人の捜査と「白骨死体との事情」も視野に入れ捜査に当たると方針が示される
所轄から音道刑事部長 相方には金町署から応援部隊の滝沢保警部補となる
滝沢はこの春まで警視庁捜査一課特殊班にいた敏腕刑事だ 50歳を前にお役ご免を願い出て所轄署へ異動したという訳(爺注:二人は前作〝凍える牙〟でコンビを組み難事件を解決している 因みにこの作品は96年直木賞を受賞している)
前作に続く男社会の中の女に対する拒絶と蔑視、滝沢との相方としての葛藤 滝沢は初老化激しく「皇帝ペンギンから立って歩くアザラシ」に見立てられてしまう
さて二人は敷鑑捜査にあたる 敷鑑とは「被害者」の親族・知人・仕事関係者など何らかの関係のある人物を洗い出す事だ
二人は「ハッピーライフはなみずき」の関係者のべ90人を洗う その中からただ一人 アリバイ、動機、体格等から今井老人殺害に関与しそうなホームヘルパー長尾広士を絞り込んだ
この間警察の捜査の先に現れる刑事以外の人物、捜査の合間の同僚(鑑識課)藪内奈苗とお互いの交際相手の愚痴話
さてこの後は推理小説であるし272人も待っているのでネタばれを遠慮して書かない
事件は台風の過ぎる秋頃解決する 滝沢は最後の場で過労で倒れ「初期の大腸がんと痔の治療を終え」復帰した
10月音道にも海外から帰国した恋人と関係修復の芽が出たようである
爺はいまいち本編の犯人の心理になるほどと納得が行かない その点では「凍える牙」の方が腑に落ちた 物凄く難解な筋立てという事はありませんから両方をお試しあれ
実は女刑事小説でした
なんと勿体無い 乃南アサさんの新作ではないか!
念のため横浜市図書館の予約を見ると272人もの予約待ち 凄い人気だ
女刑事音道貴子(おとみちたかこ)が主人公でそれに中年の相方(警察用語らしい相棒の事)滝沢保(たきざわたもつ)がコンビで難解な事件に取り組み解決する
今は隅田川東署の刑事部長である音道貴子 ×いちでもう直ぐ36歳 目下家具デザイナーで網膜色素変性症(先天性で難治らしい)を患う男と先行きのはっきりしない交際している
春、管内の東向島で家屋の解体作業中,三体の白骨が見つかる
男と女と赤ん坊らしい
検視の結果相当古いが空襲によるほど古くも無いようだ
音道の割り当てられた任務は「解体家屋の所有者への聞き込み」である
ところが所有者の今川篤行は「老人ホーム」に入居しているのだが「徘徊老人」なのである 今日も一時帰宅の合間に家を抜け出して行き方知れず 家族はてんやわんやのさなか (爺注:認知症の軽い状態 まだら惚け状態)ようやく捜しだし家での聞き込みも会話にならない 連れ合いが10年になくなっているが賃貸の仕事は奥さんが全てやっていた様で書類の控えなどは自宅に一切無い事がわかる
入居先の「ハッピーライフはなみずき」に毎日の如く通うが「賃貸」は要領を得ないが「とある昔話」をはっきりと話したりする
進展しない捜査に陣容は縮小され音道と同僚の玉城の2名が専従の様な形で付近の聞き込みとホームに今井を尋ねる毎日となる
梅雨明け前 蒸し暑い毎日 「隅田川公園内に於ける老人殺害事件」で隅田川東署に特別捜査本部が設置された
さて殺された老人は「徘徊老人」の今井である事が分る
捜査一課長より犯人の捜査と「白骨死体との事情」も視野に入れ捜査に当たると方針が示される
所轄から音道刑事部長 相方には金町署から応援部隊の滝沢保警部補となる
滝沢はこの春まで警視庁捜査一課特殊班にいた敏腕刑事だ 50歳を前にお役ご免を願い出て所轄署へ異動したという訳(爺注:二人は前作〝凍える牙〟でコンビを組み難事件を解決している 因みにこの作品は96年直木賞を受賞している)
前作に続く男社会の中の女に対する拒絶と蔑視、滝沢との相方としての葛藤 滝沢は初老化激しく「皇帝ペンギンから立って歩くアザラシ」に見立てられてしまう
さて二人は敷鑑捜査にあたる 敷鑑とは「被害者」の親族・知人・仕事関係者など何らかの関係のある人物を洗い出す事だ
二人は「ハッピーライフはなみずき」の関係者のべ90人を洗う その中からただ一人 アリバイ、動機、体格等から今井老人殺害に関与しそうなホームヘルパー長尾広士を絞り込んだ
この間警察の捜査の先に現れる刑事以外の人物、捜査の合間の同僚(鑑識課)藪内奈苗とお互いの交際相手の愚痴話
さてこの後は推理小説であるし272人も待っているのでネタばれを遠慮して書かない
事件は台風の過ぎる秋頃解決する 滝沢は最後の場で過労で倒れ「初期の大腸がんと痔の治療を終え」復帰した
10月音道にも海外から帰国した恋人と関係修復の芽が出たようである
爺はいまいち本編の犯人の心理になるほどと納得が行かない その点では「凍える牙」の方が腑に落ちた 物凄く難解な筋立てという事はありませんから両方をお試しあれ