王様の耳はロバの耳

横浜在住の偏屈爺が世の出来事、時折の事件、日々の話、読書や映画等に感想をもらし心の憂さを晴らす場所です

乃南アサ 「風の墓碑銘(エピタフ)」を読む

2007-04-20 06:52:06 | 本を読む
友人が昨年の秋に貸してくれたのです 写真で見る通り立派な単行本で装画が「若い娘が半そでのTシャツを着て(墨田)川べりで手を翳している」物ですから恋愛小説か何かと思い込んで積んでおくままにしてありました
実は女刑事小説でした

なんと勿体無い 乃南アサさんの新作ではないか!
念のため横浜市図書館の予約を見ると272人もの予約待ち 凄い人気だ

女刑事音道貴子(おとみちたかこ)が主人公でそれに中年の相方(警察用語らしい相棒の事)滝沢保(たきざわたもつ)がコンビで難解な事件に取り組み解決する
今は隅田川東署の刑事部長である音道貴子 ×いちでもう直ぐ36歳 目下家具デザイナーで網膜色素変性症(先天性で難治らしい)を患う男と先行きのはっきりしない交際している

春、管内の東向島で家屋の解体作業中,三体の白骨が見つかる
男と女と赤ん坊らしい
検視の結果相当古いが空襲によるほど古くも無いようだ
音道の割り当てられた任務は「解体家屋の所有者への聞き込み」である
ところが所有者の今川篤行は「老人ホーム」に入居しているのだが「徘徊老人」なのである 今日も一時帰宅の合間に家を抜け出して行き方知れず 家族はてんやわんやのさなか (爺注:認知症の軽い状態 まだら惚け状態)ようやく捜しだし家での聞き込みも会話にならない 連れ合いが10年になくなっているが賃貸の仕事は奥さんが全てやっていた様で書類の控えなどは自宅に一切無い事がわかる
入居先の「ハッピーライフはなみずき」に毎日の如く通うが「賃貸」は要領を得ないが「とある昔話」をはっきりと話したりする
進展しない捜査に陣容は縮小され音道と同僚の玉城の2名が専従の様な形で付近の聞き込みとホームに今井を尋ねる毎日となる

梅雨明け前 蒸し暑い毎日 「隅田川公園内に於ける老人殺害事件」で隅田川東署に特別捜査本部が設置された

さて殺された老人は「徘徊老人」の今井である事が分る
捜査一課長より犯人の捜査と「白骨死体との事情」も視野に入れ捜査に当たると方針が示される
所轄から音道刑事部長 相方には金町署から応援部隊の滝沢保警部補となる
滝沢はこの春まで警視庁捜査一課特殊班にいた敏腕刑事だ 50歳を前にお役ご免を願い出て所轄署へ異動したという訳(爺注:二人は前作〝凍える牙〟でコンビを組み難事件を解決している 因みにこの作品は96年直木賞を受賞している)
前作に続く男社会の中の女に対する拒絶と蔑視、滝沢との相方としての葛藤 滝沢は初老化激しく「皇帝ペンギンから立って歩くアザラシ」に見立てられてしまう

さて二人は敷鑑捜査にあたる 敷鑑とは「被害者」の親族・知人・仕事関係者など何らかの関係のある人物を洗い出す事だ
二人は「ハッピーライフはなみずき」の関係者のべ90人を洗う その中からただ一人 アリバイ、動機、体格等から今井老人殺害に関与しそうなホームヘルパー長尾広士を絞り込んだ
この間警察の捜査の先に現れる刑事以外の人物、捜査の合間の同僚(鑑識課)藪内奈苗とお互いの交際相手の愚痴話
さてこの後は推理小説であるし272人も待っているのでネタばれを遠慮して書かない

事件は台風の過ぎる秋頃解決する 滝沢は最後の場で過労で倒れ「初期の大腸がんと痔の治療を終え」復帰した 
10月音道にも海外から帰国した恋人と関係修復の芽が出たようである

爺はいまいち本編の犯人の心理になるほどと納得が行かない その点では「凍える牙」の方が腑に落ちた 物凄く難解な筋立てという事はありませんから両方をお試しあれ

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伊藤市長の女婿 出馬

2007-04-19 08:01:24 | 政治
伊藤市長の娘婿が出馬へ 西日本新聞記者の横尾氏(共同通信) - goo ニュース

選挙運動中の長崎市長を銃撃して死亡させるという衝撃的な事件について昨日感想を述べたその際一寸書いておいたが長崎市長に「思想を同じくするグループに二番手に居る方が代わりに立つ」事を希望したがそれに近い線が出た

報道によれば伊藤市長の後援グループはまず「現職の副知事」を選んだ様である
しかし本人が「伊藤市長に使われる側でつかえて来た者で後任の資格は無い」と辞退された由 
「核兵器廃絶・平和宣言等」伊藤氏にして可能な発想と発言と見切られたのであろう実に立派な見識である 「うん」とうなづけば資質をと割れる事無く当選したかも知れない その意味では人生の目標を顕官高位に付く事とされない方であろう

さて革新グループに世襲や身内による弔い合戦は似合わないかもと書いたが昨日夕刻「伊藤氏の女婿である横尾誠氏」が立候補の決意をされた事を知った

一方でよい点も有る
その1:テロ行為に負けないとの意思表示である
その2:4期13年目になったかも知れない多選の弊害が避けられた
その3:新人の当選で共産党を除く全党が与党なんて議会に風穴が開くだろう
伊藤市長の「核廃絶宣言」等はかなり突出している様で爺から見れば「自民党」が相乗りしているのが信じられない 或いは「被爆地」であるが故、そういう自民党員が多数居るのかもしれない? 
その4:議会総与党で県民の為の県政が行われた例は少ない 少なくとも「県の裏金問題」には手が入るのではないか

横尾誠氏の事を過分に報道するのは「公職選挙法に抵触する」のであろうか 殺害現場のレポばかり流れる
もうあと3日の運動期間で流れがどうなるのであろうか? 長崎市民の判断である
注目しましょう


共同通信:
長崎市の伊藤一長市長(61)が暴力団幹部に射殺された事件を受け18日午後、伊藤市長の長女の夫で西日本新聞記者の横尾誠氏(40)が長崎市役所で記者会見し、市長選に補充立候補することを表明した。同市長選は、4選を目指す伊藤市長と、共産党や無所属の新人3氏が争う構図となっていた。同市選挙管理委員会が18日午前、公選法に従い補充立候補の受け付けを開始した。22日に投開票される
写真:横尾誠氏
コメント (4)
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長崎市長 銃撃死

2007-04-18 07:25:38 | 政治
銃撃された伊藤長崎市長が死亡 出血多量で (朝日新聞) - goo ニュース

昨日夜8時前銃撃された長崎市長伊藤一長氏が今日未明に逝去された
謹んでお悔やみ申し上げます
この話を昨日夜知ったときに爺は直ぐテロだなーと感じた

今朝「みのさんの朝ズバ」を見て概要が分った
市長は「後ろから背中を2発撃たれ主要血管と右心室が破れていた」そうだからほぼ瀕死の重傷を負ってしまった こんなのプロの腕前だよ
一方犯人はその場で選挙事務所の人達に押えられ捕まり警察に引き渡された 巻き添えは防げたのは不幸中の幸いでした

爺は幾つか思った:
その1:平素から伊藤市長は「核兵器廃絶・平和宣言などに関連して強い反政府・反米国」の発言と行動をしている
その2:前市長も「天皇戦争責任」発言で銃撃され重傷を負ったと思う
その3:であるから県警?や県庁での市長警護体制はどうしてたのか?
例えば「米国の歌手や俳優」の様に大柄な若者で前後を囲むだけでも盾の代わりになり銃による狙撃など格段と難しくなる 予兆はなかったのかな?
その4:暴力で言論を封殺するのは長崎という土地柄なのか? 穏やかな土地柄に発言が過激に過ぎるという事なのか?
その5:犯人は暴力団員で「市と車のトラブル」と言ってるそうだが4年前の事件でそれが原因とは!? 本当の狙いは「殺傷による言論封殺」--つまりテロ行為でないか

その6:選挙戦最中である 弔い合戦は奥さんか長男と相場が決まっているが立つか立たないか? 夫や父の仇を家族がとは「革新陣営」らしくはないがテロに屈しないとの意思表示にはなる 勿論思想を同じくするグループに二番手がいれば急遽立つのも一つの方法であろう

戦前それも昭和に入り軍部(特に陸軍)が力を持つと取り巻を使ってテロをやらせた それに内務省(特に警察関係)が協力したり或いは敵とみる要人や反対意見を述べる者の警護の手抜きをしたり嫌な時代があった 海軍等は武力があるのに陸軍との抗争と取られるのを恐れ(これも国民を抜きにした自己保存の考えだが)軍人で政務にある者の身辺保護を徹底せず政務から身を引いた 名目は兎も角陸戦隊を編成して要人保護を徹底すれば「三国同盟の締結」も防げたか或いは遅らせる位の事は有り得たのだが 歴史に「もし、ならば、そうしなければ」は無いそうだからその反省を生かし
「政治的発言」に対し「暴力でこれを封殺する」行為は許してはいけない

安倍総理の本件に対する見解は目の付け所が低い よく物を言う事で命の心配をする様な社会はいけない テロは民主主義の破壊行為の第一なのだから
続報に注目しましょう

朝日新聞:
17日午後7時50分ごろ、長崎市のJR長崎駅前にある大黒町の選挙事務所前の歩道で、短銃を持って待ち伏せしていた男に背後から数発撃たれた同市の伊藤一長(いとう・いっちょう)市長(61)が18日午前2時28分、出血多量のため収容先の長崎大付属病院で死亡した。銃弾2発が胸に撃ち込まれていた。伊藤市長は22日投開票の市長選に4選を目指して立候補していた。
 長崎県警は殺人未遂の疑いで現行犯逮捕していた同市風頭町、指定暴力団山口組系「水心会」会長代行、城尾哲弥容疑者(59)の容疑を殺人に切り替えて調べる。
 伊藤市長は、同市初の戦後生まれの市長。原爆投下の2週間後に疎開先の山口県で生まれた。長崎市議、県議を経て、95年に本島等氏を破って初当選した。

 就任後は、被爆地の市長として国際会議などでも発言してきた。当選した年の11月、オランダ・ハーグの国際司法裁判所での証言で、広島市長とともに「核兵器の使用は国際法に違反していることは明らか」と陳述。「違反とまでは言えない」との立場の外務省からは、文言をめぐって直前まで働きかけが続いたが、曲折の末、「違法」を明言した。
 02年8月には「原爆の日」の「平和宣言」で、同時多発テロ後の米国の核政策を「国際社会の核兵器廃絶への努力に逆行している。こうした一連の独断的な行動を断じて許すことはできない」と述べ、初めて米国を名指しで批判した。
 05年5月、米ニューヨークの国連本部で開かれた核不拡散条約(NPT)再検討会議の本会議場で発言。長崎の原爆で黒こげになった少年の写真を掲げ、「核兵器と人類は共存できない」と訴えた。(以下省略)
コメント (11)
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専大北上高 野球部 解散

2007-04-17 09:15:08 | スポーツ
専大北上高野球部が解散…奨学金制度にけじめ、5月に再結成も(サンケイスポーツ) - goo ニュース

世の中には爺が考えるより深い闇が有る様だ
過日爺が「どこかおかしいなー?」と思った専大北上の「野球部除名処分」であるがあっと驚く様な対抗手段が発表された

報道によれば専大北上の野球部が処分に先立ち自分から「解散」してしまうとの事

しかも解散後、5月頃には再結成し2-3ヶ月で高野連に復帰し甲子園を目指す心積りらしい
これに対し「除名処分」をきめた高野連の田名部参事等は「再加盟の可能性を示唆している」らしい 爺から見れば「1年間の部活停止」の方がよほど厳しい処分だないか? 偽装解散だよなー?!

これでは「高野連幹部」と「専大北上野球部幹部」の出来レースだよ?!
もう一度爺の思いを述べると:
「高野連の野球憲章」の合理性と「専大北上」を含む強豪高野球部の「金品授受」の実態が検証された様に見えない
併せて今回の「除名」と「(自主)解散、後日復帰」の間にある処分の格差はなんだ!

判りやすく書けば「除名」は「藩命によるお家断絶である」「解散」は「自ら閉門、蟄居」であるから扱いに差が有る事はお分かり頂けよう
「除名」の判断に権威があれば「閉門」は有り得ねーだよ

そこで爺が思うのは「高野連」と「専大北上」の出来レースでないかとの思いだ
かくして「高野連の野球憲章は汚れることなく燦然と輝き続け専大北上は早期に甲子園を目指す」めでたしめでたし

全ては何も解決せず、次に問題が起きるまで「高野連による健全野球」は続く


サンスポ:
西武から金銭供与を受けた早大野球部元選手の出身校で、学費免除の奨学制度などの日本学生野球憲章違反が明らかになった専大北上高(岩手・北上市)が16日、岩手県高野連に硬式野球部の解散届を提出した。同連盟を通じて日本高野連は同日、解散届を受理。今後は同好会として練習を続けるが、同高では早ければ5月にも野球部を“再結成”し、夏の甲子園の県大会に間に合わせたい意向だ。

 1日も早い再出発を切るための、大ナタだった。この日午後、高木敬蔵校長から『野球部解散』の説明を受けた部員は「簡単な概要しか聞いていないので…」と一様に戸惑い、中には涙を流す者もいた。


 「指導者の綱紀粛正、奨学金制度に関する件などを重く受け止め、けじめをつけるため」と高木校長は解散理由を、解散届の中で述べた。すでに12日、大阪市内の日本高野連で事情聴取を受けた際、解散の方向性も伝えていた。処分が協議される18日の同連盟の審議委員会を前に、昨夏出場した甲子園への道を残すため、自らえりを正した形だ。(以下省略)
写真:専大北上 関係者
コメント (8)
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患者が医師を刺す 

2007-04-16 07:20:15 | 社会
患者が医師をナイフで刺した後、自殺図る 神戸の診療所(朝日新聞) - goo ニュース

報道によれば患者が医師をナイフで刺したそうだ

犯人は70歳の男性 「体調不良で通院、なかなか良くならず医師を恨んでいた」との事 
「医師を殺して自分も」と医師を刺した後自殺を図った様だ

昔 童謡で♪今年60のお爺さん 年はとっても---と有ったが、今でも70歳なら爺さんと呼んでも良いだろう
この爺さん何処が悪かったのであろうか?
内科というからメタボリック シンドローム つまり高血圧、高脂血症、糖尿病
だろうか? 肝硬変? 腎臓障害?

生協の診療所とある 爺が日ごろお世話になる町医者で先生一人でいつもその先生のお世話になっている診療スタイルなのであろうか? 
昨日は日曜日 普通は休診だ たまたま当直で出てきていたら前に診察した事が有るからと恨まれて刺されたら迷惑千番だ
このあたりの事情は良く判らない

少年の非行とか、拳銃ナイフの使用とか悪くなる犯罪は米国社会を追っている様に見えたが医師の殺傷は日本が先んじたか?
先生は一命を取り留めたらしい 本人は自決できず軽症の様だ
「なかなか治らない」事が患者と医師とどちらに問題があるのか? 記事では分らない 「お医者様に診ていただけただけで」と遺族が医師に感謝した麗しい時代は終わってしまった この爺さんの短絡的発想が起した例外的事件である事を願います


朝日新聞:
15日午前10時10分ごろ、神戸市灘区水道筋6丁目の「ろっこう医療生活協同組合灘診療所」で、1階の診察室に無断で入ってきた男が、無言のまま切り出しナイフ(刃渡り約7センチ)で男性内科医(49)の脇腹を刺した。内科医が隣の部屋に逃げると、男は自分の腹を刺した。110番通報で駆けつけた兵庫県警灘署員が、診療所内で男を殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。医師は別の病院に運ばれて手術を受け、重傷という。男は腹に軽いけが。

 調べでは、男は同区水道筋3丁目の無職二葉正男容疑者(70)。「体の調子が悪い」と同診療所に通院しており、「なかなかよくならず、恨んでいた。医師を殺して自分も死ぬつもりだった」などと供述しているという。同診療所はこの日、午前中が診療時間だったが、犯行当時は現場の診察室には患者はいなかったという。
(以下略)
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