安全問題研究会(旧・人生チャレンジ20000km)~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

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山梨・富士五湖で震度5弱観測 富士山との関係は?

2012-01-30 22:47:28 | 気象・地震
平成24年1月28日07時43分頃の山梨県東部・富士五湖の地震について(気象庁報道発表)

最近、当ブログは気象庁の情報公開のあり方にかなり疑問を持っており、気象庁の報道発表を基に地震情報の解説をするのが果たして本当に適切なのかどうか、かなり悩んでいる(特に、昨年11月17日の長官記者会見のようなばかげたやりとりを見せつけられると、こんなところから発信される1次情報を基に地震の解説記事を書いてよいわけがないと思ってしまう)。地震を初めとして災害が相次ぎ、災害情報を扱うサイトはどこも注目度が高くなっているだけになおさらだ。

だが、一般商業メディアの報道が気象庁よりマシかというと全然そうではない。となると、当ブログとしてはやはり「1次情報」を元に解説を続けるしかない。

報道発表を見よう。震源地は富士山の裾野に当たる場所である。震源深さは約20kmだが、これは富士山の2つあるマグマだまりのうちのひとつとほぼ同じ深さだといわれるだけに心配になる。

群発地震が発生したときに、それが火山性地震かどうかを判定することは実はとても難しい。火山性地震だからといって発震機構(地震のメカニズム)に違いがあるわけでもなく、火山活動と群発地震の活動を照らし合わせて、その大部分において一致を見たときに「この群発地震は火山性のものだ」とようやく判断ができる、というのが現実である。それだけに、ろくに火山活動との関連を調べもせず、富士山の活動と「関連はない」とする気象庁の発表を額面通り受け取るわけにはいかない。

発震機構が逆断層型というのが気にかかる。震央の位置、富士山の位置から見て、富士山が膨張して外側に圧力がかかっていると、この地域では逆断層型となるはずだからである。動物の異常行動(コウモリが1カ所に集まる)、地割れと湧水の発生、永久凍土の減少など、昨日あたりから不気味な現象がメディアでも取り上げられ始めている。毎日、富士山を間近に見ながら過ごしている地元住民から「見た目の印象が変化した」という報告さえ寄せられ始めている(参考)。

富士山が噴火するにせよ、そうでなく終わるにせよ、皆さんに知っておいていただきたいのは、日本の山の8割は火山だという事実である。そのうちの大部分は休火山であり、死んでいるわけではない。どこの山がいつ火を噴いてもおかしくないという認識を持っておくことは、災害を未然に防止するためにとても重要なことである。

念のため、富士山が噴火した場合の影響をシミュレートしておこう。地球の自転により、北半球では西から東へのジェット気流が常に吹いている。冬場は北西の季節風も吹く。火山からの噴出物は、主に富士山の東から南東方面へ流れる。静岡・山梨県内よりも神奈川や東京のほうが影響は深刻になるだろう。千葉・埼玉も警戒すべきである。

風上に当たる静岡や山梨は、西・北西の風が吹いているとき火山灰の心配は少ないが、富士山から近いだけに火山弾など大きな物が飛んでくる可能性がある。新燃岳が噴火した際、地元の観光ホテルのガラス窓が火山弾で割れるなどの被害を出した。こうしたことは、静岡・山梨では起こりうる。

最も恐いのは、噴火の規模そのものは小さくても、火山灰などがもたらす物流・交通への影響である。噴煙が上空高く舞い上がれば、ジェットエンジンへの影響があるため航空機は近くを飛べない。場合によっては成田・羽田を使えなくなる可能性がある。風向きによっては中部国際空港も使えないかもしれない。

火山灰が降り積もり、新幹線や東名・中央道も通行止めになる。この結果、西日本と東日本を結ぶ交通の大動脈が絶たれる。最も恐いのは、日本海側で記録的大雪が続いているこの1~2月に富士山噴火が起きることである。新幹線・東名・中央道が使えなくなり、物流のトラックが日本海側を迂回しようとしても、日本海側も大雪で通行できない。この場合、日本海側で雪が溶ける3月中旬頃まで1ヶ月~1ヶ月半の間、東西の物流が途絶することを覚悟しなければならないであろう。

このような事態に備え、我が家では今日、レトルト食品・ミネラルウォーターなどの物資を念のため買い揃えることにした。我が家のこの対策が杞憂に終わることを願っている。

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