人生チャレンジ20000km~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

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日航機墜落から27年、今も慰霊続く御巣鷹

2012-08-14 23:41:02 | 鉄道・公共交通/安全問題
「いつまでも来たい」=遺族ら慰霊登山―日航機墜落27年(時事)

今年も御巣鷹に暑い夏が巡ってきた。リンク先の記事によると、今年も74家族296人が慰霊登山をした。植木義晴・日航社長も登り、「昇魂之碑」に手を合わせ、献花をして犠牲者に祈りを捧げた。

高齢化して慰霊登山ができなくなる遺族が増える一方、その子どもや孫の世代が代わって慰霊登山をする「世代交代」「経験の継承」の動きはますます顕著になっている(参考記事―2012.8.13付け「産経」)。日航社内でも、一時期までは事故をむしろ積極的に風化させようとする風潮が強かったが、2005年の相次ぐ運行トラブルなどを契機に、次第に事故を受け止め、遺族とも向き合いながら事故を継承しようとする動きが強くなった。日航社長による慰霊登山もその一環であり、それ自体は歓迎すべきことである。日航社長の慰霊登山を「パフォーマンス」などと揶揄する声がここ数年、ほとんど聞かれないのは、ある程度日航の「本気度」が理解されてきたということかもしれない。

だが、安心ばかりもしていられない。日航にとって最大の問題は、安全要員を含めたリストラ・経費節減が横行していることだ。2010年末、闘う労働組合に所属していた社員を狙い打ちにするかのような整理解雇が行われたが、稲盛会長自身が「必要なかった」と公の場で発言してしまうほど解雇の不当性ははっきりしているにもかかわらず、日航は彼ら彼女らを職場復帰させていない。彼ら彼女らは、最も多感な青年労働者だった時期に御巣鷹事故に遭遇し、経験不足の中で動揺しながら、その経験を原点に生きてきた。こうしたベテランの力が今ほど必要とされているときはないはずなのだが…。

被解雇者となった労働者たちは、日航社内で現在起きている恐るべき事態を明らかにしている。「業績目標を達成するまで安全は口にするな」「利益なくして安全なし」が経営目標となり、安全を無視して儲けることだけに「邁進」しているのが日航の現状というのだ。

空の規制緩和も進み、今後はLCC(ローコストキャリア=格安航空)との果てしなき消耗戦が日航を待ち受ける。当ブログでもまもなく明らかにする予定だが、LCCを巡っては、定期便を1日3便運行しているのに機体を3機しか保有していない航空会社、到着から折り返し離陸までの時間がたったの30分しかない会社など、恐るべき状況が次々に明らかになっている。こんなメチャクチャな航空会社との競争の渦に今後、日航は巻き込まれる。日本の空の安全に、いま再び黄信号が点っている。

あの悲劇から27年。事故を風化させ、早く幕を引くことで「いのち預かる公共交通」を儲けの道具に貶めようとする勢力と、事故を語り継ぎ、継承することで安全への教訓を引き出そうとする遺族たちのせめぎ合いの中で、慰霊の夏は今後も続く。当ブログと安全問題研究会の役割は、後者の動きに寄り添い、その流れを拡大し確定させることにある。息の長い闘いは、もしかすると私の存命中に終わることはないのかもしれない。

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