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こんなにおかしい!ニッポンの鉄道政策
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国は今こそ貨物列車迂回対策を!

第94回夏の高校野球を振り返る

2012-08-23 23:41:04 | 芸能・スポーツ
第94回夏の全国高校野球は、今日決勝が行われ、大阪桐蔭が3-0で光星学院(青森)を破って史上7校目となる春夏連覇を成し遂げた。光星学院は、昨夏、今春に続き3大会連続で優勝に挑んだが、決勝戦の分厚い壁に3たび泣いた。ちなみに、決勝戦が春夏連続で同一カードとなるのは、100年近い甲子園の歴史の中でも初めてのことだ。

とはいえ、光星学院の選手、関係者には大変申し訳ないが、当ブログ管理人は光星学院の3度目の挑戦も実らないだろうな、と昨夜の段階で思っていた。実は昨夜、決勝戦が春と同じカードになったと聞いて「結果も多分春と同じになるだろう」と当ブログにも書きかけたが、いろいろ考えて投稿をやめたのである。

私がそのように考えた根拠は、注意深く当ブログの高校野球関係の過去ログを読み、その上で注意深く光星学院の今大会での戦いぶりを見てきた人には理解いただけるだろう。過去ログにも書いたとおり、光星学院の最大の弱点は「強攻策しかない」こと、別の言い方をすれば「バントなどの小技が全く使えない」ことにある。夏の甲子園で全国優勝するためには、どうしてもこの弱点を克服することが必要だったが、準決勝までの戦いぶりを見て、その克服に成功しているとはとても思えなかった。強攻策頼みのチームカラーは相変わらずで、「これでは大阪桐蔭に勝つのは難しいだろうな」と正直、思ったのである。

では、例年通り大会全般を総括しよう。

今大会は、初出場校が少なく、いつも聞く名前、かつてよく聞いた名前の学校が多く、新味には欠けたが落ち着いて見ていられる大会だった。特徴的なのは、とにかく本塁打が多かったことで、大会本塁打数56は史上2位の記録となった。一方、1~2回戦段階では機動力を生かして相手チームを巧みに揺さぶる学校も多く、果敢に三盗を試み成功させるチームも目立った。全体的に、本塁打を連発するメジャーリーグのようなチームと、機動力+小技で揺さぶる、ある意味で高校野球らしいチームの両極端だった印象がある。しかし、総合力が求められる夏の大会らしく、初出場校、機動力+小技のチームは3回戦までにおおむね姿を消した。

今大会では延長戦をほとんど見なかったような気がしたので、調べてみると確かに少なく、1回戦の盛岡大付(岩手)×立正大淞南(島根)戦と龍谷大平安(京都)×旭川工(北北海道)戦のわずか2試合だけ。例年の大会では、4~5試合は延長戦があるので、やはり今年は際だって少なかった印象だ。当然の結果としてサヨナラも少なかった。だが、だからといって面白くなかったわけではなく、シーソーゲームの多かった今大会は例年と違った意味で観客を楽しませた。

1回戦段階で最大の番狂わせは、昨年の覇者・日大三(西東京)が聖光学院(福島)に敗れたことだろう。私だって、もう5年以上も福島に住んでいる県民のひとりとして、地元代表に勝ってほしいことはもちろんだが、昨年の覇者とはあまりにも格が違うと考えていたから、聖光学院の勝利には人一倍嬉しかったことは事実だ。

打者では、4本塁打を放った北條(光星学院)が光った。

今年は投手も近年まれに見る大豊作の年だった。大阪桐蔭の藤浪は春以上にパワーアップして甲子園に帰ってきた。相変わらず直球は安定して速く、スライダーもよく切れていた。2回戦の松阪(三重)戦で2ケタ奪三振を上げた西(倉敷商)などきらりと光る投手陣がいた。今年の秋から冬にかけ、プロ各球団のスカウトは忙しくなるだろう。

そして、特筆すべきは「ミスターK」ともいうべき松井(桐光学院)だ。1回戦の今治西(愛媛)戦ではいきなり22奪三振というとてつもない記録を作った。これは、1925年の森田勇(東山中)他4人が達成した1試合最高奪三振記録19を実に87年ぶりに塗り替える快挙だ。準々決勝で光星学院に敗れたが、それでも通算奪三振は68の歴代3位。この上にはもはや斎藤佑樹(早稲田実、2006年)の78と板東英二(徳島商、1958年)の83しかない。もし桐光学院が決勝まで駒を進めていたら、1大会史上最多奪三振記録更新もあり得たかもしれないが、残念だった。改めて、野球人としての板東英二の偉大さを知った人も多かったのではないだろうか(今の若い人たちには、それ以前に、板東英二が野球選手だったことから教えなければならないのかも知れないが…)。

選手以外で印象深かったのは2人の監督である。ひとりは甲子園で38勝目を挙げ、あの蔦監督(池田)を抜いて歴代6位となった馬淵監督(明徳義塾)。もうひとりは28年の監督生活を終えユニホームを脱ぐ佐藤監督(新潟明訓)だ。馬淵監督は1990年に就任、1992年には松井秀喜(星稜)に対し、あの「全打席敬遠」を指示して様々な論議を呼んだ。不祥事で一度監督を退いた後復帰、就任から21年での38勝である。一方、佐藤監督は1984年の就任から一貫してチームを指揮してきた。特に馬淵監督にはいろいろ複雑な感情を抱く高校野球ファンもいると思うが、2人の名将に改めて敬意を表したい。

あまり触れたくなかったが、大会期間中、出場校のひとつである作新学院(栃木)の野球部員が強盗事件で逮捕されるという教育活動にふさわしくない事件もあった。高野連を含め、出場を辞退させるべきか議論の末、そのまま出場継続の方針がとられた。当ブログ管理人は、連帯責任の名の下に、真に責任を負うべき者が何度も逃げてきた日本の歴史的経緯から、何でもかんでも連帯責任にすることには反対だが、今後の大会のあり方は考えなければならないと思っている。

最後に、昨年の大会から導入された新しい運営のあり方は今年も続けられた。電力不足という社会的要請の中で、苦肉の策として導入された「午前中の決勝戦」だったが、結果的には選手・関係者の熱中症対策としても大きな意味を持つ試みだった。成功と評してよいと思う。

栄冠は君に輝く ~全国高等学校野球選手権大会の歌~


君よ八月に熱くなれ 高岡健二(「熱闘甲子園」の昔のテーマ曲)

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