人生チャレンジ20000km~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

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核のない未来を願って 松井英介遺稿・追悼集(緑風出版)

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こんなにおかしい!ニッポンの鉄道政策
私たちは根室線をなくしてはならないと考えます
国は今こそ貨物列車迂回対策を!

ローソン、原発事故避難者を採用へ

2015-05-08 23:02:52 | 原発問題/一般
東日本大震災の県外避難者を対象とした就労分野での生活再建支援を実施します(ローソンニュースリリース)

大手コンビニチェーンのローソンが原発事故の避難者を店舗などで雇用する「支援」に乗り出す。国の指示で避難した人の他、自主避難者も含む。避難先で仕事をすることも、帰還後の福島で仕事をすることも可能という。『多くの県外避難者は「帰還」するか「定住」するかの判断が困難な状況にあるため、安定した雇用の確保が難しく、生活再建を進めるうえでの障害となっています。…今回の取り組みを通じ、県外避難者の生活再建を支援してまいります』としている。

原発事故避難者に対し、大手企業がこうした取り組みをするのはおそらく初めてのことではないだろうか。実際、当ブログ管理人が多くの避難者と接し、声を聞いてきた限りでも、避難者(特に自主避難者)が避難先で最も苦労していることのひとつが「仕事」だった。「まじめに働きますからぜひ採用を」と避難者が面接でお願いしても、「どうせあなた方はすぐに福島に帰るんでしょ」と言われ、採用されないとの声を多くの避難者から聞いた。本人たちは覚悟をもって、あえて福島から遠い西日本に避難しているのに、どこの企業の面接でも「すぐに福島に帰る人は採用できない」と言われ、仕事が見つからないまま生活が困窮、やがて本当に福島に帰らざるを得なくなるという気の毒なケースすら、いくつも当ブログは見聞きしてきた。

原発事故から4年以上経った、今この時期になってこのような支援策が発表された背景には、こうした企業側の懸念がある程度時の経過とともに払拭されたことがあると思う。「4年間避難先で頑張ってきた人たちは、もう今さら福島には帰らないだろう」と企業側が考えられるようになった。実際、当ブログとも交流のある福島県内から札幌市への自主避難者の方で言えば、避難時に小学校4年生だった娘さんが来年は高校受験を迎える。「娘は北海道の高校に進学する予定であり、もう福島に帰るつもりはない」という。

4年というのはそれほど大きな時の流れなのだ。いつまでも避難者でいることはできず、避難先での定住か帰還かの決断をすべき時期に来ている。ローソンの支援策は、定住でも帰還でも支援するという点で、帰還一辺倒の国・県の硬直した政策よりも柔軟さを持っている。

これに加え、ここ数年来、運輸・サービス業を中心に続いている深刻な人手不足も背景にある。外食、運輸、販売など、従来から労働条件が悪く「ブラック産業」とされていた業界を中心に、人手不足は深刻化しており、東京都内では今、時給1000円でもこれら産業がアルバイトを集めることは困難になっている。人手不足は一時的現象ではなく、労働集約型産業を担ってきた若者が少子高齢化で減り続けるという長期的なトレンドは今後も加速こそすれ、緩和することは見込めない。人手不足にあえぐ販売業界と、切実に仕事を求める避難者の間で、ある意味では「利害が一致」した結果とも言えるだろう。

なお、このニュースについては、大型連休中の5月3日の段階で、朝日新聞が他メディアに先駆け報じている(参考記事)が、報道が朝日1社であったことから、ローソンのサイトで正式に発表されるまで当ブログでの論評は差し控えてきた。朝日新聞は、過去「女性国際戦犯法廷」をめぐる一連の報道や、いわゆる「吉田調書」問題に見られるように誤報も多い。あらかじめ描いたストーリーに合うように、先入観を持って取材をする記者が他社に比べて多いことがこうした誤報の背景にある。今後とも当ブログでは、できる限り複数の情報源による確認を行うよう努めていく(特に朝日、産経、福島民報は危険であり、情報源がこれらのうち1紙だけである場合は無理をせず、論評を見送ることもあり得る)。

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