安全問題研究会(旧・人生チャレンジ20000km)~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

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こんなにおかしい!ニッポンの鉄道政策
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【JR福知山線脱線事故16年】遺族の藤崎さんから久しぶりの電話

2021-04-25 23:12:49 | 鉄道・公共交通/安全問題
JR福知山線脱線事故から16年 遺族たちが犠牲者を追悼(NHK)

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107人が死亡したJR福知山線の脱線事故から25日で16年となりました。新型コロナウイルスの影響で、追悼慰霊式は2年連続で中止され、遺族たちはそれぞれの場所で祈りをささげました。

(中略)

●長女を亡くした藤崎光子さん

脱線事故で当時40歳だった長女を亡くした藤崎光子さん(81)は、自宅近くで取材に応じ「『年月が悲しみを癒やす』というのはうそだ。年月がたてばたつほどつらさは増し、悲しい思いの中で生きていくのが事故のあとの人生だ。今でも、娘の『なぜ私は殺されたの』という声が聞こえる。食事をしていても、『なぜ私はそこにいないの』という声が聞こえる。JR西日本には、安全な会社になってほしい。私のような遺族を生まないでほしい」と話していました。
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日曜日の昼、何気なく見ていたニュースが福知山線事故16年のニュースを報道しているのを見て、改めて、ああ、今日は「この日」だったな、と思い出す。新型コロナウィルスの感染拡大が続き、「○○祈念の日」などの節目の感覚も鈍くなっており、よくない傾向だと気を引き締め直す。

ニュースを見終わり、一息ついたところで電話がかかってきた。遺族の藤崎さんからだ。事故当日は現場を訪れ献花したり、講演活動に呼ばれたりするなど忙しい藤崎さん。事故が起きた4月25日の当日に電話がかかってくるのは初めてのことだ。新型コロナの影響で講演や追悼などの行事が中止になったせいだろう。

「午前中まで、マスコミの取材に応じていました。あなたのお連れ合いさんから写真立てをいただいたので、それに娘の写真を入れて取材に応じたんですよ」と言う。ちょうど、妻とその話をしていたところだった。夕方のNHKニュースで改めて福知山線事故16年のニュースが放映されたが、その際には写真立てに入れた娘さんの写真を持ってコメントする藤崎さんの姿が映し出された。

藤崎さんには、今後に役立ててもらえるよう、当ブログ管理人の共著「地域における鉄道の復権─持続可能な社会への展望」を1冊献本した。当ブログ管理人は、本文2節の他にコラムも1本、執筆を担当しており、「組織罰を実現する会」が取り組んでいる「組織罰」法制化運動と併せて藤崎さんを紹介している。鉄道や原発などで大事故が起きているのに、「大企業ほど責任と権限があちこちに分散しているため特定の個人には責任を負わせられず、かといって組織を裁く法律もないため法人も処罰できない」という理由で誰も責任を取らず、被害者だけが泣き寝入りしなければならない「後進国・日本」はいつまで続くのか。こういう無責任さが、今回の新型コロナでも「どうせ誰の責任も問われないのだから適当に“やってる感”だけ見せておけばいい」という惨劇につながっているのだ。想定される範囲できちんと安全対策を取らなかった経営者、政策責任者が刑事責任を問われる仕組みを作らないと、有事のたびに同じことが繰り返される。無責任の連鎖に終止符を打つため、当ブログも可能な限り藤崎さんに力添えをしていきたいと考えている。

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