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2023年 六ヶ所村ピースメッセージ

2023-08-18 23:07:08 | 原発問題/一般
青森県六ヶ所村の使用済み核燃料再処理施設に反対する行動として、1986年から始まった六カ所ピースサイクル行動。全国各地を自転車で回りながら核燃サイクル反対を訴える行動も今年で38年目に入った。

当ブログ管理人に、行動主催者からメッセージの依頼が来るようになったのは、福島原発事故が起きて以降だ。福島県で被災したという事情もあり、以降、毎年、六ヶ所ピースメッセージとして思いを伝えてきた。今年、当ブログ管理人が寄せたメッセージをご紹介する。

なお、(※)以降の部分は、青森県知事宛のメッセージのみに記載しています。

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六ヶ所ピースメッセージ

六ヶ所村村長 戸田 衛 様
日本原燃株式会社 社長 増田 尚宏 様
青森県知事 宮下 宗一郎 様

 福島第1原発事故から12年が経過しました。昨年6月には、最高裁で福島原発事故について、国の責任を認めない判決が言い渡されたのに続き、昨年7月には東京電力の株主代表訴訟で原発事故の賠償や処理に費やした13兆円余りを会社に返還するよう経営陣に命ずる判決も出ました。もしこの再処理施設で過酷事故が起きた場合、被害は福島第1原発事故をはるかにしのぐ規模になると予想されますが、福島第1原発事故同様、国が賠償負担を免れ、日本原燃と経営者だけが巨額の賠償責任を負う事態が起きかねません。そうなった場合、貴社、そして増田社長はそれだけの責任を負えるのでしょうか。

 福島第1原発事故をめぐって起きた問題は1つとして解決していません。福島に残った人、避難した人、帰還した人それぞれが今なお苦難の中にいます。そうした現状を顧みず、岸田政権は「エネルギー高騰」を理由に原発回帰に舵を切るだけでなく、原発による電力の安定供給を「国の責務」とする原子力基本法の「改正」まで行いました。しかし、原発は高コストで安定供給にもほど遠く、出力制御もできないなど柔軟性もありません。

 関西電力高浜、美浜、大飯の各原発では、使用済み核燃料の保管場所が一杯になるまで残り5~7年と逼迫しています。使用済み核燃料の中間貯蔵施設を福井県外に確保するとの約束を果たせず、搬出先もなくなれば原発を停止せざるを得ないため、関西電力は焦りを深め、六ヶ所村や山口県上関町を中間貯蔵施設にしようと、様々な動きに出てきています。高い放射線量を出す使用済み核燃料に行き場所はありません。

 私は、福島第1原発事故当時、福島県西郷村で事故を体験した者のひとりとして、関係者が、過去の遺物である原発から脱却し、再生エネルギーを基本とした新しい電力政策のビジョンを描くときであると考えます。使用済み核燃料や高レベル放射性廃棄物の処理方法や処分場所に関しては、事業者と自治体のみではなく、広く国民全体での議論を尽くした上で決めることを求めます。

 (※)青森県は、国及び日本原燃株式会社との間で、県内を使用済み核燃料の最終処分場にしないとの協定を結んでいるものと承知しています。六ヶ所村には新たな使用済み核燃料を受け入れる余裕はないはずです。青森県知事におかれましては、関西電力はじめ、他地域で発生する使用済み核燃料や、高レベル放射性廃棄物を受け入れないよう要請します。

 2023年8月18日

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