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日高町村会、日高本線のバス転換同意案を「多数決」で強行採決 浦河町は反対貫く JR日高線を守る会が声明を発表

2019-11-16 10:39:52 | 鉄道・公共交通/交通政策
11月12日、日高町村会は会合を開催、浦河町が反対する中、日高本線のバス転換同意案を「強行採決」した。鉄道のバス転換では、これまで沿線自治体協議会で全自治体の同意を得てから廃止届を提出する手続が曲がりなりにも行われてきた。今回の決定は、こうした過去の前例も覆す反民主主義的暴挙である。

JR日高線を守る会の声明をご紹介する。

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●町長会議は6対1で全線バス転換の方向打ち出す  
●守る会は鉄路守るたたかいを引き続き進めていきます

 11月12日、日高町村会の臨時町長会議が開催されました。『なぜ今、坂下町村会長は多数決をしてまで急ぎ日高線を廃止しバス転換するという方向に突き進もうとしているのか』JR日高線を守る会は坂下町村会長に公開質問状を提出して、多数決でバス転換・鉄路廃止を決めることのないよう要求してきました。

▼バス路線転換に絞るが、鉄路の廃止を容認したものではない
 この日、新ひだか町公民館には多くのテレビ・新聞の取材陣が集結し多数決決定の成り行きを注目しました。午後4時から行われた報道陣の囲み取材で坂下町村会長は次のように会議の結果を報告しました。
『最終的に多数決で決めることになった。その結果バス路線に転換が6町(日高町は一部復旧から全部バスに)、鉄路存続が浦河町1町となり、6対1の多数決でバス路線転換に絞った。しかし、鉄路の廃止を容認したものではない。バス路線についてそれぞれの町がJRと3月をめどに個別協議を行う。それぞれの町が結果的に(交渉が)ダメになる可能性も含まれている。バス路線を最終的に各町が合意できるように取り組んでいく』と坂下氏が説明。
〇バス路線に転換目指してJRとの協議を各町ごとに進めて合意をつくる。
〇しかし鉄路廃止容認ではない。
 この説明が記者団もわかりづらいと質問を繰り返していました。「廃止容認でない」としたのは、私たちJR日高線を守る会や、各地の全線復旧を要求するたたかいが影響を与えたものと思われます。全線復旧の主張を続ける池田町長のブレない姿勢の影響も大きかったでしょう。

▼JR=海岸復旧で廃線ありきの姿
 重大な問題が明らかになりました。記者から「バス転換の協議に入ったとき、護岸の復旧はどうするのか」と質問されて、JRの綿貫常務取締役は「護岸については道と一緒に色んな調査をしている。工法や、どういう範囲でできるのか話し合って進めていきたい」と述べたことです。JRは災害復旧で国の制度を使って直ちに工事すべきだったのに一切やらず、バス転換の方向が見えたら「進めていきたい」と言うなど、その廃線ありきの無責任な姿勢が浮き彫りになりました。

▼密室協議変える気なし
 また、記者から「町村会の議事録を公開しないのか」という質問に、「会議中罵声をあびている町長もいて面白おかしく書かれても困る」「議事録が公開されて、自由に発言できなくなると困る」など、民主主義とは異質な、会議の水準も地方自治の理解も疑われる説明に終わっていました。

▼バス転換協議はJRと道、国の責任を帳消しにする
 日高線の維持困難路線の問題は、「地方の問題」ではなく、JR北海道の経営危機の問題であり国の政策の失敗によるものです。国の政策の失敗は、国が責任を取るべきであり、地方の路線を廃止して「解決したことにする」べきものではありません。人口減少や不採算を理由にすれば、広大な北海道で公共インフラは何も維持できないことになり、地方住民の生活は成り立たなくなります。今回のバス転換協議はJRの護岸復旧工事一切やらなかった責任も道の海岸国土保全義務の責任も帳消しにする効果があります。

▼JR日高線を守る会の存在は増々重く
 温室効果ガスの排出削減対策で注目される鉄道、高齢者の運転免許証を自主返納で必要とされる鉄道、インバウンド増大に絶大な力を発揮する鉄道。今こそ鉄道の優位性を直視すべきです。何よりも鉄路を廃止した地域の衰退は確実で、そうなればバス事業者もやがては撤退縮小していきます。
 JR日高線を守る会は全道全国の仲間とともに、鉄路を守り抜くたたかいに引き続き力を注ぎます。

2019年11月13日
JR日高線を守る会
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