曇りがちな冬の一日に、今日も来てくれるでしょうか
小さな賓客、昨日は満開の侘助椿に「メジロ」です。
網戸越しで1枚、ドアを開ける音で飛び去りました。
画像処理あり
11月10日に訪れたMOA美術館、今年二月にリニューアルされ
「千宗屋キュレーション 茶の湯の美ーコレクション選」展
が開催中、素晴らしい展示品の数々にうっとり。
前回お茶碗を紹介済みですので、書画から説明文とともに。
1.蓮に鶺鴒・葦に翡翠 伝牧谿、南宋12-13世紀(既述)
5.鷺図 梁楷 南宋時代13世紀
鷺図
11.石菖図 子庭祖柏 元時代14世紀
子庭祖柏は元時代後半期に活躍した禅画僧で、石菖は子庭祖柏
にすぎるものはないといわれた。剣のように鋭く立つ石菖の葉
の切れるような強い筆法には、ほとばしり出る画家の気概が
感じられる。
石菖図
15.山水図 相阿弥 室町時代16世紀
相阿弥は、画人として活躍するほか、室町将軍の同胞衆として
幕府の秘庫を管理し、書院飾りの格式を定めた。本図は小画面
ながら、近景の土坡、樹木と泊船、中景の対岸、遠景の遠山へ
展開する巧みな構図である。
山水図
18.千利休書状 桃山時代16世紀
歳暮の祝儀として、加賀藩の小袖拝領、忝く、御懇の段、
浅からず候。・・・ ・・・ 恐惶謹言
料足二束半に遣わされ候。忝く候
十二(月)晦日 (宋)易(花押)
千利休書状
21.本阿弥切 伝小野道風 平安時代12世紀初期
『古今和歌集』巻第十の断簡で、もとは巻子本。本阿弥光悦が
愛蔵したことに因んで名がある。料紙は唐紙で、藍地に雲鶴の
型文様を雲母で摺り出している。字粒が極めて小さく平安時代
の名筆中でも類例が少ないが、筆勢は力強い。
本阿弥切
24.鹿下絵新古今集和歌巻断簡 本阿弥光悦 俵屋宗達下絵
鹿の群像を俵屋宗達が金銀泥で描いた料紙に、本阿弥光悦
が『新古今集和歌集』の和歌28首を選んで書いた
「鹿下絵和歌巻」の断簡である。もとは一巻の巻子本で、
第二次大戦後二巻と数幅に分割された。
秋かせの いたりいたらぬ 袖は あらし
唯我からの 露の ゆうくれ (鴨 長明)
鹿下絵新古今集和歌巻断簡
30.叭々鳥図(ははちょうず)狩野探幽 江戸時代17世紀
叭々鳥図
34.宗峰妙超墨跡 秋風偈 鎌倉時代14世紀
宗峰妙超(大燈国師)は、京都紫野に大徳寺を開き、花園、
後醍醐両天皇の帰依を受けた。この書は南宋の禅僧、
虚堂智愚の法語『虚堂録』の一節で、秋の気配とともに修業
に向う雲水達に刻苦勉励を述べたものである。
宗峰妙超墨跡
53.一休宗純墨跡 虚堂普説語 室町時代15世紀
この墨跡は、虚堂智愚(1185-1269)が大衆に説示した法語
を大徳寺46世、一休宗純が書写したものである。一休は
南宋の禅僧、虚堂智愚を法派の祖として崇拝し、一休の
書いた墨跡の多くは虚堂の語からとられている。
一休宗純墨跡
58.千利休書状 滝川雄利宛 熱海入湯の文 桃山16世紀
千利休(1522-1591)は、天賞18年(1590)に秀吉の小田原
攻めにも随行した。この書状は羽柴下総介へ宛てたもので、
贈物への謝礼とともに古田織部を同道して熱海へ湯治した
ことを伝えている。
すし桶五箇贈り給えるの由申し候。過分に存じ候。・・・
千利休書状
61.墨跡「帰雲」二大字 無準師範 南宋13世紀 重文
無準師範(ぶしゅん)は、南宋禅林の巨匠で、その門下には
日本より留学し東福寺を開いた円爾弁円(聖一国師)もいる
これは東福寺に伝存する円爾に送られた無準の書で、
堂額に用いる原本である。
墨跡「帰雲」
66.寸松庵色紙 伝紀貫之 平安時代11世紀後期
『古今和歌集』の四季の歌を書写したもので、もとは
冊子本。運筆は自在で抑揚の変化に富み、優雅で格調高い。
切名は寸松庵茶室を建てた佐久間真勝(1570-1642)が
所蔵していたことによる。
寸松庵色紙
福禄寿図 等歳 寄庵 賛 室町時代16世紀
福禄寿像は、吉祥の像として、また寿星の化身として、室町
時代から水墨画に多く描かれている。本図の筆者「等歳」は
雪舟の弟子で、師の画風をよく受け継いだが草と言われ、
略筆の描写は所伝にふさわしい筆力を示している。
福禄寿図
75.一行書 一代成風流客 千宗旦 江戸時代17世紀
一行書
79.古林清茂墨跡 送別偈 元時代1321年 重文
古林清茂は、中国元時代の禅僧の第一人者。力強い書風は
墨跡中の白眉として珍重されている。この僧別の偈は、
日本の留学僧・天然興運の優れた器量を認め、請いに応じて
書き与えたものと考えられている。
海国の禅人道韻高し。
遠く湖寺に来る豈に徒に労せんや。・・・
古林清茂墨跡
83.風炉釜画賛 松平不昧 江戸時代18-19世紀
松平不昧(1751-1818)は出雲松江藩主で、遠州以後の名物
茶器を合わせて大コレクションをつくり『雲州蔵帳』に
まとめた。この画賛は、画面中央右に風炉釜と羽箒を描き
自作の一首を添えている。
茶湯とはたゝゆを
わかし茶を立て
のむばかりなるもとを
しるべし
風炉釜画賛
もう少し時間があればゆっくりと鑑賞できたのですが
もう一度写真を見て整理したことで勉強になりました。
小さな賓客、昨日は満開の侘助椿に「メジロ」です。
網戸越しで1枚、ドアを開ける音で飛び去りました。
画像処理あり
11月10日に訪れたMOA美術館、今年二月にリニューアルされ
「千宗屋キュレーション 茶の湯の美ーコレクション選」展
が開催中、素晴らしい展示品の数々にうっとり。
前回お茶碗を紹介済みですので、書画から説明文とともに。
1.蓮に鶺鴒・葦に翡翠 伝牧谿、南宋12-13世紀(既述)
5.鷺図 梁楷 南宋時代13世紀
鷺図
11.石菖図 子庭祖柏 元時代14世紀
子庭祖柏は元時代後半期に活躍した禅画僧で、石菖は子庭祖柏
にすぎるものはないといわれた。剣のように鋭く立つ石菖の葉
の切れるような強い筆法には、ほとばしり出る画家の気概が
感じられる。
石菖図
15.山水図 相阿弥 室町時代16世紀
相阿弥は、画人として活躍するほか、室町将軍の同胞衆として
幕府の秘庫を管理し、書院飾りの格式を定めた。本図は小画面
ながら、近景の土坡、樹木と泊船、中景の対岸、遠景の遠山へ
展開する巧みな構図である。
山水図
18.千利休書状 桃山時代16世紀
歳暮の祝儀として、加賀藩の小袖拝領、忝く、御懇の段、
浅からず候。・・・ ・・・ 恐惶謹言
料足二束半に遣わされ候。忝く候
十二(月)晦日 (宋)易(花押)
千利休書状
21.本阿弥切 伝小野道風 平安時代12世紀初期
『古今和歌集』巻第十の断簡で、もとは巻子本。本阿弥光悦が
愛蔵したことに因んで名がある。料紙は唐紙で、藍地に雲鶴の
型文様を雲母で摺り出している。字粒が極めて小さく平安時代
の名筆中でも類例が少ないが、筆勢は力強い。
本阿弥切
24.鹿下絵新古今集和歌巻断簡 本阿弥光悦 俵屋宗達下絵
鹿の群像を俵屋宗達が金銀泥で描いた料紙に、本阿弥光悦
が『新古今集和歌集』の和歌28首を選んで書いた
「鹿下絵和歌巻」の断簡である。もとは一巻の巻子本で、
第二次大戦後二巻と数幅に分割された。
秋かせの いたりいたらぬ 袖は あらし
唯我からの 露の ゆうくれ (鴨 長明)
鹿下絵新古今集和歌巻断簡
30.叭々鳥図(ははちょうず)狩野探幽 江戸時代17世紀
叭々鳥図
34.宗峰妙超墨跡 秋風偈 鎌倉時代14世紀
宗峰妙超(大燈国師)は、京都紫野に大徳寺を開き、花園、
後醍醐両天皇の帰依を受けた。この書は南宋の禅僧、
虚堂智愚の法語『虚堂録』の一節で、秋の気配とともに修業
に向う雲水達に刻苦勉励を述べたものである。
宗峰妙超墨跡
53.一休宗純墨跡 虚堂普説語 室町時代15世紀
この墨跡は、虚堂智愚(1185-1269)が大衆に説示した法語
を大徳寺46世、一休宗純が書写したものである。一休は
南宋の禅僧、虚堂智愚を法派の祖として崇拝し、一休の
書いた墨跡の多くは虚堂の語からとられている。
一休宗純墨跡
58.千利休書状 滝川雄利宛 熱海入湯の文 桃山16世紀
千利休(1522-1591)は、天賞18年(1590)に秀吉の小田原
攻めにも随行した。この書状は羽柴下総介へ宛てたもので、
贈物への謝礼とともに古田織部を同道して熱海へ湯治した
ことを伝えている。
すし桶五箇贈り給えるの由申し候。過分に存じ候。・・・
千利休書状
61.墨跡「帰雲」二大字 無準師範 南宋13世紀 重文
無準師範(ぶしゅん)は、南宋禅林の巨匠で、その門下には
日本より留学し東福寺を開いた円爾弁円(聖一国師)もいる
これは東福寺に伝存する円爾に送られた無準の書で、
堂額に用いる原本である。
墨跡「帰雲」
66.寸松庵色紙 伝紀貫之 平安時代11世紀後期
『古今和歌集』の四季の歌を書写したもので、もとは
冊子本。運筆は自在で抑揚の変化に富み、優雅で格調高い。
切名は寸松庵茶室を建てた佐久間真勝(1570-1642)が
所蔵していたことによる。
寸松庵色紙
福禄寿図 等歳 寄庵 賛 室町時代16世紀
福禄寿像は、吉祥の像として、また寿星の化身として、室町
時代から水墨画に多く描かれている。本図の筆者「等歳」は
雪舟の弟子で、師の画風をよく受け継いだが草と言われ、
略筆の描写は所伝にふさわしい筆力を示している。
福禄寿図
75.一行書 一代成風流客 千宗旦 江戸時代17世紀
一行書
79.古林清茂墨跡 送別偈 元時代1321年 重文
古林清茂は、中国元時代の禅僧の第一人者。力強い書風は
墨跡中の白眉として珍重されている。この僧別の偈は、
日本の留学僧・天然興運の優れた器量を認め、請いに応じて
書き与えたものと考えられている。
海国の禅人道韻高し。
遠く湖寺に来る豈に徒に労せんや。・・・
古林清茂墨跡
83.風炉釜画賛 松平不昧 江戸時代18-19世紀
松平不昧(1751-1818)は出雲松江藩主で、遠州以後の名物
茶器を合わせて大コレクションをつくり『雲州蔵帳』に
まとめた。この画賛は、画面中央右に風炉釜と羽箒を描き
自作の一首を添えている。
茶湯とはたゝゆを
わかし茶を立て
のむばかりなるもとを
しるべし
風炉釜画賛
もう少し時間があればゆっくりと鑑賞できたのですが
もう一度写真を見て整理したことで勉強になりました。