学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

久し振りの読書三昧

2007-06-05 21:47:56 | Weblog
朝起きると、どうも鼻が痛い。
風邪の前兆でしょうか?

今日は休みだったので、家でのんびり本を読んでいました。
『土佐日記』
 紀貫之作でおなじみですよね。
 土佐(高知県)から京へ向かう旅日記なわけですが、
 時化や物忌み、海賊の恐怖などがあって、一ヶ月以上
 要することになります。
 今は随分便利な時代になったのだな、と改めて感じます。
 美しい景観は失ったけれど・・・。
『山椒魚・遥拝隊長 他七篇』
 井伏鱒二の作です。
 岩屋から逃れられなくなった山椒魚にかわいそうになったり、
 夜中に突然血だらけの男が現れたり、校則違反で生徒が
 連れて行かれたり・・・真面目な文章に、独特のユーモアが加えられて、
 とても楽しめました。
『思い出す事など 他七篇』
 文豪夏目漱石です。吐血し、九死に一生を得た漱石が、
 病をきっかけに自分自身と向き合った随筆集。
 吐血の様子が生々しい・・・。でも漱石の文章は、ことの重大さを
 感じさせず、むしろ他人事のように書いています。
 『吾輩は猫である』や『坊っちゃん』などとはむろん違って、
 どことなく寂しさを感じさせます。

久し振りに読書が楽しめた一日でした。