学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

『川釣り』を読む

2007-06-09 21:15:58 | Weblog
近頃、井伏鱒二に夢中になって、
彼の著作ばかり読んでいます。

『川釣り』は、井伏鱒二が「川釣り」について
書いた随筆集。
井伏は大変釣りが好きであったらしく(海釣りは
好まなかったよう)、釣りを通して出会った人々や
出来事が、生き生きと描かれています。

親友太宰治と旅館へ泊まり、洪水で死にかけた話、
テグスを忘れた青年2人にからまれて、頭の毛を抜かれた話
などなど、とても読みやすくて楽しめる短篇が凝縮されています。

私は、といいますと、父親の影響で子供のときには
海釣りをよくしたものですが、ここ数年はまったくしていません。
(釣った魚は天ぷらにして食べましたが、料理をする母は
 生臭さが部屋にこもるので、あまりいい顔をしませんでしたね)
殊、川釣りにいたっては近くに川がなかったせいもあって、
一度もしたことがないのです。

川釣りはやりませんが、その魅力は井伏小説で充分に堪能できました。