学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

岐阜 2

2007-06-16 20:06:54 | Weblog
多治見での仕事は無事に終わる。
再び多治見駅へ戻ると、
大勢の高校生で占められていた。
男は長袖を肘までまくって、額から汗を流し、
女はハンカチを団扇の代わりに扇いでいる。
それほど、この日は暑かった。

名古屋から岐阜へ電車を乗り換えて、
宿泊先のホテルを目指す。

電車が岐阜市付近まで差し掛かると、車内から岐阜城が見えた。
新緑の山と同化していて、目を凝らさないと気が付かない。
遠くから臨む岐阜城は、意外に小さくて、なんだか模型のように
見えなくもなかった。

ホテルで荷物を降ろすと、時は既に7時。
夜の岐阜を散歩しようと思ったが、日中のけだるい暑さと
出張での気疲れがたまっていて、近くで食事をすることにした。

私は店で焼酎を飲んだ。
少し舌にひりりと刺激がある。
刺激がなくては、お酒を飲んだ気がしない。
全くこまった性分だ。

酔いもまわり、私がカウンター席にいたこともあって、
マスターと私は他愛もない会話をした。
「岐阜は、すぐそばに名古屋があるから、
 みんなそっちへ行ってしまって、すっかり
 廃れてしまったのですよ。」
どこの街も同じだと思った。

ホテルに戻り、ベッドであおむけになって、
目をつぶっていると、マスターの言葉が
ずっと頭の中で連続して聞こえてくる。
「廃れてしまったのですよ。」

私はいつの間にか寝入ってしまった。