語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【本】美術品見て歩き ~『美しきものを見し人は』~

2015年12月27日 | エッセイ
 ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」は、絵画を好む人はもとより、さほど好まない人にも比較的よく知られている。
 初めて見た人は、何か妙だなと感じるだろう。そして、これが例の謎の微笑の効果というものか、と独り納得するかもしれない。「モナ・リザ」のモデルはフランカヴィラ公爵夫人コンスタンス・ダヴァロスらしい、といった雑学を得て、それでわかった気になったりする。

 とある夏、ルーブル美術館を訪れた。
 絵画部のほぼ中央にその絵がかかっている。
 いつでも人だかりがしているらしいが、この時にも見物客が群がっていた。そのなかに青い目のきれいなお嬢さんがいた。こちらの立ち位置からすると、「モナ・リザ」から左に30度視線を動かせば、そのお嬢さんの貌が目に入る。わざと見比べたわけではないが、結果として見比べて・・・・愕然とした。「モナ・リザ」には眉毛がないのだ。

 堀田善衞も10回ほどルーブル美術館に通ったうちの3回目か4回目にようやく気づいたとか。
 なぜ眉毛がないのか不明だが、ダ・ヴィンチの描くマリアや天使はいずれも眉毛がうすい。人間につきものの眉毛が定かならぬとは、実に妙な話だが、試しに写真の「モナ・リザ」に眉毛を書きこんでみると、印象がガラリと変わってくる。

 ところで、堀田善衞は奇妙な試みをおこなっている。
 横山隆一は「モナ・リザ」モンタージュ説をとなえているが、これを実験したのかどうか、ともかく絵を3分割して、紙きれで上部3分の1、顔と背後の風景を覆い隠す。次いで、下部3分の1、腕と手、指の部分を覆い隠す。残りのトルソ、豊かな胸と青黒い着衣に隠された部分だけをつくづく眺めて見ると、母親とはかかるものかと、真に豊かにやすらいだ心持ちになるとか。

 本書は、こうした美術漫談が満載されている。堀田善衞独特の、明晰で、しかも悠然たる語り口がじつに楽しい。

□堀田善衞『美しきものを見し人は』(新潮社、1969/のちに新潮文庫、1983/のちに朝日選書、1995)
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【本】感情は客観的で知性は主観的という逆説 ~『アルジャーノンに花束を』~

2015年12月27日 | ミステリー・SF
 『アルジャーノンに花束を』は、まず中編小説(1959年)として世に送られ、ヒューゴー賞を受賞した。ついで、書きあらためられた長編小説(1966年)に、ネビュラ賞が与えられた。
 世界各国の老若男女多数から支持された、SFの傑作である。

 本書の主題は、日本語版文庫への序文に明らかである。
 すなわち、知識/教養は「人と人との間に楔を打ちこむ(障壁を築く)可能性がある」から、学校や家庭で「共感する心というものを教えるべきだ」
 愛情を欠いた知能は、精神的道徳的な崩壊をもたらし、神経症ないしは精神病すらひきおこす、と主人公は小説の中でいっている。人間関係を排除する心は、暴力と苦痛にしかつながらない、と。

 主人公、チャーリー・ゴードン(32歳)は、知的障害者【注】である。全編の言動から推定するに、発達遅滞の程度は、「裸の大将」で知られる画家、山下清よりもやや重い。
 亡伯父の親友の保護下で、パン屋で働いていた。地域の子どもからからかわれ、同僚からあなどられつつも、その正直、暖かさ、率直、思いやりを愛する「ともだち」がいた。

 ビークマン大学がチャーリーを被験者として選び、かしこくなる手術をする。
 効果は驚異的だった。急速に知能が伸び、術後1か月で大学生と対等に会話をかわすにいたる。
 だが、よいことばかりではない。善悪の識別が可能になったため、あらたに葛藤が発生したのである。
 チャーリーは、同僚が店の金をくすねる現場を見つけた。不正を糺して「ともだち」を失うか、知らぬふりをしてよき保護者の損害を見過ごすか。ばかにしていた男のめざましい知的成長に、同僚たちはいらだち、敵意をつのらせる。
 チャーリーは馘首された。

 知能はどんどん高まり、天才の域に達する。多数の言語、数学、物理学、経済学、地質学、ありとあらゆる知識を吸収していく。
 術後3か月たった。自身の症例が報告される学会にチャーリーも参加した。ここで学者たちの無知、無能を知り、チャーリーは愕然とする。
 学者たちは、居心地が悪くなった。天才となったチャーリーの学者たちに対する関係は、学者たちの知的障害者に対する関係と同じなのだから。

 学者たちは、チャーリーを単なる実験の対象としか見ていなかった。天才である今の自分も知的障害者であった頃の自分も人間であることはかわりがないのに、学者たちが注目するのは今の自分だけである。
 不満を抱いたチャーリーは、学会から逃げ出す。
 彼の手術に先立って被験体となったねずみ、アルジャーノンとともに。

 チャーリーは孤独だった。
 恋人はいた。チャーリーに暖かな目をむける教師アリス・キニアンがそれだが、知能の高まりにつれて、アリスはついていけなくなった。
 チャーリーの知識を求める心が、アリスの愛情を排除してしまうのだ。
 知的な自由をもちながら人々と感情を分かちあえる方法を、チャーリーは見つけることができない。

-------(以下、ネタばれを回避したい方はとばしてご覧ください)-------
 アルジャーノンがおかしな行動をとるようになってきた。
 チャーリーは、ある予感を抱いて、研究に没頭する。「人為的に誘発された知能は、その増大量に比例する速度で低下する」という結論がでた。
 戦慄。
 アルジャーノンは死んだ。
 術後7か月め、チャーリーの退行がはじまった。
 やがて、すっかり元の知的障害者にもどったチャーリーは、手記の末尾に記す。「ついしん。どーかついでがあったらうらにわのアルジャーノンのおはかに花束をそなえてやてください」

 この追伸、涙なくして読めない、と或る友人は漏らした。
 同感する人は少なくあるまい。
-------(以上、ネタばれを回避したい方はとばしてご覧ください)-------

 このSFは、読者にさまざまの考察を強いる。
 たとえば、知性と感情との関係について。感情は客観的であり知性は主観的である、と三木清は通念に逆らって独特の見解を示したが、本書を念頭におくとわかりやすい。三木のいう「客観的」とは、多数に分かりやすい、というほどの意味である。そして、「主観的」とは、多数に理解されにくく孤独な立場に身をおく、といった意味だ。
 あるいは、超高齢社会の今日的な疾患、軽度認知障害(MCI、Mild Cognitive Impairment)について。認知症ほど知られていないが、知的障害は発達期(おおむね18歳まで)に生じるのに対し、軽度認知障害は成人に生じる。また、知的障害は知的能力の獲得に遅れがあるのに対し、軽度認知障害はひとたび獲得した知的能力が減少する。こうした相違があるものの、両者の感情面は損なわれない。むしろ、敏感でさえある。この点に注目すれば、本書、チャーリーの一代記は、児童のキュアまたはケアに関わる人にも、高齢者のキュアまたはケアに関わる人にも(当事者にも)、多くの示唆をあたえてくれる。

【注】
 「知的障害」は、医学的にいえば精神遅滞で、日本にしかない行政用語。従前の用語、「精神薄弱」は差別感を助長するという理由で、1999年施行の「精神薄弱の用語の整理のための関係法律の一部を改正する法律」に基づき、関係法令が一斉に改正された。

□ダニエル・キイス(小尾芙佐訳)『アルジャーノンに花束を』(ハヤカワ文庫、1999)
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【本】酒席の話題にもってこいの小咄が満載 ~『魔女の1ダース』~

2015年12月27日 | エッセイ
 本書には、「正義と常識に冷や水を浴びせる13章」という副題がつく。
 プロローグによれば、旧ソ連にも『悪魔の辞典』があって、『悪魔と魔女の辞典』がそれ。たとえば、

   希望-絶望を味わうための必需品

   思いやり-弱者に対しては示さず、強者に対して示す恭順の印

のごとく、「まっとうな」世界におけるプラス・イメージの言葉がマイナス・イメージに、マイナス・イメージの言葉がプラス・イメージに逆転する定義が列挙されている。
 本書は、米原万里版『悪魔と魔女の辞典』である。辞典ほど簡潔でないが、その分実例が豊富で詳しい。酒席の話題にもってこいである。
 実例の多くは、ロシア語通訳者としての豊富な体験から拾いだされる。その体験を抽象化すると、相対主義に行きつく。相対主義を徹底すると、一方では辛辣な毒舌に至り、他方ではからりと乾いた笑い、しばしば哄笑に至る。
 ここでは、哄笑までいたらない、どちらかというとしのび笑いの例を紹介をしておく。

 ベトナム民族歌舞団が来日したときのこと。招聘元の興行会社から派遣された20代のS君、妙齢にしてとびきりの美女30人に毎日随行してウキウキ。そのうち身ぶり手ぶりに飽きたらなくなって、同行の通訳氏からベトナム語をおそわり、片言の会話をかわすようになった。
 ベトナム語には類冠詞というものがあって、たとえば樹木をあらわす名詞にはその手前に必ず樹木をあらわす冠詞「カイ」をつける。柳リュウには「カイ・リュウ」のように。
 ところで、雀はセエ、鶯はワイン、鳩はポコ、鳥類の冠詞は「チム」である。
 ふむふむ、とうなずきながらS君は健気にメモをとった。
 京都を訪れた歌舞団一行は、休演日に市内観光をした。季節は光ざわめき緑ささやく麗しき5月。ちょうど平安神宮の広場に到着したアオザイの色も華やかな集団をめがけて鳩が舞い降りてきた。S君、ここぞとばかり走り寄って叫んだ。「チム・ポコ、チム・ポコ」
 美女たち、嬉しそうに応じて歓声をあげ、唱和するのであった。「チム・ポコ、チム・ポコ、チム・ポコ・・・・」

 シモネタはいかなる言語においても豊富で、しかも短い(音節数が少ない)。よって、異なる言語間において音韻的一致や類似がたまたま生じる確率が高い、うんぬんと著者はマジメに考察するのである。
 単行本は1996年読売新聞社刊。講談社エッセイ賞受賞作品。

□米原万里『魔女の1ダース -正義と常識に冷や水を浴びせる13章-』(新潮文庫、2000)
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【古賀茂明】玉虫色の民主・維新政策合意 ~平和主義も放棄?~

2015年12月27日 | 社会
 (1)12月7日、民主党と維新の党とが2016年1月の通常国会から統一会派を結成することで合意した。
 松野頼久・維新の党代表や前原誠司・民主党元代表、細野豪志・民主党政調会長は、両党が解党して新党を結成することを目指していた。
 しかし、今回の合意では、新党結成する話はまとまらなかった。合意文書にあるのは、「両党の結集も視野に・・・・信頼関係を高める」。その先は、全くの白紙だ。
 
 (2)同時にまとまった「基本的政策合意(案)」も、民主党のタカ派と左派・リベラル派・組合派に配慮した何でもありの玉虫色だ。
  (a)安保体制・・・・野党共闘の最大の焦点だが、「憲法違反など問題のある部分をすべて白紙化する」と書いてあるが、完全廃案にはしないことだけが分かるのみで、どこがどう違憲なのかは全く書いていない。ほとんど合憲だから、ちょっとした微修正だけ、とも読める。
  (b)憲法・・・・「地方自治など時代の変化に対応した必要な条文の改正を目指す」として、憲法「改正」を明記した。9条改正も「時代の変化に対応した」ものだと言えばできる。この点を民主党タカ派は高く評価するが、維新ハト派からは「ひどい」という声が上がる。
  (c)環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)・・・・国民の関心が高いが、TPPの3文字は見当たらない。替わりに「経済連携協定」という一般名詞にして、TPP以外のものも含めて是々非々で行くと書いてある。逆に言えば、TPP賛成もある、ということをうまく隠した書き方だ。
  (d)原発・・・・①2030年まで動かせることを明記した。しかも、②再稼働は「国の責任」とすることで、結果的に原発運営に国が積極的に関与し、税金を投入する余地が与えられ、原発停止への積極的な姿勢は感じられない。③核のゴミ対策も、最終処分場選定プロセスを「開始」するという記述にとどまり、具体性がない。民主党が電力総連、電機メーカー、機械メーカーなどの基幹労連の歓心を買うための書きぶりだ。
  (e)公務員改革・・・・維新の党の最重要政策だが、人件費2割削減をほぼ放棄した。スト権などの労働基本権回復まではお手盛り基幹の「人事院勧告制度を尊重する」、つまり人事院に賃上げ勧告をさせて、毎年の賃上げを確保すると書いた。しかも、人件費削減は、「職員団体等との協議と合意を前提」と書くことで、組合が反対すれば削減できなくなった。つまり、削減目標の実質的な放棄だ。
  (f)消費税増税・・・・事実上何もしないまま認める道を開く書き方になっている。

 (3)これでは、両党が合意できても、改革はできない上に平和主義も放棄しかねない。とんでもない政党ができるだけだ。おおさか維新とあまり変わらない政策だ。
 今必要なのは、真の意味での改革ができて、しかも平和主義を守ってくれる政党だ。
 心ある人たちが民主党と維新の党を離党し、新党をつくったらどうか。その上で共産党とも選挙協力をする。それくらいしなければ、国民の支持は得られまい。

□古賀茂明「玉虫色の民主・維新政策合意 ~官々愕々第182回~」(「週刊現代」2016年1月2・6日新春大合併号)
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 【参考】
【古賀茂明】シリア空爆の裏にある真実 ~軍需産業の大儲け~
【古賀茂明】橋下市長の去就で、憲法改正が現実味?
【古賀茂明】空虚な「日本再興戦略」 ~成長戦略の挫折~
【古賀茂明】「なかったこと」にされた議事録 ~閣議決定の記録~
【古賀茂明】【原発】大手電力のエゴ丸出し
【古賀茂明】勝っても負けても安倍自民には得 ~大阪ダブル選
【古賀茂明】問題だらけの軽減税率 ~最悪の方向へ~
【古賀茂明】【原発】骨抜きの「ノーリターンルール」
【古賀茂明】アベノミクス「第二ステージ」 ~失敗を隠す官僚の常套手段~
【古賀茂明】難民と安倍とメルケルと ~ドイツと差がつく日本~
【古賀茂明】安保法成立の最大の戦犯
【古賀茂明】軽減税率、本当の問題 ~官々愕々第170回~
【古賀茂明】国民のために働く官僚の左遷 ~読売新聞の問答無用~
【古賀茂明】安倍首相の「積極的軍事主義」が根付くとき
【古賀茂明】電力自由化は進んでいない
【古賀茂明】【TPP】の漂流と「困った人たち」
【古賀茂明】安保法案の裏で利権拡大 ~原子力ムラ~
【古賀茂明】東芝の粉飾問題 ~「報道の粉飾」~
【古賀茂明】「反安倍」の起爆剤 ~若者たちの「反安倍」運動~
【古賀茂明】維新の党の深謀遠慮 ~風が吹けば橋下市長が儲かる~
【古賀茂明】腐った農政 ~画餅に帰しつつある「日本再興」~
【古賀茂明】読売新聞の大チョンボ ~違法訪問勧誘~
【古賀茂明】「信念」を問われる政治家 ~違憲な安保法制~
【古賀茂明】機能不全の3点セット ~戦争法案を止めるには~
【古賀茂明】維新が復活する日
【古賀茂明】戦争法案審議の傲慢と欺瞞 ~官僚のレトリック~
【古賀茂明】「再エネ」産業が終わる日 ~電源構成の政府案~
【古賀茂明】「増税先送り」「賃金増」のまやかし ~報道をどうチェックするか~
【古賀茂明】週末や平日夜間に開催 ~地方議会の改革~
【古賀茂明】原発再稼働も上からの目線で「粛々と」 ~菅官房長官~
【古賀茂明】テレビコメンテーターの種類 ~テレ朝問題(7)~
【報道】古賀氏ら降板の裏に新事実 ~テレ朝問題(6)~
【古賀茂明】役立たずの「情報監視審査会」 ~国民は知らぬがホトケ~
【報道】ジャーナリズムの役目と現状 ~テレ朝問題(5)~
【古賀茂明】氏を視聴者の7割が支持 ~テレ朝問題(4)~
【古賀茂明】氏、何があったかを全部話す ~テレ朝「報ステ」問題(3)~
【古賀茂明】氏に係る官邸の圧力 ~テレ朝「報道ステーション」(2)~
【古賀茂明】氏に対するバッシング ~テレ朝「報道ステーション」問題~
【古賀茂明】これが「美しい国」なのか ~安倍政権がめざすカジノ大国~
【古賀茂明】原発廃炉と新増設とはセット ~「重要なベースロード電源」論~
【古賀茂明】改革逆行国会 ~安倍政権の官僚優遇~
【古賀茂明】安部総理の「大嘘」の大罪 ~汚染水~
【古賀茂明】「政治とカネ」を監視するシステム ~マイナンバーの使い方~
【古賀茂明】南アとアパルトヘイト ~曽野綾子と産経新聞~
【古賀茂明】報道自粛に抗する声明
【古賀茂明】「戦争実現国会」への動き
【古賀茂明】日本人を見捨てた安倍首相 ~二つのウソ~
【古賀茂明】盗人猛々しい安倍政権とテレビ局
【古賀茂明】安倍政権が露骨な沖縄バッシングを行っている
【古賀茂明】官僚の暴走 ~経産省と防衛省~
【古賀茂明】安倍政権が、官僚主導によって再び動き出す
【古賀茂明】自民党の圧力文書 ~表現の自由を侵害~
【古賀茂明】自民党が犯した最大の罪 ~自民党若手政治家による自己批判~
【古賀茂明】解散と安倍政権の暴走 ~傾向と対策~
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【古賀茂明】文書通信交通滞在費と維新の法案
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【古賀茂明】イスラム国との戦争 ~集団的自衛権~
【古賀茂明】「地方創生」は地方衰退への近道 ~虚構のアベノミクス~
【古賀茂明】【原発】原子力ムラの最終兵器
【古賀茂明】【原発】凍らない凍土壁に税金を投入し続けたわけ
【古賀茂明】【原発】勝俣恒久・元東電会長らの起訴 ~検察審査会~
【古賀茂明】安倍政権の武器輸出 ~時代遅れの「正義の味方」~
【古賀茂明】またも折れそうな第三の矢 ~医薬品ネット販売解禁の大嘘~
【古賀茂明】「1年後の夏」に向けた布石 ~集団的自衛権~
【古賀茂明】法人減税で浮き彫りにされる本当の支配者 ~官僚と経団連~
【古賀茂明】都議会「暴言問題」の真実 ~記者クラブによる隠蔽~
古賀茂明】集団的自衛権とワールドカップ
【古賀茂明】野党再編のカギは「戦争」
【古賀茂明】電力会社の歪んだ「競争」 ~税金をもらって商売~
【原発】【古賀茂明】規制委員会人事とメディアの責任
【古賀茂明】医師と官僚の癒着の構造
【古賀茂明】電力会社「値上げ救済」の愚 ~経営難は自業自得~
【古賀茂明】竹富町「教科書問題」の本質 ~原発推進教科書~
【古賀茂明】安部総理の「11本の矢」 ~戦争国家への道~
【古賀茂明】理研は利権 ~文科官僚~
【古賀茂明】「武器・原発・外国人」が成長戦略 ~アベノミクスの今~
【古賀茂明】マイナンバーを政治資金の監視に ~渡辺・猪瀬問題~
【古賀茂明】東電を絶対に潰さずに銀行を守る ~新再建計画~
【古賀茂明】「避難計画」なき原発再稼働
【古賀茂明】「建設バブル」の本当の問題 ~公共事業中毒の悪循環経済~  
【古賀茂明】安倍政権の戦争準備 ~恐怖の3点セット~
【原発】【古賀茂明】利権構造が完全復活 ~東日本大震災3年~
【古賀茂明】アベノミクスの限界 ~笑いの止まらない経産省~
【古賀茂明】労働者派遣法改正前にすべきこと
【古賀茂明】時代遅れな、あまりにも時代遅れな ~安部政権のエネルギー戦略~
【古賀茂明】森元首相の二枚舌 ~オリンピックの政治的利用~
【古賀茂明】若者を虜にする「安部の詐術」 ~脱出の道は一つ~
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【詩歌】鳥見迅彦「けものみち」

2015年12月27日 | 詩歌
 けものどもはおれの死体のにおいをかぎ
 シャツの端をくわえてひきさき
 あばらのあたりに
 ぐさりと爪をかけるだろう
 黒い鳥がおりてきて
 おれの目玉をついばむだろう
 虫けらたちもやってきて
 おれの足のうらをかけあがるだろう

 引返さなければならない
 引返さなければおれは殺される
 だれもしらないこんなところで
 おれは殺される

 けものみちのどんづまり
 木漏日はうすわらいをうかべ
 ひからびてころがっているけものの糞は
 たしかにおれをあわれんでいる
 けものどもは木や草のかげにかくれてこっちをみているにちがいない

□鳥見迅彦「けものみち」(『けものみち』、昭森社、1955:第6回H氏賞)
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 【参考】
【詩歌】鳥見迅彦「霧の尾根」

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