語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【本】分裂する米国を論じた労作 ~『階級 「断絶」社会 アメリカ』~

2017年07月06日 | 批評・思想
★チャールズ・マレー(橘明美・訳)『階級 「断絶」社会 アメリカ ~新上流と新下流の出現~』(草思社、2013)
 
 20世紀を通じて、米国社会の断絶とは“人種問題”だった。しかし、2000年以降の断絶は“貧富の問題”になった。今では、米国社会が1776年の建国以来、大切にしてきた信仰、勤勉、結婚、正直の美徳が大切に守られているのはリッチな白人社会だけだ。
 一方で、プアな白人社会では、日曜日に協会に行かない人、働かなくなった人、結婚しない男女、そして犯罪者の数がかつてないほど増加している。
 本書は、詳細なデータの裏付けによって、白人社会の間に起きている断絶を克明に示した初めての本だった。「健全な一般市民」という集団はもう存在せず、「健全な超富裕層」と、「嘆き怒れる一般市民」が対立し、分裂する。現代の米国社会を深く理解できる名著である。

□鈴木貴博(百年コンサルティング代表)「分裂する米国を論じた労作 ~名著未読・再読~」(「週刊ダイヤモンド」2017年7月8日号)を引用
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【南雲つぐみ】スイカの薬効成分 ~シトルリン~

2017年07月06日 | 医療・保健・福祉・介護
 スイカの果肉を搾って鍋で煮詰めた「スイカ糖」はむくみを取り、夏風邪の喉の痛みなどに効くとして江戸時代から使われている民間薬だ。漢方でスイカの皮は「スイカ翠衣(すいい)」といい、利尿作用が高くコレステロール値を下げる薬として使われてきた。
 スイカの古くからある薬効のひとつと考えられるのが、シトルリンという成分だ。うり科の植物に含まれ、スイカの果汁から発見されている。
 シトルリンは、体内でL-アルギニンという必須アミノ酸に変化する。アルギニンは「加齢によって低下する血管の弾力性を回復する」(抗加齢協会「健康食品機能性表示データブック」)などの効果が報告されている。一部では、男性機能の回復にいいという情報もある。
 シトルリンは、スイカの赤い部分よりも白い皮に多く含まれているそうだ。これまでは捨ててしまっていたが、肉と炒めたり、みそ汁の具などに入れたりするとおいしい。冬瓜のようなとろっとした味わいだ。千切りにして塩昆布と混ぜておつまみにしてもよさそうだ。

□南雲つぐみ(医学ライター)「スイカの薬効成分 ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年7月5日)を引用
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