語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【米国】アマゾンのベゾス氏の資産800億ドル突破 ~世界一の大富豪ゲイツ氏に肉薄~

2017年07月30日 | 社会
 (1)過去23年間のうち18年間で世界一の大富豪の地位にある米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏。近いうちに世界一の座を明け渡すことになるかも。

 (2)米アマゾン・ドット・コム創業者のジェフ・ベゾス・CEOの資産がいま一気に膨らみ、ゲイツ氏に肉薄している。好調な業績を背景にベゾス氏が有するアマゾン株が大きく値上がりしているからだ。
 世界の億万長者(billionaire)を日々順位付けしている米ブルームバーグ・ビリオネア指数によると、6月15日現在の個人資産額でベゾス氏は828億ドル(約9兆2,000億円)。あと66億ドルでゲイツ氏(894億ドル)に並ぶ。ゲイツ氏が世界一の座から降りるとなれば、カルロス・スリム氏(メキシコの実業家)に追い抜かれた2010年以来だ。

 (3)ベゾス氏が有する資産は、2017年初から信じがたいペースで増えている。6月中旬までの6カ月足らずで174億ドルも膨らんだ。円換算で2兆円に迫る。長者番付の上位10人の中では最大の増加額だ。ゲイツ氏も資産を増やしているとはいえ、増加額は半分以下の7億ドルにとどまる。
 主因はアマゾン株の急伸だ。4月下旬発表の1~3月期決算が予想を上回る内容だったため、5月末には、同社株は初めて1,000ドルの大台に乗せた。この結果、同社株の17%を保有するベゾス氏の資産も連動して増えたわけだ。ちなみに、同氏がCEOとして受け取る基本給は年8万2,000ドルであり、日本円で1,000万円にも満たない。

 (4)マイクロソフトとアマゾンは、たまたま同じIT業界に属するばかりか、共に米ワシントン州シアトル市を本拠地にしている。つまり、世界第1位と世界第2位の大富豪がそろって同市をホームタウンにしているのだ。地元紙シアトル・タイムズは5月上旬に次のように書いている。
 <もともとは中産階級を中核にしていたシアトルは大きく進化し、今では少数の億万長者が空前の富を手にする都市になった。その象徴がゲイツとベゾス。IT時代の申し子である2人は現代の鉄道王になった。>

 (5)長者番付の上位10人には米フェイスブック創業者のマーク・ザッカーバーグ氏(5位)と米グーグル創業者のラリー・ページ氏(10位)も含まれる。10人のうち4人が世界のIT業界をリードしてきた米起業家なのだ。
 19世紀の米鉄道業で巨富を築いたコーネリアス・ヴァンダービルトやジェイ・グールドら鉄道王にちなんで「現代の鉄道王」と呼ばれるゆえんだ。

 (6)リーマンショック前年の2007年はどうだったか。米フォーブス誌の長者番付によると、米IT長者は、10位内では首位のゲイツ氏に限られていた。2000年に絶頂に達した「ドットコム・バブル」の崩壊が影響していたらしい。それから10年を経て、米IT業界は完全復活し、さらには世界で覇権を握るようになった。
 ベゾス氏とゲイツ氏の長者番付トップ争いが、それを如実に示す。

□牧野洋(ジャーナリスト兼翻訳家)「The world's richest man(世界一の大富豪)/アマゾン株急伸でベゾス氏の資産は800億ドル突破、世界一のゲイツ氏に肉薄 ~Key Wordで世界を読む No.147~」(「週刊ダイヤモンド」2017年7月1日号)
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 【参考】
【スウェーデン】の実験 ~1日6時間労働 six-hour workday~
【米国】保育危機 child care crisis ~保育費が大学授業料を超える~
【米国】トランポノミクス ~ドナルド・トランプの経済政策~
【IT】米IBMはもはや「コンピューターの巨人」ではない ~Medium Blue~
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【南雲つぐみ】水泳後の目の洗浄 ~昔と今~

2017年07月30日 | 医療・保健・福祉・介護
 海やプールで泳いだ後、かつては水道水で目をよく洗ったほうがいいといわれていた。小中学生の頃には、プールの入り口にある洗い場で、指で目を開くようにして目を洗っていたのを覚えている。
 現在では、目は洗わなくてよいとされるようになってきた。眼科専門医によれば、目の表面はもともと涙の層によって守られている。水道水に含まれる塩素は、むしろ目に刺激を与えてしまうのだ。泳ぐときにはゴーグルを装着して塩素消毒されたプールの水や海水から目を守り、上がったあとは目に刺激の少ない目薬をさす程度でよいという。
 一方、泳いだ後に毛髪はよく洗ったほうがいい。海に入ると髪がパサパサしてしまうのは、海水の塩分が浸透圧により髪の水分を奪い、髪が乾燥しやすくなるからだという。また、プールの水に含まれる塩素は髪のキューティクルという表面組織を壊し、髪の傷みや切れ毛の原因になる。シャワーでよく洗い、保湿成分のあるトリートメント剤などでケアしておこう。

□南雲つぐみ(医学ライター)「水泳後の洗浄 ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年7月23日)を引用
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【南雲つぐみ】冷蔵庫のお掃除を ~食中毒を予防~

2017年07月30日 | 医療・保健・福祉・介護
 最近の冷蔵庫はチルドや氷温、パーシャルなどさまざまな温度設定ができ、生鮮食品の鮮度が長持ちするようにできているものもある。ここ数年で登場した最新機種には、熱いものをそのまま入れても大丈夫で、庫内の温度も保たれるのでラップ包装も不要という製品が主流になっている。
 しかし温度も湿度も高いこの時期に冷蔵庫を過信するのは危険だ。食品を入れっ放しにすれば、庫内で変質することもある。
 食中毒を予防するためにも、賞味期限の過ぎた食材は整理し、雑菌のもとになるこぼれたソースなどのふき取りはこまめにしてほしい。重曹小さじ1~2杯を水200ccに溶かして庫内にスプレーすると、油汚れなどが取れて消臭効果もある。
 冷蔵庫の食品庫の仕分けに、プラスチック容器や弁当箱などを使うことがある。古くなったプラスチック製品は細かい傷が付きやすく、そこに食べものの油や肉汁がつくと雑菌が繁殖しやすくなる。プラスチックは腐らないが、実は腐敗の原因になるのだ。

□南雲つぐみ(医学ライター)「冷蔵庫のお掃除を ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年7月8日)を引用
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【後藤謙次】急浮上する電撃解散説 ~ダブル補選と内閣支持率急落の絡み合い~

2017年07月30日 | 社会
 (1)政界の「補選地獄」という言葉は、たった1議席を争う選挙の勝敗が、重要政策や政権の命運を左右する、という意味だ。日本税制史にその名を残す補欠選挙がある。
  (a)1987年3月の「岩手ショック」。現職参院議員の死去に伴う参院岩手選挙区の補選。保守王国といわれた岩手で自民党は社会党に惨敗した。その結果、中曽根康弘・首相(当時)が国会に提出していた「売上税法案」は廃案に追い込まれた。
  (b)(a)の2年後、今度は参院福岡補選で反自民の火の手が上がった。89年2月、消費税導入を4月1日に控え、リクルート事件も重なったタイミングでの補選だった。竹下登・首相(当時)のコメントが残る。「完敗だ。雪崩現象といえる。参院岩手補選のときと少し似ている」・・・・20万票近い大差で自民党公認候補が大敗。これを契機に、竹下内閣は坂道を転げ落ちるように求心力を失っていった。消費税導入にはこぎ着けたものの、補選から2カ月後、竹下は首相退陣を表明した。

 (2)歴史をひもとけば、一つの議席を争う補選が、政治の流れを一変させた。補選のきっかけは議員の死去によるケースが多く、政権与党といえども都合のいい時期に選挙が行えないことも「番狂わせ」の大きな要因となる。
 そんな現職議員の死去による衆院の補選が、10月22日に実施されることが決まった。しかもダブル選だ(青森4区と愛媛3区)。
 補選は、本来の「欠員補充」に加え、その時々の国民世論の動向を判断する重要なリトマス試験紙の役割を果たす。
 東西二つの補選は、安倍晋三・首相に試練になるだろう。中でも愛媛3区は、岡山の学校法人「加計学園」の獣医学部新設問題で話題の焦点になっている今治市に隣接する選挙区だ。この問題の影響を受けないはずがない。
 しかも、東京都議選前はおおむね40%台後半で推移してきた安倍内閣の支持率が急落し、反転の兆しが全く見えてこない。今や「毎日新聞」で26%(調査日7月22~23日)という驚くべき数字。最も高い「日本経済新聞」ですら39%(同21~23日)で、40%の大台を割り込んだ。

 (3)この急落と重なるように、仙台市長選(7月23日)で自公が支援した候補が野党候補に競り負けた。仙台市長選では都議選で圧勝した都民ファーストの会のような第3の受け皿はなかった。“ガチンコ対決”で敗退しただけに自民党にとって事態はより深刻だ。
 「自民党支持層の7割しか与党候補に投票してくれなかった」
 自民党のベテラン選対幹部は敗因をこう分析する。自民党支持者の間にも政権批判が広がり始めているのだ。過去の、自民党の典型的な負けパターンだった。
 昨年の参院選でも、東北6県で自民党が当選したのは秋田だけだ。安倍政権の農業政策に対する批判が背景にあり、「安倍1強」の弱点が露呈した選挙だった。依然としてその弱点が克服されていないことが証明された。

 (4)安倍がリスクを冒して設定した加計学園問題をめぐる衆参両院での閉会中審査では、安倍の答弁矛盾が逆に政権不信を増幅させた。
 「やらなくてもいい審議で失点を重ねた」
 自民党内からも恨み節が聞こえる。そこにダブル補選。もともと内閣支持率の急落は政策の失敗が原因ではない。大阪の学校法人「森友学園」への国有地払い下げ問題に端を発した、安倍の「身びいき」に対する不信感が雪だるま式に拡大した結果だ。このため支持率回復への特効薬、挽回策がない。

 (5)安倍が表明した8月3日の内閣改造も効果は限定的だろう。内閣でも党でも、主要ポストには手を付けない「守り優先」だからだ。自民党のベテラン幹部も人事に当たって安倍にこんなアドバイスをしたという。
 「お友達は使わない。族議員も使わない」
 お友達排除は当然にしても、族議員からの起用見送りによって、業界とのつながりなど予期せぬスキャンダルが発覚しないとも限らないからだ。さらに金田勝年・法相の不安定な答弁ぶりが国会を混乱させたとして、「答弁能力」も入閣の適否を判断する重要なポイントになりそうだ。つまり劣勢挽回というよりは減点を極力減らすことが目標の「べからず改造」にならざるを得ないのだ。

 (6)何があるか分からないのが政治だ。とりわけ補選前に新内閣で不祥事、スキャンダルが発覚すれば、政権の命取りになる可能性が生じる。仮に補選を乗り越えても臨時国会、そして来年の通常国会を無事に乗り切れる保証はどこにもない。
 そこで、再び取り沙汰されるのが、「電撃解散説」だ。口火を切ったのが二階俊博・幹事長だった。
 「そう遠くない日に解散がある。立ち遅れは許されない」
 公明党も急速に早期解散論に舵を切りつつある。公明党は都議選で小池百合子・都知事が率いる都民ファーストと選挙協力を結び、候補者全員の当選を勝ち取った。しかし、都民ファーストが国政に打って出るとなると、長年の自公協力か、都民ファーストとの連携かの選択を迫られることになる。小池が国政進出を決断する前の衆院総選挙を期待する所以だ。
 そして何よりも、「混乱の続く民進党の選挙準備が整わないうちに選挙に持ち込む」(自民党幹部)。そんな声が自民党内に出始めた。
 「いつの選挙なら勝てるというよりも、いつの選挙なら負けが少ないか」(選対幹部)
 内閣支持率の急落とダブル補選が絡み合い、「解散」の2文字が急浮上する。

□後藤謙次「ダブル補選と内閣支持率急落が絡み合い急浮上する電撃解散説 ~永田町ライブ!No.350」(「週刊ダイヤモンド」2017年8月5日号)
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 【参考】


【後藤謙次】反自民の受け皿になれないし、小池知事との連携も困難 ~民進党~
【後藤謙次】内閣改造は「専守防衛」でも活路が見えない「守りの安倍」
【後藤謙次】経世会(額賀派)・宏池会(岸田派)・石田茂 ~都議選大惨敗後の動き~
【後藤謙次】安倍首相の改憲案の前倒し発言 ~「年内解散」に向けた思惑~
【後藤謙次】支持率急落で首相が「反省の弁」 ~それでも止まらぬ内部文書流出~
【後藤謙次】憲法改正発議までの長い道のりが賭のリスクに ~天皇退位・総裁選・衆院選~ 
【後藤謙次】【加計学園疑惑】沈黙していた政官双方から異論 ~加計学園問題が招く想定外反応~
【後藤謙次】共謀罪に加計学園問題まで炎上 ~予想以上に高い「6月の壁」~
【後藤謙次】安倍1強時代を揺るがすリスク ~森友学園問題で一躍「渦中の人」~
【後藤謙次】北朝鮮、金正男氏殺害の深層 ~日本政府内に異なる二つの見方~
【後藤謙次】政府与党内の二つの見方 ~北方領土交渉は頓挫?~
【後藤謙次】トランプの地滑り的勝利で始まった未知なる対米外交
【後藤謙次】築地市場の移転延期の決断が小池都知事の手足を縛るリスク
【後藤謙次】幹事長の入院が人事に波及、「ポスト安倍」めぐり早くも火花
【後藤謙次】参院選大勝も激戦12県で大敗 ~劣る「勝利の質」~
【後藤謙次】都知事選で与党分裂の理由 ~自民党内の反安倍勢力~
【後藤謙次】日本が直面する「ABCリスク」 ~英EU離脱で顕在化~
【後藤謙次】甘利大臣辞任をめぐる二つのなぜ ~後任人事と直後のマイナス金利~
【政治】不可解な時期に石破派が発足 ~その行方は内閣改造で~
【政治】震災後2度目の統一地方選 ~異例なほど注力する自民党本部~
【政治】安倍が描いた解散戦略の全内幕 ~周到な準備~
【政治】安部政権の危機管理能力の低さ ~土砂災害・火山噴火~
【政治】「地方創生」が実現する条件 ~石破-河村ラインの役割分担~
【政治】露骨な安倍政権へのすり寄り ~経団連が献金再開~
【政治】石原発言から透ける政権の慢心 ~制止役不在の危うさ~
【原発】政権の最優先課題 ~汚染水と廃炉作業~
【政治】「新党」結成目前の小沢一郎の前にたちはだかる難問
【政治】小沢一郎、妻からの「離縁状」の波紋 ~古い自民党の復活~
【政治】国会議員はヤジの質も落ちた
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