(1)過去23年間のうち18年間で世界一の大富豪の地位にある米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏。近いうちに世界一の座を明け渡すことになるかも。
(2)米アマゾン・ドット・コム創業者のジェフ・ベゾス・CEOの資産がいま一気に膨らみ、ゲイツ氏に肉薄している。好調な業績を背景にベゾス氏が有するアマゾン株が大きく値上がりしているからだ。
世界の億万長者(billionaire)を日々順位付けしている米ブルームバーグ・ビリオネア指数によると、6月15日現在の個人資産額でベゾス氏は828億ドル(約9兆2,000億円)。あと66億ドルでゲイツ氏(894億ドル)に並ぶ。ゲイツ氏が世界一の座から降りるとなれば、カルロス・スリム氏(メキシコの実業家)に追い抜かれた2010年以来だ。
(3)ベゾス氏が有する資産は、2017年初から信じがたいペースで増えている。6月中旬までの6カ月足らずで174億ドルも膨らんだ。円換算で2兆円に迫る。長者番付の上位10人の中では最大の増加額だ。ゲイツ氏も資産を増やしているとはいえ、増加額は半分以下の7億ドルにとどまる。
主因はアマゾン株の急伸だ。4月下旬発表の1~3月期決算が予想を上回る内容だったため、5月末には、同社株は初めて1,000ドルの大台に乗せた。この結果、同社株の17%を保有するベゾス氏の資産も連動して増えたわけだ。ちなみに、同氏がCEOとして受け取る基本給は年8万2,000ドルであり、日本円で1,000万円にも満たない。
(4)マイクロソフトとアマゾンは、たまたま同じIT業界に属するばかりか、共に米ワシントン州シアトル市を本拠地にしている。つまり、世界第1位と世界第2位の大富豪がそろって同市をホームタウンにしているのだ。地元紙シアトル・タイムズは5月上旬に次のように書いている。
<もともとは中産階級を中核にしていたシアトルは大きく進化し、今では少数の億万長者が空前の富を手にする都市になった。その象徴がゲイツとベゾス。IT時代の申し子である2人は現代の鉄道王になった。>
(5)長者番付の上位10人には米フェイスブック創業者のマーク・ザッカーバーグ氏(5位)と米グーグル創業者のラリー・ページ氏(10位)も含まれる。10人のうち4人が世界のIT業界をリードしてきた米起業家なのだ。
19世紀の米鉄道業で巨富を築いたコーネリアス・ヴァンダービルトやジェイ・グールドら鉄道王にちなんで「現代の鉄道王」と呼ばれるゆえんだ。
(6)リーマンショック前年の2007年はどうだったか。米フォーブス誌の長者番付によると、米IT長者は、10位内では首位のゲイツ氏に限られていた。2000年に絶頂に達した「ドットコム・バブル」の崩壊が影響していたらしい。それから10年を経て、米IT業界は完全復活し、さらには世界で覇権を握るようになった。
ベゾス氏とゲイツ氏の長者番付トップ争いが、それを如実に示す。
□牧野洋(ジャーナリスト兼翻訳家)「The world's richest man(世界一の大富豪)/アマゾン株急伸でベゾス氏の資産は800億ドル突破、世界一のゲイツ氏に肉薄 ~Key Wordで世界を読む No.147~」(「週刊ダイヤモンド」2017年7月1日号)
↓クリック、プリーズ。↓
【参考】
「【スウェーデン】の実験 ~1日6時間労働 six-hour workday~」
「【米国】保育危機 child care crisis ~保育費が大学授業料を超える~」
「【米国】トランポノミクス ~ドナルド・トランプの経済政策~」
「【IT】米IBMはもはや「コンピューターの巨人」ではない ~Medium Blue~」
(2)米アマゾン・ドット・コム創業者のジェフ・ベゾス・CEOの資産がいま一気に膨らみ、ゲイツ氏に肉薄している。好調な業績を背景にベゾス氏が有するアマゾン株が大きく値上がりしているからだ。
世界の億万長者(billionaire)を日々順位付けしている米ブルームバーグ・ビリオネア指数によると、6月15日現在の個人資産額でベゾス氏は828億ドル(約9兆2,000億円)。あと66億ドルでゲイツ氏(894億ドル)に並ぶ。ゲイツ氏が世界一の座から降りるとなれば、カルロス・スリム氏(メキシコの実業家)に追い抜かれた2010年以来だ。
(3)ベゾス氏が有する資産は、2017年初から信じがたいペースで増えている。6月中旬までの6カ月足らずで174億ドルも膨らんだ。円換算で2兆円に迫る。長者番付の上位10人の中では最大の増加額だ。ゲイツ氏も資産を増やしているとはいえ、増加額は半分以下の7億ドルにとどまる。
主因はアマゾン株の急伸だ。4月下旬発表の1~3月期決算が予想を上回る内容だったため、5月末には、同社株は初めて1,000ドルの大台に乗せた。この結果、同社株の17%を保有するベゾス氏の資産も連動して増えたわけだ。ちなみに、同氏がCEOとして受け取る基本給は年8万2,000ドルであり、日本円で1,000万円にも満たない。
(4)マイクロソフトとアマゾンは、たまたま同じIT業界に属するばかりか、共に米ワシントン州シアトル市を本拠地にしている。つまり、世界第1位と世界第2位の大富豪がそろって同市をホームタウンにしているのだ。地元紙シアトル・タイムズは5月上旬に次のように書いている。
<もともとは中産階級を中核にしていたシアトルは大きく進化し、今では少数の億万長者が空前の富を手にする都市になった。その象徴がゲイツとベゾス。IT時代の申し子である2人は現代の鉄道王になった。>
(5)長者番付の上位10人には米フェイスブック創業者のマーク・ザッカーバーグ氏(5位)と米グーグル創業者のラリー・ページ氏(10位)も含まれる。10人のうち4人が世界のIT業界をリードしてきた米起業家なのだ。
19世紀の米鉄道業で巨富を築いたコーネリアス・ヴァンダービルトやジェイ・グールドら鉄道王にちなんで「現代の鉄道王」と呼ばれるゆえんだ。
(6)リーマンショック前年の2007年はどうだったか。米フォーブス誌の長者番付によると、米IT長者は、10位内では首位のゲイツ氏に限られていた。2000年に絶頂に達した「ドットコム・バブル」の崩壊が影響していたらしい。それから10年を経て、米IT業界は完全復活し、さらには世界で覇権を握るようになった。
ベゾス氏とゲイツ氏の長者番付トップ争いが、それを如実に示す。
□牧野洋(ジャーナリスト兼翻訳家)「The world's richest man(世界一の大富豪)/アマゾン株急伸でベゾス氏の資産は800億ドル突破、世界一のゲイツ氏に肉薄 ~Key Wordで世界を読む No.147~」(「週刊ダイヤモンド」2017年7月1日号)
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【参考】
「【スウェーデン】の実験 ~1日6時間労働 six-hour workday~」
「【米国】保育危機 child care crisis ~保育費が大学授業料を超える~」
「【米国】トランポノミクス ~ドナルド・トランプの経済政策~」
「【IT】米IBMはもはや「コンピューターの巨人」ではない ~Medium Blue~」