円の外へ

20070121開設/中学高校国語授業指導案/中学校学級経営案/発達症対応/生活指導/行事委員会指導

ありがとう2021年11月

2024-09-14 15:43:12 | 2024年度雑記
カテゴリー別目次
ありがとう
2024-09-14掲載 2021年11月某日記述
(再掲かもしれませんが調べられませんでした)
授業へ行くために階段をのぼった。

のぼりきったところへ、1年生の授業クラスの女子、男子がつめかけて、テストについて質問を始めた。
「試験範囲は、いつ配られますか!」
「ことわざは、何問出ますか!」
「何点分、出ますか!」

いちどにすごい勢いで話しかけるので、聞き取れないし、答えられない。
それに、いつもわりと無口な女子もやたらに気迫がある。
「一度に言ったら、わかんないよ~」
えーと。範囲ね。範囲は・・・・・・。と一人一人答えた。
ずいぶん、やる気になってるなあ、とここでは何もわからなかった。

廊下を歩いていくと、今度は男子が数人、文庫本を持ってつめかけた。
「この本おもしろいですよ。」
「貸してあげます。読んで下さい!なんとかかんとか、なんだかんだ、ああだこうだ!」
あー。そういうことか。

長いこと、この仕事をしていると生徒の企画はすぐわかる。
でも、中学生に教えるのは久しぶりなので、にぶっていたし、期待もしていなかった。

ぼくは、授業の荷物をろうかに置いて、じっくりと話を聞き、どんどん答えた。
伝令(でんれい)役の生徒が、ちょろちょろぼくたちと教室を行き来している。
(もういいよ)と、伝令役がこっそり言うのがぼくにも聞こえる。
このアホさがたまらない。かわいすぎる。

ゆっくり歩いて授業教室に入る。まだ休み時間だが、全員席についてぼくを見る。ぼくは、(何をしたのかな?)と教室を見回すと、黒板にいっぱいのお祝いの絵と言葉が書いてあった。
「おーーー。ありがとう。こんなことしてくれるなんて思わなかった。うれしいね!」
そして、これは予告通り無理矢理♪ハッピバースディ♪を歌わせる。予定通りのお話をする。しかし、このクラスは話を聞くときものすごく澄んだ目で聞くのだ。あぶないっ。

では授業を始めましょう、と僕は竹取物語を追い読みさせた。
生徒の板書には慣れていた。
でも、教室に入れないように必死に時間かせぎする生徒の顔が目に浮かんだ。
声が少し震える。
あぶない。
早く読み終わらないとあぶない。早く読み終わろうとするとよけい胸がいっぱいになる。
目のふちが熱くなりかける。あ、あぶないっ。
「では、漢字ドリル」と言ったあとしばらく、だいぶがんばって何かこぼれてしまうのを我慢した。
とても感激しました。
4組のみなさん。ありがとうございました。うれしいです。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« どんどん漢字を書く力が落ち... | トップ | 市内国語弁論大会(14年前... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

2024年度雑記」カテゴリの最新記事