とだ*やすこの「いまここ@島本」

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大阪府島本町議会議員
とだ*やすこの活動報告

好機?大学立地

2011年07月02日 | JR島本駅西まちづくり
JR島本駅西側農地区に、学校法人から立地希望の打診が町にあってから既に数ヶ月。町は、私立大学全般に関する最近の動向調査と研究、学校法人・西大和学園の経営状況と将来性などの調査・研究を行っているのでしょうか。これは中高の進学実績、ブランド力とはまったく別の問題です。

西大和学園高校[特別編入]の偏差値は74。東大寺学園高校[普通]77につぐ超難関進学校です。生徒の多くが京大、東大など、超難関大学への進学を目指しており、新たにできる系列大学に自校生徒が入学するとは思えません。少子化で多くの大学が生徒募集に苦戦しています。

なかでも看護系4年制大学は、ざっと調べただけで、滋賀県・京都・大阪府内だけで19校あります。定員割れを起している、経営に苦戦しているなどの内情も聞いています。

協議会における議論、検討、結論と、町の検討は、自ずとその中身が異なります。地権者のみなさんが、法人からの提案をまたとないチャンス、今考えられる最良の選択と思われたとしても、はたして大学立地が自治体に幸運をもたらす時代なのか。わかりかねています。

町が自ら客観的に立地効果と将来性を分析し、受け入れの是非を検討する必要があります。理事のみなさんは当該地の公共性を充分に認識しておられることと思いますが、協議会が出される結論とは別の視点で、町は町として独自に判断しなければなりません。

多くの人に意見を求めてみました。尋ねた方の多くが農地環境の保全を望んでおられますが、この先、やがてなにかが建つのであれば、大学であることは望ましいのではないか、というご意見が少なからずありました。

しながら、新設大学の運営に対する不安は強く、学校運営が成り立つのか、民から民への転売になれば町は介入できないなど、不安要素を指摘される方が非常に多かったのも事実。「土地は売却せず借地がよい」というご意見もありました。

大学が来れば潤うというのは「幻想」と思った方がよい、という大学関係者のご指摘もありました。町は、立地実現に関して、これらの不安要素を払拭するだけの調査研究、情報の公開をしなければならいということになります。

はじめのボタンを掛け違えると、地域に突如出現したハコモノ施設と化し、大学と自治体、学生と周辺住民が良好な関係、活発なコミュニケーションをもつことが、将来にわたって難しくなってしまう可能性があります。

町内でも、学生のマナーの悪さや騒音に悩まされ、山崎地区の周辺住民が学校法人に通学路の迂回を強く求めた事例が過去にありました。学校法人となれば税収に大きなメリットは期待できない。今回は駅に隣接していることで、通学定期のある学生は、高槻・京都・大阪の中心街に流れるだろうと予想します。

だからこそ、地学連携、産学連携、あるいは大学の知的財産をどのように「まちづくり」に活用できるのか、地域住民にどのように開かれた施設になるのか。また、大学は町になにを期待しておられるのか(周辺の交通アクセスなど)、ここが鍵になると思います。

しかし、18日の協議会で繰り返し述べられたのは、平成26年の開校希望で時間的に余裕がなく、早急に意思決定が必要ということでした。また、交渉の発端から、町に主体性がなさすぎることも不安要素(!)です。情報公開、要望の集約など、丁寧な事前準備などに要する時間が充分にあるのでしょうか。

田園風景と北摂の山並みがホームから眺められる、極めて貴重な当該区域には、後鳥羽上皇が愛された庭園都市としての歴史的価値があると言われています。戦略的に大阪・京都間で他に例をみない鉄道駅として育て、東側が背負う昭和の歴史とともに将来に伝承する。

稲作という日本文化が周辺の景観と溶け合う利点を活かし、広場型の「文化の殿堂」と位置づける、これが理想という思いは今も変わりません。しかし、町が大学立地受け入れを検討することさえも認めないという姿勢はとりません。

住宅ならば断固反対。住宅は既に余ってきています。両親の他界後、実家を売却するケースが増えています。大学立地そのものにまっこう反対するつもりはありません。調査、研究、情報公開という過程で議論が充分であれば、その過程で民意が熟成し、総合的に、よりよい判断ができると信じています。

画像は、東大寺・山崎地区に開業準備中の「フレスコ」
7月末頃の開業ときいています
地域住民の要望に応えて建築設計を変更されました
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