「入鋏省略」バラエティ

自動改札化によってその意味するものはあまりなくなりましたが、私鉄の券売機券に「入鋏省略」と表示されたものがありました。
「入鋏省略」とは文字通り「れることを省略します」の意味で、改札のラッチに常時駅員を配置することを避けるため、比較的乗降客の少ない時間帯である早朝や、終日乗降客の多くない小さな駅でよく見かけたものです。

今でこそサーマル印字で表示されていますが、印版式の頃は、印版が捺されてから自動的に入鋏省略スタンプが捺されて発券されるものと、印版にそのまま一体となって表示されるものの二種類がありました。

 images(京王帝都)

これは京王帝都のもので、印版が捺されてから、右側に紫色のスタンプが捺されて発券される、「スタンプ型」です。

 images(小田急)   images(西武)

「スタンプ型」は京王帝都の他、小田急や西武等で使用されておりました。

 images(東京急行) images(東京モノレール)

次のものは、東京急行と東京モノレールの鹿児島空港委託券で、表示が予め印版と一体なっていて、「入鋏省略」が前提となって発券される「一体型」です。
若干イメージは異なりますが、表示される位置は「スタンプ型」とほぼ同じです。

ところが、これら「入鋏省略」の表示については、特に位置が定められているものではないようで、探してみるといろいろな様態が確認できます。

 images(京王帝都…天地逆)

これも京王帝都のもので、表示されている位置はだいたい合っている(?)のですが、ちょっと斜めになり、さらに天地逆になっています。

 images(京王帝都…左右逆)

次の例になりますと、左側に表示されています。

 images(京王帝都…左右逆および斜め)

そしてさらに、斜めになっちゃっているのもあります。

 images(交通営団…横書き)  images(筑波鉄道…横書き)

「一体型」もこれといって決まりはないようで、この交通営団や筑波鉄道のものは右側にあるものの、横書きになっています。

 images(東京急行…横書きおよび左側表示)

次の東京急行のものになると、同じ横書きでありますが、今度は左側に表示されています。

 images(近鉄…横書きおよび「入鋏略」)

近鉄のものになりますと、「入鋏省略」の「省略」までが略されて「入鋏略」となっています。

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