JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
10年以上前に御紹介した券も再度御紹介しようかと思います。
古紙蒐集雑記帖
「入鋏省略」バラエティ
自動改札化によってその意味するものはあまりなくなりましたが、私鉄の券売機券に「入鋏省略」と表示されたものがありました。
「入鋏省略」とは文字通り「鋏を入れることを省略します」の意味で、改札のラッチに常時駅員を配置することを避けるため、比較的乗降客の少ない時間帯である早朝や、終日乗降客の多くない小さな駅でよく見かけたものです。
今でこそサーマル印字で表示されていますが、印版式の頃は、印版が捺されてから自動的に入鋏省略スタンプが捺されて発券されるものと、印版にそのまま一体となって表示されるものの二種類がありました。
これは京王帝都のもので、印版が捺されてから、右側に紫色のスタンプが捺されて発券される、「スタンプ型」です。
「スタンプ型」は京王帝都の他、小田急や西武等で使用されておりました。
次のものは、東京急行と東京モノレールの鹿児島空港委託券で、表示が予め印版と一体なっていて、「入鋏省略」が前提となって発券される「一体型」です。
若干イメージは異なりますが、表示される位置は「スタンプ型」とほぼ同じです。
ところが、これら「入鋏省略」の表示については、特に位置が定められているものではないようで、探してみるといろいろな様態が確認できます。
これも京王帝都のもので、表示されている位置はだいたい合っている(?)のですが、ちょっと斜めになり、さらに天地逆になっています。
次の例になりますと、左側に表示されています。
そしてさらに、斜めになっちゃっているのもあります。
「一体型」もこれといって決まりはないようで、この交通営団や筑波鉄道のものは右側にあるものの、横書きになっています。
次の東京急行のものになると、同じ横書きでありますが、今度は左側に表示されています。
近鉄のものになりますと、「入鋏省略」の「省略」までが略されて「入鋏略」となっています。