飯田町駅ってご存知ですか?

飯田町駅は1895(明治28)年4月に甲武鉄道(現在のJR中央線)のターミナル駅として開設された駅でした。そして1904(明治37)年8月には国電の元祖と呼ばれる電車が中野駅まで運転されると電車の始発駅となりましたが、1928(昭和3)年11月、関東大震災の復興工事の際に、新宿駅までの客貨分離を目的とした複々線化が完成し、それによって飯田橋駅の新宿寄りの折り返し線付近にあった隣駅である牛込駅と統合されて飯田橋駅が開業し、電車の発着は無くなりました。
その後の飯田町駅は長距離列車用の駅となって営業が続けられましたが、1933(昭和8)年3月に長距離列車のターミナル駅は新宿駅に変更され、旅客営業が休止されて貨物駅となりました。
しかし、1997(平成9)年3月には貨物列車の発着が無くなり、1999(平成11)年3月に駅自体が廃止され、現在その跡地にはJR貨物本社やJR系のホテルメトロポリタンエドモンドが建っています。

  images (飯田町~千駄ヶ谷間ゆき)  images (日付部分拡大)

上の券は往復の半券ですが、水道橋駅発行の飯田町~千駄ヶ谷間ゆきの往復乗車券の往路片です。発行された年が不鮮明ではっきりしませんが、日付部分を拡大してみると「13」もしくは「15」と読み取れるところから、まだ電車が発着していた頃の大正13年ないし15年の10月30日発行の券であろうと思われます。

  images (牛込~濱松町間ゆき)

次の券もやはり往復の半券ですが、昭和3年7月8日品川駅発行の牛込から濱松町間ゆきの往復乗車券の復券片です。牛込駅はこの4ヵ月後に飯田橋駅と統合されて消滅してしまっています。

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