JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
10年以上前に御紹介した券も再度御紹介しようかと思います。
古紙蒐集雑記帖
島原鉄道の長距離準常備片道乗車券
いつもパクリになってしまっていますが、菅沼天虎さまのブログ「菅沼天虎の紙屑談義」12月4日エントリーの「島原鉄道 有家から大阪市内ゆき準常備券」で島原鉄道の長距離準常備片道乗車券が紹介されていますが、同じもので、若干時代の古いものが手元にございましたので御紹介いたします。
これは、昭和50年に第三東駅で発行された、東京都区内ゆきの準常備片道乗車券です。
発行駅がちがうものの、恐らく菅沼天虎様のものと同じ口座であると思われ、また、東京都区内の下に横線がかすかに見えることや、裏面の注意書きが東京都区内以北まで言及されていないことから、東京都区内ゆきがこの口座の最遠区間であると推測されます。
ただ、菅沼天虎さまのものとは違い、発行された時期は7年古いにもかかわらず、「2等」の表記はありません。しかし、準常備券特有の「着駅は最下段」の表記が「着駅ハ最下段」となっており、時代的に古いものであることが伺えます。
次は昭和52年に原城駅で発行された、東京都区内ゆきの準常備片道乗車券です。
料金が違いますが、原城駅と大三東駅から諫早駅までの社線内の運賃の差額は現在でも690円ですから、当時の運賃が現行よりも高いことは考えにくく、原城駅のものが大三東駅のものより後に印刷されたものであることが判ります。しかし形式は大三東駅のものと同一のようです。
なぜにして、これより後に印刷された券に「2等」の表記が復活したのか不思議です。
因みに、大三東の券の裏にある注意書きを拡大してみましょう。
「阪と表示されている駅」の末尾がカッコで閉じていなかったり、「国鉄線各駅」と記される部分が「国鉄各駅」と記載されている点や、「乗車又は下車できますが前途は無効となります。」と記載されている点など、菅沼天虎様のものと文章は変わりません。また、神戸市内・京都市内・名古屋市内については駅名票にある表示(□神・□京・□名)の表記が無いのも共通しています。しかし、活字の雰囲気が違うことから、改めて活版を組み直したように見えます。
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