戦後資材不足時の1/2硬券

まだ終戦後の資材不足が深刻であった、運輸通信省時代の昭和24年5月に諫早駅で発行された、大村ゆきの硬券乗車券です。

   


一見すると往復乗車券の往路用片に見えますが、これは片道乗車券です。


当時、資材不足に対応するため、B型硬券を往復乗車券状に2分割の状態で印刷し、それぞれ切り離して発売されました。
通常、往復乗車券では往路用に運賃の記載はありませんが、この券には運賃記載があることが往復乗車券との大きな違いです。

この券は鉄道省地紋(GJRてつだうしゃう)となっており、鉄道省時代もしくは、昭和18年11月以降の運輸通信省時代になってから印刷されたものですが、発行日の末尾がはっきり特定できませんが、「24.-5.2x」と読み取れることから、運輸通信省時代に発行されたことがわかります。


これから約1週間後の昭和24年6月1日には日本国有鉄道(国鉄)が発足していますので、鉄道省様式券としては末期のものとなります。
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