伊勢奥津駅発行 普通入場券

昭和59年9月に名松線伊勢奥津(いせおきつ)駅で発行された普通入場券です。


   


白色無地紋のB型大人・小児用券です。同駅は三重県内に位置し、東海地方のイメージが強いですが、国鉄時代は天王寺鉄道管理局管内に属していましたため、大阪印刷場で調製された券が使用されています。


名松線は名張と松阪を結ぶ計画だったことから付けられた路線名ですが、参宮急行電鉄(現・近畿日本鉄道)が同じ区間を先に開通させてしまったため、松坂から伊勢奥津駅まで開通した時点で工事が中断され、以後延伸されないまま現在に至っています。


国鉄時代は赤字83線区のひとつとして廃止勧告対象となり、特定地方交通線第2次廃止対象線区にも選ばれていましたが、岩泉線とともに代替道路未整備を理由に廃止対象から除外されたため現在も廃止されることなく残され、岩泉線廃止以後は唯一の元特定地方交通線となっています。

松坂~家城間は票券閉塞式、家城~伊勢御津間はスタフ閉塞式とJRでは珍しい閉塞方式が採用されており、途中の家城駅は運転関係業務のために駅員配置駅となっているものの、伊勢奥津駅は平成2年に松坂駅管理の駅員無配置駅として無人化されています。


同駅は平成16年に木造駅舎から現在の駅舎に建て替えられていますが、建て替え5年目の平成21年の水害で全線不通となって以来、途中の家城駅までの区間が運転再開された後も運休の状態が続き、平成28年3月、6年半ぶりに全線運転再開となって列車が走るようになっています。

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