新十津川駅発行 新十津川から下徳富・南下徳富間ゆき 片道乗車券

前回エントリーで、JR東日本品川駅の指定券券売機で発行された、JR北海道札沼線の新十津川から下徳富・南下徳富間ゆきの片道乗車券を御紹介いたしましたので、今回は国鉄時代の新十津川駅で発行された、新十津川から下徳富ゆきの片道乗車券を御紹介致しましょう。


   

1984(昭和59)年7月に新十津川駅で発行された、下徳富・南下徳富間ゆきの片道乗車券です。
桃色こくてつ地紋のB型一般式大人・小児用券で、札幌印刷場で調製されたものです。


当時の同駅は「しんとつわ」駅という駅でしたが、1997(平成9)年4月に「しんとつわ」駅と、漢字名は変更ありませんでしたが、読み方が変更されています。
この券が発行された頃の新十津川駅は、その先の新十津川駅~石狩沼田駅間の路線が1972(昭和47)年6月に廃止されてから12年の年月が経過していますが、その頃はまだ有人駅となっており、乗車券類の発売が行われていました。しかしながら、この券が発行されてから約2年後の1986(昭和61)年3月に無人化されています。

着駅である下徳富(しもとっぷ)駅も無人駅ですが、昭和50年代中頃までは有人駅として乗車券の発売が行われていました。駅には有人駅であったことを窺わせるような待合室がありましたが、晩年は1日あたりの乗降者数が1名以下という駅だったようです。
また、もうひとつの着駅である南下徳富駅は当初から無人駅であったようで、やはり1日あたりの乗降者数は1名以下であったようです。


ところで、この券の着駅は「下徳富・南下徳富ゆき」となっていますが、下徳富駅と南下徳富駅の間には駅はありません。晩年は廃駅になってしまっていますが、新十津川駅と下徳富駅の間に2006(平成18)年まで中徳富駅という無人駅が存在していましたが、この表記に中徳富駅は関係なさそうです。

新十津川駅と中徳富駅の間の営業キロは2.6kmで、中徳富駅と下徳富駅の間の営業キロは2.4kmであり、新十津川駅と下徳富駅の間の営業キロはちょうど5.0kmになります。また、下徳富駅と南下徳富駅の間の営業キロは2.1kmであり、新十津川駅と南下徳富駅の間の営業キロは7.1kmになります。
そうなりますと、この券の有効区間の営業キロは5.0km~7.1kmということになり、国鉄の営業キロ帯では4~10km帯に相当しますので、共通着駅間に駅が無いということは「下徳富・南下徳富ゆき」という表記は印刷ミスであり、本来であれば「下徳富・南下徳富ゆき」となるのが正当ではないかと思われます。

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