趣味で蒐集した「きっぷ」を見て考えたこと、とか…
JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
古紙蒐集雑記帖
JR東日本 高額オレンジカードの払戻し手続期間の終了
本年(2023年)3月末を以て、JR東日本では高額オレンジカード(5,000 円券、10,000 円券)の払戻し手続期間を終了させました。
JR東日本が発売した高額オレンジカードです。発売額は10,000円ですが、プレミアが700円分付いており、10,700分の利用が可能でした。
裏面です。まだ同社が東京都千代田区丸の内の旧国鉄本社にあった時代のものです。払い戻し処理等に悪用されるといけないので、バーコードの部分については画像処理をしています。
JRグループ全体では、券売機でのきっぷの購入に利用するプリペイドカードとしてオレンジカードを発売していましたが、2013(平成 25) 年3月末で発売を終了させています。
JR東日本では、オレンジカード発売中の1991(平成3)年にきっぷを購入する手間を省くプリペイドカードであるイオカードを発売し、さらには2001(平成13)年にはSuicaを登場させていますが、これらは他のJRグループ旅客鉄道会社との共通性がなかったため、グループ各社で使用できるプリペイドカードとしてオレンジカードの発売を継続させていました。
ただし、高額オレンジカードについては、テレホンカードやハイウエイカード同様に偽造カードが出回っていたことから、1997(平成9)年3月に発売が停止され、翌年1月には利用することもできないという事実上廃止同然の扱いになり、残額のある高額券については駅窓口で低額(500円券、1,000円券、3,000円券)オレンジカードに分割交換のうえ継続使用をすることで使用可能としていましたが、2021(令和3)年9月末を以て高額オレンジカードは正式に廃止になっています。
JRグループでは現在でも対応可能な券売機では低額オレンジカードは現在でも使用することが可能ですが、高額券については2021 (令和3)年9月末を以て廃止されたことにより、本年(2023年)3月末までの期間、「資金決済に関する法律第 20 条第 1 項」の「前払式支払手段発行者は、前払式支払手段の保有者に当該前払式支払手段の残高として内閣府令で定める額を払い戻さなければならない」という規定に基づいて払戻しが行われていました。
この払い戻しは関東財務局が管轄財務局になって、廃止翌日の2021 (令和3)年10月1日を始期として2023(令和5)年3月31日を終期とする払戻申出期間が設けられていました。
今回の払戻申出期間(払戻し手続期間)の終了に伴い、同社発行の高額オレンジカードは払戻しの手続きから除斥され、使用することはすでにできなくなっていますが、交換することや払い戻しをすることもできなくなってしまいました。