東京駅発行 品川駅ゆき普通乗車券・普通列車用グリーン券 一葉券

大型連休も終盤に差し掛かりました。拙ブログにご訪問いただいていらっしゃる方の中には、連休中はどこか遠くへ行かれた方もいらっしゃるかと思います。長距離の旅行のグリーン車は魅力ですね。
今回は、かつて東京印刷場管内の需要のある区間で発行されておりました、普通乗車券と普通列車用グリーン券の一葉券を御紹介いたしたいと思います。


   

1971(昭和46)年1月に、東海道本線東京駅で発行された、品川駅までの普通乗車券と普通列車用グリーン券の一葉券です。
青色こくてつ地紋のA型大人・小児用券で、東京印刷場で調製されたものです。

普通列車のグリーン車は特急・急行のグリーン車と異なり、どの時期においてもグリーン車指定席とグリーン車自由席の料金は同一となっています。また、特急・急行のグリーン料金より普通列車グリーン料金の方が安いのは、国鉄時代の統一規格で、シートピッチの違いであり、特急・急行が1,160mmだったのに対し、普通列車は970mmしかなかったことに由来するようです。

普通列車のグリーン車を利用する際には普通乗車券の他に普通列車用のグリーン券が必要で、窓口で発券する際には普通乗車券と普通列車用グリーン券をそれぞれ1枚ずつ発券する必要がありました。
こうなりますと普通乗車券と普通列車用グリーン券の口座をそれぞれ設備しなければならないことと、いちいち2枚発券する手間が煩わしかったのでしょうか、1970(昭和45)年ごろから、それら2枚を1枚にまとめた一葉券の様式が登場しています。

記載されております券名の表記は「乗車券・普通列車用グリーン券」となっており、アンダーラインの下に乗車区間が明記されています。
そして、近距離でありますため、発売当日限り有効 下車前途無効になりますので、その旨が記載されています。
そして、当時のグリーン料金には通行税という税金が1割含まれておりましたため、「グリーン料金は税共」と表記され、その右側に運賃とグリーン料金の合算額(=発売額)が記載されています。
小児断片の部分については、クリーン券・片道乗車券を示すと思われる「グ片」という券の名称および、品川ゆきである旨を示す「品川」と、運賃料金140円から小児用の運賃料金である70円との差額が記載されています。


   

裏面です。券番の他、普通列車のグリーン車に乗車できることと、急行列車のグリーン車は利用できないことが明記されています。

普通乗車券と普通列車用グリーン券の一葉券は画期的な様式ではありましたが、その後、何回かの様式改定が行われていましたが、IC乗車券が主流になった現在、このような発行形態は行われていないようです。

それにしても、東京駅から品川駅までの2駅(新橋・品川)の、営業キロがわずか6.8 km、所要時間7~8分という区間において、普通乗車券と普通列車用グリーン券の一葉券が設備されるほどの需要があることに驚きです。

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